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外見はうちなる自制心と結びついている

Wellbeing のあり方を追求するイメージコンサルタントの あべりかです。

前回の「イメージコンサルティングって何するの?」では、心理学の側面からアプローチをすることの必要性をお伝えしました。

今回は、その認知行動療法を取り入れたことで崩れたパーソナリティを取り戻されたある営業マンのお話をしたいと思います。

*Wellbeing=身体的にも、精神的にも、社会的にも「よい状態」であること


3年程前、大手生命保険会社で「顧客から信頼されるマナー講習と営業マン全員の身だしなみ研修」を1年間に渡り担当させていただきました。

その研修中、ある営業Aさんにある変化を感じました。

きちんとした印象だったのに、身だしなみが整っていない。
何かあったのだろうか?

研修後、彼の上司に「Aさん、何かありました?」と尋ねると、この二ヶ月営業成績が悪くて、「何をやっても無駄だ」と落ち込んでいるとのこと。

経験則かつ、社会心理学の理論モデルから、その人の状態やパーソナリティは、行動だけではなくその人の生活環境にも現れます。

靴や職場のデスクを見れば、その持ち主を知らない人であっても、ある程度のその人の性格を見抜くことができるという実験データもあります。

さらには、靴などの所有物だけではなく、文章や音楽、SNS、メールアドレスに至るまで、その手がかりとなる痕跡が残されていると様々な実験により証明されています。

Aさんの場合、几帳面な性格から身だしなみもきちんとされていたのに、今はシャツもよれっとしていて、髪の毛もいまいちセットしきれていない。靴も以前より磨いていない。
まさに、普段のパーソナリティが崩れている状態でした。

営業成績が良くない出来事に対して、「何をやってもなぁ」と自動的に出てきた思考を認知したことで、つらい・疲れたという気分や感情、背中が痛むなどの身体反応を経て、身嗜みの詰めが甘いという行動につながったのです。

この身嗜みの部分だけを変えようと「もっときちんと身嗜みをしないと印象が悪くなって状況が好転しません」と指摘したところで、変わるどころか、追い詰められたと感じることで逆効果にもなってしまいます。

そこで、イギリスのジャーナリストであり、探検家のヘンリー・モートン・スタンリーの習慣をお話しをさせていただきました。

長期の過酷な熱帯雨林の探検でも朝起きると、髭を剃り、外見を整えていた。それは過酷な自然に対抗するための秩序を作り出すためであり、自己鍛錬と自尊心のためでもあったのだ。

外見はうちなる自制心と結びついているというスタンリーの信念は実験によっても確かめられていて、外見を整えることで意志力を上げやすくなりますよ。」

カウンセラーの立場での研修ではなかったので、ここまでのアドバイスに留めて上司の方にお任せしましたが、3ヶ月後の研修でAさんとお会いすると、営業成績は戻っており、身嗜みもいつものAさんに戻っていました。

Aさんから「あべさんと話した後、やれることからやってみようと、シャツや靴に気を遣うようになったら、むしろ落ち着いたんです。元々、几帳面な方だったので、だらしなくなっていた自分にストレスを感じていたのかもしれませんね。」と嬉しいお言葉を頂戴しました。

自分を冷静に分析することは簡単ではありません。

私自身も自分のことは見失いがちでした。

だから、大学院で心理学を学び直したのです。

ほんの少しの行動が状況を変えるきっかけとなり、それがWellbeingにつながっていくことを、これからもみなさんにお伝えしていきたいと思っています。

イメージコンサルティングのスキルを通してあなたのWellbeingにつながりますように。




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