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商業出版する方法#78〜企画書が書ける以上に「出版企画を立てる」の方が大事

元KADOKAWAの編集者でビジネス・実用書出版コンサルタントの渡邉理香です。


出版企画書の書き方、ってセミナーなどあるかと思います。
これをお読みのあなたも受けられたことがあるかもしれません。
ただ企画書が書けるようになっても、「出版企画が立てられていない」と本にはなりません。
ただ「企画書を書いているだけだな」・・・そういう企画書ほど編集者が10秒で見て「ポイ捨て」末路をたどらざるをえません。
 
 
企画書の書き方にフォーカスする以上に、本という「商品の企画を立てられる」か、「商品の設計」ができるかが、何よりも重要になってくるわけです。
  
 
つまり本作りというのは、れっきとした「商品設計・商品企画」という観点で考える・みていく必要があるわけなのですよね。
こう考えると、すべてのビジネスに通じるところがありませんか?

何度も言いますが、出版社って「メーカー」なんです。本という商品を作って市場に流通している・・そういうシンプルなビジネスです。


他の消費財には、その論理が理解してくれやすいのに、なぜか「本」になると、その考えがすっぽり抜け落ちてしまう「本を出したい!」者さんが多いですね。
出版企画書も「商品企画になってない!」感満載の”書類”に仕上がっちゃっていることがめちゃくちゃ多いってことです。
 
   

「本にする企画」「企画力」が重要なんです。
本にするネタやジャストアイデアだけ大切でもなく、企画書を書く文章がうまいか・伝わるか、ではないのです。 
 
 

・どんな読者に、どんなテーマでどんな内容を集約するのか
・その内容の詳細はどのようなものなのか(目次・項目案)。
・そもそも、そのテーマや内容を書いて作って売る上で、提供者としてのあなたのこれまでの職歴は経歴はどうなのでしょうか?
・実績や経験値はどれくらいありますか?それを自信を持って、世の読者に提供できますか?
・また、あなたが考える「本」はどれだけ売れるのか、戦略は立てられていますか?
・読者候補となってくれるファンや、本を出したら応援してくれる「支持者」の数は把握できていますか?
・ちなみに商業本は「多売」によって、ビジネスが成り立ちます。たくさん売って、1万人以上に確実に購買してもらえる確率が高いコンテンツですか?
・そのための販路は持っていますか?確保されていますか?確保されていないなら、「作り出す」「生み出す」ことはできます?
・誰のための本ですか?誰の悩みを、どのように具体的に解決するコンテンツですか?そのコンテンツは緻密にアウトプットすることはできますか?
・他の人との違いはなんですか?あなたの仕事の「競合」とは違うあなたならではのオリジナリティあふれるメソッドやノウハウはなんですか?

……などなどを考え、アウトプットし、時にはトライアンドエラーを繰り返しながら「企画」を詰めていくわけです。
その詰めたものを、整理して落とし込んだ書類が「出版企画書」なのです。
 

  

出版社は営利企業です。
本でお商売する会社です。
本は「多売商品」です。
たくさん売れないとビジネスにならない。
その売り方に、疑問視や、賛否両論はあるものの、現状はまだ変わらないビジネス・流通スタイルをとっています。
だから、人によっては結構ドメスティックな世界で、狭隘的!でもあるとも言われ、忌避されやすいのですけどね(^^;;。


とまあ・・・人によっては「厳しいなあ」「難しいなあ」と思えることを書いているかもしれませんが…。。


ただ世の中はやっぱりユニークなもので、可能性も無限大なもので、こういう状況をスル〜〜っと乗り越えてくる「著者」という人々が存在しているわけでして…(^^)。


だから「無理」とか「ダメ」とかではないのですよ。

出版の扉は「誰でも」「公平」に開かれてもいるので、ぜひ挑戦をお待ちしておりますよ!

  
ということで”まとめ”としますと・・・
「企画書を書く」という以上に「企画を立てる」→たてたものを紙にアウトプットして「プレゼン資料にする」という意識をもってもらえると、また出版活動の取り組み方にも変化が現れてくるのではないでしょうか。


最後に、「出版企画」というものをどのようにして立てているのか、渡邉のコンサル事例をもとに一端を解説した動画をシェアしておきますので、ご興味ある方はぜひご覧ください。
https://youtu.be/9n1oA58v6lI

 

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