前職の辞め方は正直良くなかった。

直属の上司が人として信用できず、相談することも億劫になっていた。
自分なりに何とか仕事で成果を上げてきた結果、他部署から一定の人望は得られたものの、逆に上司は面白くなかったようで、査定で露骨な嫌がらせを受けたり、他社員と比較しきつく叱責されたりした。
関係改善の糸口も見えず、というよりそこにかける労力を私が惜しんだため、会社を離れることを選んだのだった。

退職して空白期間を過ごし、派遣社員としてそこそこ充実した生活を送っていた時。
前職の元同僚から「（前上司）さん、辞めたよ」と連絡が入った。

なんだか、とても心がざわざわした。

もし、あの人がいなかったとしたら私は仕事を辞めただろうか？
もちろん全ての仕事が楽しかったわけではないが、右往左往しながらも、主体性をもって色々な仕事を経験させてもらっていた。

何より、辞め方に心残りがあったのは本当で、
環境を言い訳にしながら自分で自分の可能性に蓋をした、という感覚が残った。

もし。
もし、戻ったら、どうだろうか。

大変な時期に、あらゆる仕事を放棄して職を離れたのは事実。
どんな顔をして戻ればいいのか、とは思う。歓迎しない人も多いだろう。

でも、この「逃げた・やりきれなかった」という感覚は、これからも一生付きまとうだろう。

今の会社は申し分ない環境で、まだまだこれから学べることがある。
今の実力だと時期尚早で、結局出戻ってもやりきれないだろうなとも思う。

ただ、今の会社で私の心のモヤモヤを晴らせる時が来るだろうか？
違う形でリベンジするのは可能なのだろうか？
やり直せると信じられる実力がつく日なんて訪れるだろうか。
というか、そんな自分勝手な気持ちで出戻りを考えること自体、非常識では…？

結論が出ないまま、今日も心がざわざわしています。