文系の海外大学院留学で給付型の奨学金をもらうには【面接で聞かれた質問】
Hiya! 鍋で米を炊くのも板についてきました、りほまるです。
(日本でもたまに土鍋炊きしてたから、別に真新しいことでもないけれど。フツーのステンレス鍋でも美味しく炊けています)
今回は前回に引き続き出願関係で、海外(イギリス)大学院に留学するにあたって行った奨学金探しや出願について書いていきます。
▼前回の記事はこちら
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前提
奨学金には給付型(返済不要)と貸与型(返済必要)の二種類があるほか、運営元も公的な団体、私的財団など様々です。
加えて、奨学金によっては対象になる留学国や研究分野を限定して募集しているものもあり、たくさん選択肢があるようで募集要項をよく読むと「自分は当てはまらないや・・・(しょんぼり)」となることも多く。
この記事では、2022年時点(2023年9月からの留学)に以下の条件で探した・出願した奨学金について紹介しています。時期や研究分野、留学国によっては内容が異なる場合もあるのでご了承ください。
留学先:イギリス・ロンドン
学部/研究科:社会学
学位:修士(MA/Master of Arts)
留学期間:1年間
希望する奨学金:給付型
ジェンダー:女性
年齢:留学開始時に25歳
また、支援額の高い奨学金は、留学開始の1年前ぐらいに応募を締め切るものが多かったです。「出発はまだ先だから…」と思っていると、奨学金のチャンスを逃してしまうかも。
その後も生活費や渡航費の足しになる程度の支援額の奨学金はいくつか募集がありましたが、できるだけ留学のコストを抑えたい&学業や仕事とのキャパの兼ね合いでも余裕を持って準備できそうだという方はなる早でリサーチを始めることをおすすめします!
私は出発の1年ちょい前、2022年8月頃からリサーチを始めました。
リサーチ方法
ありがたいことに、留学奨学金を検索できたり一覧でまとめてくれたりしている情報サイトがいくつかあります。
01 留学奨学金情報紹介 (beo)
まずはサポートを申し込んでいた留学エージェント・beoのサイトをチェックしました。奨学金探しや出願のサポートは対象外だったので自力になりますが、まずはどんな奨学金があるのかリストで見ることができたのはありがたかったです。
02 海外留学奨学金検索サイト (海外留学情報サイト)
希望する課程(学部、修士、語学学校など)や留学国、専攻分野などの条件を指定して検索できます。個別の奨学金の詳細を見て自分の留学の対象になるかいちいち確認する手間が省けるのでとても助かりました。
フリーワード検索もできるので、「この前見たこんな名前の奨学金、なんだっけな〜」って思い出したい時にも使えそう。
03 留学奨学金検索 (トビタテ!留学Japan)
私が学部時代の交換留学で採用していただいたトビタテ!留学Japanも、トビタテ以外の留学奨学金を探せる情報サイトを運営してました!自分が大学院の奨学金を探していた時には知らなかった…
こちらも課程や留学地域で条件を指定できるほか、「語学試験スコアが必須でない」「インターンシップやボランティアなど座学でない留学も対象」など、語学留学ではなく実践経験の伴う留学を支援するトビタテらしい「こだわり条件」でも検索できるようになっています。
04 出願大学のホームページ
大学によっては特定のコースや属性(学部の成績がXX以上、留学生、マイノリティなど)の学生に対して奨学金を支給している場合もあるので、出願先大学を検討するときに合わせてチェックしていました。
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私は上に挙げたようなサイトで主に情報収集しつつ、海外大学院留学を経験している友人に連絡して出願した奨学金や出願プロセスについて質問させてもらっていました。(Many thanks to my friends who helped me with it!)
実際に出願した奨学金
自分の留学の条件で探した結果、以下の奨学金に出願しました。
こう見るとたくさん応募してますね。全てフォーマットや求められる内容が違うので、大学への出願よりも奨学金の方が辛かったです…w
JASSO 海外留学支援制度(大学院学位取得型)→合格・受給
CWAJ 海外留学大学院女子奨学金→合格・辞退
平和中島財団 中島健𠮷記念奨学金 →書類落ち
Chevening Scholarship →書類落ち
BCJA奨学金 →書類落ち
※IELTS奨学金も出願予定だったのですが、今年は例年よりも募集開始が遅かったこともあり、出国準備や仕事の忙しさで出願を見送りました
これを書いているうちに既に今年の募集を締め切ってしまっている奨学金もありますが、11月以降の募集のものもあるので参考にしてみてください^^
また、たいていの奨学金で1〜2通の推薦状の提出を求められるので(しかも奨学金によっては指定のフォーマットがあり使い回しできない)、事前に学部時代の指導教授などにコンタクトを取って依頼&奨学金の締め切りごとに細かくリマインドすることをおすすめします。
合格した奨学金と、面接のようす
JASSO 海外留学支援制度(大学院学位取得型)
<支援内容>
授業料:最大300万円
月額支援:14万8,000円×13ヶ月間
臨時の渡航支援金:16万円
一番書類準備が大変でした。これまでの業績、研究計画、日本社会への貢献など・・・友人に壁打ちしたり言語化を手伝ってもらったりしながらなんとか書き上げ、オンラインでの面接を経て2023年3月(留学開始の半年前)に合格通知を頂きました。
二次選考のオンライン面接は、留学先での使用言語での90秒間のスピーチ(簡単な自己紹介と研究計画)の後、一次選考の書類や当日のスピーチの内容について日本語で面接官からの5問程度の質問に答えました。
私は「環境問題に対する取り組みについて社会学を基盤にしながら学際的に研究する」というような内容で書類審査を通っていたのと、研究計画についてはまだ具体が決まっておらずややざっくりとした記述だったため、以下のような質問を受けました。
環境問題や気候変動に対する研究は、科学技術的な研究の方が意義があるのでは?学術的意義は何か?
