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聴きたい音しか聞こえない~居酒屋にて~

同僚二人と居酒屋に入り、席についてすぐに聞こえてきたのが、千里さんの「十人十色」だったのだ。

大江千里さんファンの私はテンションが上がりまくる。当然CDだって持っているのだからいつでも聴ける曲なのに、もう耳がそっちへ集中してしまって、同僚の話が聞こえない失礼なヤツに変身。
メニューを見ている同僚二人に「とりあえずビール」と合言葉のようなひと言をつぶやいて、数分間は音楽に神経を集中させる。

聴きたければ家で好きなだけ聴くことが出来るというのに、いったい何なのだろう。滅多に外で聞くことがないから余計にテンション上がるのだろうけれど。

私は同僚に千里ファンを公言していない。
彼が日本でのキャリアに終止符を打ったあとの彼の様子を知るのは、ファンだからこそで、過去の活躍しか知らない人に、あー懐かしいとか言われるのが嫌なのだ。
私にとっては現在進行形であるから。
自分では十人十色を聞いて懐かしいと思うくせに。人は勝手なものである。
いや、曲が懐かしいのと人が懐かしいのとでは、やはり意味が違う気がする。まあ、そんなことを考えて、ひとり音楽に聴きいり、同僚二人には何も告げず。

しかし無意識下でテンションがあがってしまったので、もうビール三昧。
純粋にビールOnly。
飲み過ぎる。
飲み過ぎる。
飲み過ぎる。
もうジンジャーエールでなんて割りません。

はい、朝 起きたら頭痛と仲良し。

ほんの少しテンション上がっただけで飲み過ぎるお年頃でもないのだけれど。話も盛り上がって楽しかったということかな。
と振り返りながら、ふと気付く。

そういえば、その後どんな音楽が流れていたのか知らない。
最初の数分間はバックミュージックしか聞こえていなかったのに、それ以外は音楽なんて耳にまったく入ってこなかった。流れていたのかも気付かないほどに。
話に集中したのと酔ったのもあるかもしれないが、聴きたいものだけ聞こえてくるのだから、私の耳は自分に大変都合よくできている。
人の耳って不思議なものだなあ。
私の耳だけなのかもしれないけれど。



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