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「加藤さんを勝たせたいという一心で」ー試合は9回裏に追いつかれる。野球は心理のスポーツとつくづく思わさせる日。三連勝を逃したファイターズは。

2021 4/11 京セラドーム大阪 bs×F 4対4

 0-1の劣勢からの7回表、清水優心捕手の同点打、代打郡拓也のプロ初打点、逆転したファイターズ。8回表にも今季初スタメン高浜裕仁ホームラン!樋口龍之介タイムリー! 次々に繰り出されるシャッフルメンバーの活躍が際立つ。

もう若い人にシャッフルしろっ! て言ったのわたしだし、嬉しいけど。でも変えたとたんに連勝とか、下げられた方の立場は辛いよなあ…とか一瞬、つい遠い目をしてしまったせいなのか…。

勝てると思ってはいけない。隙を見せてはいけない。試合終了のコールがかかるまでは。

「仙道が来るぞ!」

ブザービーターの恐怖を知る桜木花道(『スラムダンク』)が叫んだ教訓は、どんなスポーツにも当てはまる。

わたし、今日は、ちょっと油断してしまったよ…。

「加藤さんを勝たせたい一心で」

8回裏まで投げ切った加藤貴之。同点タイムリーを放った優心の心は、9回裏2アウト、2.3塁の場面でも、同じように強かったに違いない。

クローザー杉浦の三連投を避けるため、マウンドに上がった玉井大翔もきっと同じ気持ちを抱きながら。

バッター宗、2−2から投げ込んだボールは、率直すぎるように甘かった。打球はライト大田泰示の頭上をかすめ、同点タイムリー三塁打を喰らう。勝ちたいあまりに勝負を急いだバッテリー。テレビの前では、そう見えてしまった。

外野も前に出過ぎじゃね?と思ったけど。

セカンドランナーを返さない、一か八かくらいの前進守備で、ライトの頭を越され、セカンドランナーを返してしまった。もう少し後ろだったら、たいしちゃんは、取れていた。まあたられば結果論ですけど。これもまたチームで勝ちたい一心が招いた、前のめりの作戦、だったのかもしれない。

若い子が活躍し、欲しいところで追加点を取り、勝てる流れを掴んだと、油断するわけじゃないけど。ちょっとほっとして安心感が、あった。それはテレビの前のわたしの状態ですが。ベンチにもちょこっとは漂っていたようないなかったような…。

野球は、つくづくと心のスポーツ。ちょっとした隙が、思わぬ展開に繋がり、さっきまで手にしていたはずの勝利の手綱は、するりと離れていく。

最後にテレビに映っていた。みんながダグアウトに消えても、ただ一人ベンチに座り込んだ優心の、グラウンドを見つめる視線は。

加藤さんをチームを勝たせるはずだった、本来、手にするはずだった、正しい道の行き先を探しているようで、胸が詰まるけれど。

大丈夫、その心が、勝ちたい一心が、ある限り。

大丈夫。わたしたちのファイターズは、大丈夫。

そう信じられる、優心の姿だったよ。





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