わたしのこと、ずっと見ててね。心から寄り添う人。
Netflixで「しあわせのパン」見ました。
何度も見てるし、小説も持ってる大好きな映画。
大泉洋さん、原田知世さん主演のお話で、北海道の洞爺湖の畔の小さなオーベルジュ式のパンカフェ「マーニ」が舞台。
マーニでは大泉さん演じる「水嶋くん」が焼く素朴なパンと、原田知世さんが演じる「りえさん」が淹れてくれる美味しいコーヒーが飲める。
マーニには彼氏に振り回され失恋した女の子や、両親の離婚で素直に泣けない小さな女の子、歳をとった認知症の奥さんといっしょに死のうとする旦那さん。。さまざまな人がやってくる。
そして、ふたりの温かい日常に包まれるうちに、見栄を張って苦しかった自分を解放したり、お父さんと泣くことができたり、奥さんを「かわいそうな人」から、「愛しい人」と思えたり、、というような魔法にかかる。
ううん、「魔法にかかる」のではなくて、「思い出す」のかもしれない。
「あぁ、わたしにこんな気持ちがあったんだな。」って。
わたしの大好きなシーンはここ!
みんなで食卓を囲んで、夕食をとっていたとき。
水嶋くんは大きなパンを手にとって、半分に割ってりえさんへ。2人はいつもこうする。
お話のキャッチコピーは「わけあうたびに わかりあえる 気がする」
2人はこうして、ひとつひとつのことを大切に、丁寧に分け合っていくの。それは主に水嶋くんから。
映画よりも小説の方が詳しく書かれてるんだけど、りえさんには、心の中に「誰にも開かないところ」があって。
大好きな絵本を見つめる瞳、大雪の景色を見上げる視線。その先に何を見ているのか、りえさんの心の中は?。。水嶋くんにさえも見せてくれない心がある。
大好きな人には、心配なことがあるなら分け合って欲しいし、分かりたいと思う。
その心を打ち明けられないほどに自分は無力なのかな、、とこっちも不安になってしまう。。。
知りたい、あなたの心を知りたい。
そう思うんだけど、水嶋くんはいつも後ろからずっと、りえさんを見つめてる。
時々、「ここでは、無理して笑わなくていいんだよ」と声をかけるけど、りえさんが笑顔になった日を、りえさんがほっと安心した日を、りえさんが美味しいねと喜ぶ日を、隣でずっと見ている。
ここで、すこしわたしの話。
わたしは7年いた人とこの前、離婚した。
ずっと生活を共にしてきた。いっしょにごはんを食べて、たくさん話をして、お出かけもして、2人のお気に入りのテレビを見て笑ったりしていた。
いまはもう、結婚生活を続けることができなくなって、離れ離れになった。
わたしたちも水嶋くんとりえさんのように過ごしてたはずなのにな。。
どうしてわたしたちは、水嶋くんとりえさんのように暮らし続けていくことができなかったのかな。。
もう、これほどに心が開ける人には会えないかもしれない。
この先、誰かを好きになっても、その先を信じられないかもしれない。そう思う反面、ひとりでい続けるさみしさや、不安も感じてる。
あぁ、わたしはどうしたいのかな。
全然わからなくなって、「しあわせのパン」をぼんやり見ていた。
映画の最後、これまで静かに、ひとり、心の奥に潜っていたようなりえさんは、水嶋くんに言います。
「水嶋くん、
わたしのこと、ずっと見ててね」
あぁ、これなんだと思った。
いつも見ていてくれる人が、この先にいて欲しい。
悲しい日も、嬉しい日も、普通の日も、ちょっといいことがあった日も、ふとさみしくなる日も、、
あなたのこと、ずっと見てるよって。
見守って欲しい、じゃなくて
そっと、心て寄り添っててほしい、という感覚。
子供の時の、「お母さん、見てて!見ててね!!」
に近いのかもしれない。
子供の時それが上手にできてなかったんだろうな。。
そういう人が、心を通える人が、
またわたしの人生に現れますように。
わたしもその時は、その人と、「分け合って」暮らせますように。そう願った。
りえこ
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