スタートアップで働いているとのことだが、大学院の在籍期間が終わってからのキャリアはどうするのか?(就職 or PhDで研究を継続?)
書類では「具体的なリサーチクエスチョンはこれから決める」と書かれており、それ自体はいいと思うが、現時点で興味のある環境問題のテーマは?
(書類上で、留学後の仕事の候補として挙げていたので)サステナビリティコンサルタントという職種は、日本でも知られているのか?
圧迫面接とまではいきませんでしたが、ポーカーフェイスの面接官3人の前で(オンラインだけど)90秒間の英語スピーチをするのは緊張しました・・・!
書類・面接ともに準備はめちゃくちゃ大変だったものの、支援額が大きく、おかげで留学の経済的負担がかなり減ったのでとてもありがたいです。行政法人ということもあって私的財団よりも支援人数が多い(私の年度は150名ほどの採用でした)ので、そういった意味でもチャンスは大きいと思います。
※今年は支援内容の変更を検討しているらしく、支援額は異なりそうなのでご注意ください
CWAJ 海外留学大学院女子奨学金
<支援内容>
奨学金:総額300万円
前述のJASSOは応募書類を日本語で作成しましたが、こちらは応募書類も面接も全て英語でした。書類のボリュームも比較的少なく、800語のエッセイ(研究計画、その研究の意義、長期的なプランなどについて)を英語で書きました。
また、上記に加えてカルティエがサポートする奨学金(同額)にも並行応募したので、留学が自分のリーダーシップやアントレプレナーシップの向上にどんな影響を与えるのか?という質問に対して150語程度の回答もしました。
二次選考のオンライン面接では、20名(!)のオブザーバーがいるという状況を事前に聞かされていたためドキドキして臨んだのですが、いざ始まってみると1人の面接官から質問をされながら進んでいくのでそこまで緊張しませんでした。
質問の回答に対して深掘りされるよりはどんどん次の質問を投げかけられる形式で、テンポよく進んで行きました。
あなたの学問分野がどのように社会貢献につながるか教えてください。
あなたの学問分野に興味がある人に、どのようなアドバイスをしますか?
CWAJについて知っていることを教えてください。
海外に行った時に、日本のことをどのように説明しますか。
留学によって得られるものは何だと思いますか。
あなたの学問分野の他に、関心を持っている社会課題はありますか。それはなぜですか。
これまでにあなたが経験した一番のアチーブメントはなんですか。
10年後には何をしていると思いますか。
上記の質問に加えて、CWAJカルティエ奨学金のための追加質問がありました。(こちらの奨学金のテーマがアントレプレナーシップだったので、それに関連する質問ですね)
アントレプレナーシップに必要なことはなんだと思いますか。
あなたが理想とするアントレプレナーシップ像(実際の人)はいますか。
あなたの会社や事業が抱えている課題はなんですか。それをどのように克服しますか。
面接の後、alternateに選ばれたとの通達があり(日本語でなんと言うんでしょう。受給者として選ばれた方が辞退した場合に、その人の代わりに受給することになる立場です)、それから少しして正式に合格通知を頂きました。
ちなみに:女性の教育促進・支援をしている団体のため、こちらの奨学金の対象者は女性限定なのですが、募集要項に「women, including LGBT+」と明記されておりシスジェンダー女性だけでなくトランスジェンダー女性も含まれています。
そんな団体に奨学生として選んでいただけたのはとても光栄だったのですが、年間200万円以上の他の奨学金は併用できないという制限があったため、悩んだ結果JASSO(支援総額が高い&併用OK)を受給することにして辞退させていただきました。
Goldsmiths Alumni Fee Waiver
学費の減額:イギリス国籍学生の学費の10%と同額
こちらは第一志望で現在在籍中の大学による奨学金、というよりは学費の減額制度です。
私は日本の大学に学部生として在籍していた時にロンドン大学ゴールドスミス校に1年交換留学しており、alumnus(同窓生)として見なされたため学費の減額対象になりました。
イギリス国籍学生の学費(※イギリス国外からの学生は約2倍の学費です…ヒェ)の10%と同額が減額になるという制度で、1,000ポンド(現在のレートで18万円ぐらい)程度ではありますが、ただでさえ高い学費なので少しでも抑えられるのは嬉しかったです。
私のように交換留学していた大学に大学院生として戻るパターンだったり、学部の時の成績が良かったりする方は、大学によっては学費の軽減プログラムを用意していることがあるので探してみると良いと思います!
最後に
今回はプラクティカルな話をしてみました。大学院留学に向けて絶賛奨学金に申し込んでいる方、今後留学を検討しているけど金銭面が不安という方などの参考になれば幸いです。
また、フルタイムで働きながら複数の奨学金の出願準備をするのはなかなかにキツかったのですが、書類作成や面接を通じて「なんで大学院に行くんだっけ?」「修了後はどうしていきたいんだっけ?」などといった問いに向き合うことができたので、とても貴重な経験でした。
1年前に応募した書類を今読み返したら、「全然考えてることちゃうわ〜」ってなっているのはあるあるですが(笑)さまざまな刺激や思考を経て自分のやりたいことや目指すものが変わっていくからこそ、定期的に言語化して振り返れるようにしておくと良さそうですね(あんまりできてないけど)。
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ロンドンでの日常生活は、SNSにゆるりと投稿しています。「こんなこと知りたい!」というリクエストがあれば、InstagramのDMまたはこちらの質問箱までお気軽にどうぞ。ほなまた👋
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