作家の角田光代さんのTwitterをフォローしている。
飼い猫のトトちゃんが本当に可愛くて。そのトトちゃんが主役。
大のトトちゃんファンの私にはたまらない本。
癒しが欲しいときに取り出してしまう一冊。

『今日も一日きみを見てた』角田光代著

元は「犬」好きだった角田光代さんが、猫を飼うことになったきっかけは
漫画家の西原理恵子さん。（こちらで紹介したことあります）

トトちゃんが、西原家から角田家へやってきた経緯から始まり、
初めて猫と暮らす日々を綴っているフォトエッセイ本。

なんと言っても、かわいい♡
けれども、それだけではなく、猫を飼ったことがない著者のオロオロした様子や、猫の可愛らしさにとりこになっていく様子が書かれている。

最初に角田さんが感動のあまりに泣きそうになったところでも、病院でのエピソードでも、共感しすぎて一緒に涙。

おとなしくて、じっとり系のトトちゃんに戸惑ったり、嬉しい発見をしたりしても、その都度、共感してうんうんと頷く。私自身、猫を飼ったこともないのだから、共感もないのだけれど。

まさに親の視点なのだ。ペットを飼っているひとがよくいうけれど、子育てみたいなものなんだなぁ、と改めて感じた。

仕草までもが細かに伝わってくる描写はさすがで、猫の動作を角田さんならではの表現で書いていて、面白かったり、きゅんときたり、まるでトトちゃんを目の前で見ているよう。

猫らしからぬ甘えん坊で陰からじっとりと視線を送るトトちゃんに癒しをもらえる。
日常に疲れたとき、ちょっとイライラしているときにオススメ。
幸せな気持ちになれるはず。

猫ってこんなに人になつくのだなと改めて思い、一緒に食卓についたり、遊んでよオーラを出したりする様子には、可愛すぎてやっぱり猫が欲しくなる。

思わず写真の上から撫でたりなんかして。
とすっかり私が猫バカになってしまっているけれど、角田さんの文体にはトトちゃんへの愛情がひしひしと伝わってはきても、押しつけがましくない。

ただの飼い猫自慢や、猫飼ってます的なエッセイに終わっていないところが
さすがの直木賞作家、ベテラン作家、というところではないかと思う。

読み物としても、きちんとまとまった1冊になっている。
猫好きにはもちろん、子育て世代にも共感できるところがたくさんあり、写真もたくさん入っていて、癒し効果満点。
ちょっと疲れた1日の終わりに読むなんてどうだろう。