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交流戦明けから作戦失敗ーついに負け越し二桁になる。エスコンフィールドにお客さんはいっぱい。新庄さんとファイターズは、いったいどこへ向かうのだろうか。

 
 開幕以来、何とか踏みとどまってきた負け越し二桁。ついに決壊。7月12日の時点でマイナス11となる。首位オリックスとのゲーム差は12.5…。

 わたしは、今シーズン、ファイターズ低迷の理由は、春の沖縄キャンプにあるとずっと思ってきた。
’22年のシーズンオフも早々に、新庄監督は「春期キャンプの初日に紅白戦をやる」と宣言した。
いつも思うんですが、新庄さんてプロ野球ファンをどこかで舐めているよね。キャンプ初日から他球団と違う状況を作ってメディアに取り上げられる、多くの人々の注目を集める。効果がなかったとは言わない。けれども、その裏には、もっと別のファンもいるわけだよ。

初日に紅白戦をやるなんて、誰か怪我したらどうするんだ?
いや必ず怪我する選手が出てくる。

そういう予測と心配をしていた大勢のファンがいたはずだ。
新庄さんが、プロ野球から遠ざかっていた15年間、選手のオフの過ごし方は格段に変化し、自主トレの内容も進歩している。
昔みたいに本当に遊んでしまって、たるんだ体でキャンプにやってくるなんてことはまずない。ファイターズは、もうずっと若い選手主体だったから球団による指導もあったし、さぼり癖のある選手は、速攻で契約を切られる厳しさもあった。

それでもまだ足りない。キャンプ初日からハードな競争開始だ!生き残るのだ!というプロ野球精神を、若いチームに植え付けたかったのか。意図は計り知れませんが、キャンプ初日の紅白戦、つまり実戦をいきなりさせるのは相応のリスクがある。

実際、2月1日の当日、阪神からトレードされてきた斎藤投手は、マウンドに上がってたったの一球で足を故障し、それっきり。

だいたいキャンプ初日に「思ったより打った」からって何なんだ? と文句も出ますけども。わたしには、全く意味を感じられなかった。やっぱり話題作り先行で、選手に益のないリスクを背負わせている。

キャンプ中も実戦が多く、練習日が少ない。これは逆にみんなオフに鍛えてきているから即実践、実践で競争する方が効率が良い、というチームの方針だったのかもしれないが。自主トレとチームでの練習では、やっぱり意味も意図も全然違うのだから。ちゃんとやるべきことができたのだろうか。

エラーやミスが多いチームに「経験するしかない」といつも新庄さんは言うけれども。
「練習で出来ないことは、実践でも出来ない」
どのスポーツでも言われるのは、真実ではないのか。

キャンプからオープン戦、開幕までチームは競争競争、振り落としを続ける。一時も気を抜けず、気がつけばエスコンフィールドのこけら落とし前夜。オープン戦の最後、引き分けた試合、ベンチの選手たちは、みんながみんな疲れ果てた顔をしていた。

こんなんで大丈夫なのか?

栄えある新球場の特別な開幕戦。
ファイターズは負けた。

新庄さんは開幕20試合でダッシュをかけると意気込んでいたが、開幕3連戦は、1勝2敗、次のロッテマリーンズには3連敗、ホークスにも連敗で構想は大きく崩れた。相手のあるゲームなので勝ち負けがあるのは当然ですが、チーム全体の「調整失敗」と言われても仕方がないし、それは選手ではなく、首脳陣の責任だ。

4月以降、体力が回復してきた5月から6月の交流戦は堅調だったが、ここで新庄さんは、去年とほとんど同じの間違いをする。

勝てる、まだまだいけると意気込んだ時、彼は選手たちを信ずることができない。彼が選ぶのは、いつも自分自身でしかない。
新庄さんは、シーズンの流れの中で「どうしても勝つべきゲーム」のチョイスは間違えないし、その点の勘は優れているのに、そうなればなるほど「自分の力でチームを勝たせよう」としてしまい。その欠落に気づかない。

5月の鈴木健矢「中4日」もそうだし、江越大賀の必ずしも適切とはいえない起用もそうだし、極め付けは、6月24日千葉ロッテマリーンズ戦。勝ち越しを狙うノーアウト2,3塁、石井一成にさせた連続スクイズ。の失敗である。

らしい采配ー新庄ならではの勝ち方ーを狙っているとは言わない。
だけど、彼がスクイズにこだわったのは、相手のマリーンズ吉井監督に「彼の性格ならやってくると思った」と読まれた通り、子供のような「負けず嫌いな自分」の表れに過ぎなかった。

彼の未成熟さは、売り物でもあるだろう。51歳になっても青年のよう、子供のよう。他のおっさんと違う、魅力的なのかもしれない。

しかし、プロ野球という結局は「男同士の世界」では、成熟した男と未成熟の男では、格差が出る。もちろん後者が負ける。そもそもそういう仕組みになってるから(その仕組み自体が素晴らしいとは、全く考えませんが、それはまた別の話として)

チームが勝つには、新庄さん自身が「経験しかない。成長するしかない」。でもまた彼に成熟への希望があるのかどうか、わからない。むしろ「大人になる」のを拒否しているようにしか見えないけど。

とにかくこのままでは、ファイターズは強くはならない。もっと選手を優先して、選手自身が勝つために考え行動するチームにならないと。
新庄さんが「やるのは選手だから」と言ってることとやってることが、明らかに違う…今のやり方では「選手は駒だから」で止まってしまう。






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