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感じる! これがフランスの波動なのか!

「娘よ! 父はルーヴル美術館が好きだ! 京都でルーヴル美術館展をするらしい! 見たい見たい!」

「仕方ない……父よ……娘が付き添ってやろう。そうだ! 京都! 行こう!」

 

──というニュアンスの会話を夏の初めにしていたのですが、夏はどうしても出かける気になれなかったので、9月に入り、父と約束の京都市京セラ美術館に出かけてまいりました。

 父娘ふたり日帰り旅。

 運転は交代制。

 昔は絶対、私に自分の車を運転させなかったので、丸くなったものだなあと思います。老いにも良し悪し。

 

美術館の入場口手前で自撮り写真を撮る親子


 この3秒後チケットを紛失し、父とスタッフさんを巻き込んでの大騒動になることなど知る由もない笑顔である。
(私の財布のなぜか小銭入れに挟まっていたチケットを父が見つけ出し、しこたま怒られた。しかし、さすが元刑事である。捜索の手際がよい)

 

 昔は美術館の楽しみかたなんて、全然わからなかったのですが、あるとき音声案内ガイドを借りてみたら、絵の技法や美しさだけじゃなく『ここにこのモチーフが描かれているから作者はこんなことを考えていたのではなかろうか』とか『案外ふざけて描いたものではないだろうか』とか、もっとポップに絵を見てもいいんだということに気づき、そこから美術鑑賞が楽しくなったりしました。

 

 あとやっぱりなんだかんだ、スマホやパソコン、印刷物で見るのとは、生の迫力って全然違うんですよね。見に行って初めてわかる凄さというか。

 相模屋さんの『生は最高』という内容の記事を読んだとき、共感の嵐でした。
 脳内でスタンディングオベーション。
 そう、生は……いい!!

 

 今回のルーヴル美術館展は、テーマが『愛を描く』ということだったので、様々な愛のカタチが描かれていたのですが。

 愛って……。
 結局なんなんだろう……。

 絵を見ながら私なりの愛の意味をぼんやり考えたりもしたのですが、結局なにも答えはでませんでした。

 

この絵が可愛くて好きだった
これはポスターですが



 今回の音声案内ガイドは、満島ひかりさんと森川智之さんで、どちらも好きだった私は、耳が幸福でした。まじラッキー。

 音声案内のボーナストラックでふたりの対談や、満島さんと三浦大知さんのこの展示のために書き下ろされた曲を聴けたりもして。目も耳も楽しい鑑賞会になりました。とてもよい時間を過ごせた。

 ルーヴル美術館が好きだという満島さんが、行ったことがないという森川さんに「森川さんは絵に声を吹き込むお仕事をしているから、もしかすると私より入り込んじゃうかもしれない! 是非! 行ってほしい!」と熱量高めで推していたのがとてもよかった。
 好きなものを語ると、誰だってこうなるんだな。
 それが有名な女優さんだとしても。

 

 

 

 美術館からの帰り道、大型ショッピングセンターに立ち寄りまして。
 秋に着れそうなアウターを発見したので、羽織ってみることにしました。

「父、どうかね。これ似合うと思う?」

「なんかオバハンくさいな」

「…………」

 そっと棚にアウターを戻す私。

 

 そうだね。
 辛辣だけれど、きちんと意見を述べてくれる。
 それもきっと愛のカタチだよね……。


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チチ の こうげき!
りい に 17 の ダメージ!
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