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アルバム発売記念~千里ファンとして~

デビュー当時、千里さんのアンテナにひっかかったのは、まぎれもなく私。ではなく姉だった。

あの頃、まだ中学生だった私はおじさま好きであったため、姉が飾っていた「大江千里」なる人のレコードジャケットを「女の子みたいな少年」と思って見ていた。
青年やお兄さんではなく、年下のボク的存在だった。
ごめんなさい。だってこんなに可愛いんだもの。



「ワラビーぬぎすてて」も「十人十色」も私の渋好みに かすることもなく、ただ姉のかけている「大江千里」を聞き流す毎日。
しかし今思えばあれは千脳(千里ファンはこう書きます笑)だったのだ。アルバムすべての歌をうたえたのだから。

「REAL」を聞いたときに、歌詞が「痛い」と思った。
『リアルに生きてるか』と語りかける歌声は、その時なんとなく惰性で生きていた私に衝撃を与えた。

この人こんな曲もかくのか、意外と骨太なのかな、と思い、目が離せなくなる。
が、今さら口にだすことはなく、隠れFANのみちへ(笑)
その時高校生だった。

真剣にアルバムを聴くようになり、歌詞の繊細さに気づく。小説を読むような詞の世界。
そして『固い襟のワイシャツに夏の鍵をしまい』とか『焦げたパンのにおいと傾いた看板と』とか細かな描写に心惹かれた。


その後、高校3年生で進路選択のときに「きみと生きたい」を聞いて泣く。

悲しまないで きみを責めないで
真面目に生きてるのに悩まないで
激しさだけの若さはいらない
無口なほど情熱を感じるから

曲を聞いて、初めて泣いたのはあの時だったと思う。心の深い部分にツンとくる曲だった。

幅の広い曲を創る人だと感じながら、

ひっそりとレコードを聞き続け、短大を卒業した姉がレコードを持って家をでる時、慌てた。
そしてとうとう言った。
「大江千里のレコード録音して」と。
「え?聴くの?」と姉。
「うん」…実はいつも聴いていたのさ…。

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時同じくして私も寮生活が始まり、新しい環境の中、大江千里ファンを公言し、友達を千脳しまくり、ライブデビューをして「千ちゃん」全開モードへと突入する。

このnoteで「千曲と私」というシリーズでも書いているが、この全開モードの間に、
辛い辛い看護実習を乗り越えられたのは「TORCH」という曲のおかげ。
この曲は、まさに擦りきれるほど聞いた。
私を支え続け、私の一生で、間違いなく一番再生している曲。

大切な瞬間の傍らには、いつも千里さんの曲があった。

そして、

私のライブデビューはこれ。たぶん(曖昧/汗)

働き始めて自由なお金が使えるようになると、2days、3daysも全て行ったりしていた。
千里さんのステージは、アイドルにも負けないくらいの衣装と、空を飛んだり、縄跳びしたり、ジャングルジムがあったり、思う存分楽しめるものだった。


しかし、長女出産を期に、私のライブ活動は休止。
地方で子育てしていたので、1泊しないと行けないライブは、とても言い出せず…… CDだけひたすら買って聴く日々が何年か続く。

そう、あの頃は曲が好きだったのだ。
千里さんの持つ歌詞の世界観。
繊細なディテール。
独特のメロディライン。

なのでCDさえ聴いていれば、とりあえずは満足だった。

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その後、私自身の暗黒時代に入る 笑
周りが何も見えてない時期があり、千里さんの曲だけではなく、音楽を聴く事すら忘れてしまっているような期間へと突入した。
(おかあさんといっしょとか、ポンキッキーズとかの子どもの曲は聞いていたと思う)

なので、5、6年くらいブランクがある。

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我が家にネットを繋げたのは15年ほど前だろうか。
私の心のどこかにまだちゃんといたんだろうね。
「大江千里」 検索ポチッ
そこにはライブデポでピアノを弾く千里さんがいた。

きゅ~~ん
やだ、何年もCD買ってなかった。買わなくちゃ!
でも、何から? 
とりあえず、知ってる曲が入っている「home at last」購入。



千里さん、
こんな唄い方するんだ・・・。軽くショック。
語りかけるような歌声。
繊細な景色の見える詞はあの頃のまま健在で、
心にすっと染みていく。
涙が流れる。


私の知らない千里さんがいる。

そのあと出た「ゴーストライター」も即買い。
「母の手」でまた泣く。
私今まで何してたんだろう。
もう、何から?なんて迷わずに 持っていなかった「Soritude」から順番に買う。
CDショップで探しては大人買いし、あっという間に集めた。
「千ちゃん全開」モード復活。

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空白の期間があったりして、ずっと一筋というわけでもなかったが、その後、千森の住人たちに出会えて、いろんな情報共有をする。
そして間もなく千里さんは旅立つ。
ジャズを本格的に学ぶために。

事務所を辞め、ファンクラブさえ解散して。


あの頃 復活したての私は、千里さんの旅立ちをわりとすんなり受け入れたが、ずっと千里さんを見続けてきたファンの、葛藤する複雑な気持ちにも直面した。

もしかしたら、みんな離れてしまうのかも。
そんな気もした。

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旅立ってから12年、私の周りにいた住人さん達は変わらず千里さんファンであることにホッとする。

ジャンルが変わっても
「千里さんの音楽は、千里さんの音」だった。

音楽って心を打つポイントみたいなものがあって、ポップスでもジャズでも千里さんの創る音楽は、私の胸にぐっとくるポイントにしっかり重なってくるのだ。
多分、千里さんファンてみんなそうなのかな、と思う。

今、ピアノを弾く姿は本当に楽しそうで、まるで踊っているようだ。
そして、歌詞がなくても景色が見える。
そんな曲を、変わらずに創り続けてくれる。


そして何より、ジャンルが変わってもファンが離れないのは、千里さんの人柄。
そう、今では曲はもちろんだが、
人を楽しませる千里さんの人柄や
キャリアをリセットして単身旅立った生き方にも感銘をうけている。

いくつからでもチャレンジすることに遅いということはない、と身をもって示し続けてくれている。
私の道標。

それが音に乗って私を包み込む。


迷ったときの慰めも、辛いときの癒しも、楽しい時のパワーも沢山もらった。

「僕を選んだことを後悔させない」と歌ってから30年以上。
本当に選んで良かったと心から思う。

いつも前を照らし続けてくれている千里さんに感謝の意をこめて。

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本日6枚目となるアルバム「Hmmm」発売

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