辛い日々の傍らに『TORCH』~千曲と私~⑤
千曲でどの曲が好きかと問われたら、たくさんありすぎて悩むけれども、最終的にはこの曲を選ぶと思う
私が看護学生の時に発売された曲
それまでの人生を、のほほんと比較的平和に生きてきた私にとって、看護の道は想像以上に衝撃的な世界だった
何度も泣いて、たくさん悩んで、深く深く考えた。
いろんな事象について
そして人が生きるということについて
そんな真っ只中にいた頃に出会った曲
患者さんの悲しみとタブって聞こえたあの頃
自分の辛さと重ね合わせて聞いていたあの頃
私の中には
必死になっているようでも、どこかで冷めた自分がいる
そんな気がする瞬間が、思春期頃からあった
わりとアップテンポで
楽しい曲調の中に
ズバリと私の心髄を言い当ててしまっている歌詞
なにやってんだよ、と叱ってくれているような
しっかりしろよ、と励ましてくれているような
メロディに優しさを感じる曲で、
彼の言葉がすんなりと心の底に落ちていく
あの頃は毎日繰り返し聴いていた
何年も聴いた
自分でも驚くほど飽きずに聴いていた
この曲はPOWER、A DAY、TORCHと
3曲入った12インチシングルの中の1曲で
どの曲も素晴らしい
当時私が寮に持ち込んでいたのはカセットデッキで
60分テープにPOWER、A DAY、TORCH、
POWER、A DAY、TORCH、POWER、A DAY、TORCH…
と繰り返し入れてひたすら聴いていたのを思い出す
自分の心を正すように聴き続け
だからこそ自分をなんとか奮い立たせて乗り越えてきた
その後、なにか辛いことがあると
この曲を選んでしまう
しっかりしろよ、と 元気をもらう
多分人生で一番聴いている曲
感謝しかない
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