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若い劇伴作家のための映画案内#14

初期のハンス・ジマー(タイトル変更)


(最終回)

さて、まさに飲み屋状態で、まだまだ二軒目に行って続けてもいいのですが、このあたりにしておきます。

ブルーレイの特典を見ました!
まずは、スコット監督のインタビューで、「レインマン」を見たら良かったのでその日の夜にジマーさんに電話したと。
本当であればすごい話。でも、実際に映画の仕事って日本でも、口コミだったり、人づてだったり、あとはリピートが多かったりという印象です。
「レインマン」の監督はバリー・レヴィンソンBarry Levinson)さんですが、ダイナー (Diner 1982年)という映画もめちゃ好きでした。ほんと何回見たことかという感じ。まあ大人になってから見たらそれほどでもなかったかも苦笑。そういうこともよくあります。でも、他にも名作をたくさん撮ってます。ダイナーは劇伴というよりもオールディーズの印象が強いかな。

で、ジマーさんのインタビュー。
一部書き起こしました。
「アメリカ向けに異国の文化を見せる際、面白いと思った方法がある。その文化に特有の楽器を使うんだ」
「日本の音楽では打楽器が印象的だ。打楽器の曲にシンセサイザーを使い電気的な音を加えて硬派な感じを出した」
この前書いたように、笛的な音とかフレーズとかに和風というかアジア風な、若干、教授風な^^ ものはあるなあとは思ったけれど、なんと打楽器多用は和風のイメージだったのか、と!
ディスコグラフィーを見ると、Black Rain は独り立ちしてまだ数作目、もしかしたら、この作品でその後の作風が決まったのか!なんて思ったり。
そのあたりはぜひ専門家に分析していただきたいものです。
気になって2003年の ラスト サムライ The Last Samurai のサントラも聴きなおして見ましたが、こちらでも和風感はだいぶありました。オケも使ってますが。ブラックレインではオーケストラは使わなかったそうです。

さて、ブラックレインの後は、ドライビング ミスデイジー Driving Miss Daisy(1989)とか グリーン・カード Green Card(1990)とか テルマ&ルイーズ Thelma & Louise(1991)とか トゥルー・ロマンス True Romance(1993)みたいなアクションではないドラマ系の映画をどんどん手がけています。個人的にはリドリー・スコット監督のテルマ&ルイーズ 、トニー・スコット監督の トゥルー・ロマンス はかなり好きな映画でもあります。
後者は脚本がタランティーノ!クリスチャン・スレーターもめちゃかっこいいですが、他の俳優陣も素晴らしいです。確かDVDの特別版には違うエンディングが入っていた記憶あり。使われなかった方がタランティーノのオリジナル脚本だったかなあ。

とは言いつつ、このドラマ系連続の合間での、バックドラフト Backdraft(1991 ロン・ハワード監督)のサントラが当時話題になったのも覚えてます。めちゃサウンドが壮大。メロディもいいです。その後、ゲーム音楽制作をしている時にも、しばしば参考に持ち出した記憶ありです。
そういえば、カリフォルニアのユニバーサルスタジオで、バックドラフトのアトラクション行ったらものすごく火が吹き出していて驚いたなあ。日本のUFJ(未訪問)にもあるのだろうか。消防法で無理かな。

はい、また脱線。そこからもう30年以上。
その間に作ってきた作品の数々は、もう有名作品ばかりで、ぜひ誰かに本にでもまとめていただきたいところです。一冊じゃ収まらないか。
まあ、Remote Control Productions という会社というかチームというかを率いての共作も多く、そこをなんだかんだ言う人もいるのかもしれませんが、アメリカのwikiを見ると60人以上の作曲家と仕事をしてきており、現在、単独で活躍している作曲家も多数輩出しており、色んな意味で素直にすごいなあと思うのが正解ではないでしょうか。そういえば、ジマーさんの作品を多数手がけるエンジニアのアラン・メイヤーソンさんと一度お仕事をしましたが、人柄も仕事も素晴らしい人でした。またご一緒できる機会があれば最高ですね。



映画をメインに劇伴の音楽プロデューサーをやっています。

音楽打ち合わせの時には、具体的な映画のタイトルが飛び交うことが多いですが、若い作曲家にとっては生まれる前の映画なんていう場合も多く、
どこから手をつけていったらいいかわからないなんて話も聞くので
打ち合わせで実際に出た映画とかを(不定期に、、、)紹介していきます。
何か、間違っていたことを言ってたりしたら、ぜひ、ご指摘いただければと
思います!

僕は映画評論家でもなんでもないので、こうやって文章を書くためには、ぼんやりとした記憶をネット検索や持っている本とかでちょっとだけピントが合ったものにしているわけです。なので新発見は何もないので、どなたでも得られる情報を、飲んだ時にちょっと偉そうに話したがるおぢさんの長話程度に読んでもらえると幸いです。

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