足見えたよね?|中学生日記
中学2年生のときのこと。
放課後の教室で、友だちと2人でおしゃべりをしていた。
廊下の突き当たり奥から2番目の教室で、その階に他の生徒はもういなかったと思う。ずいぶん遅い時間だったし。
各教室の廊下側は、高窓と地窓があり、その時の地窓は全開だったとはっきり覚えている。
おしゃべりに夢中だったけど、開いた地窓から廊下を見ていたら、廊下突き当たりである隣の教室へ向かっていく女子生徒の足が見えた。
隣の教室は1年生のクラスで、学年が違うから、生徒たちの顔はなんとなく覚えているけど、名前はほとんど知らない。
いい加減2人でしゃべり続けたあと、
「ねぇ… 隣の教室に女の子入ったよね?」
「足見えたよね?」
って話になった。
忘れ物でも取りに教室に向かったのだと思っていたのだが、それにしては時間がかかりすぎだし、隣の教室は静かだったので、他に誰かがいるとも思えなかった。
一緒にいた友だちも、その足を見ていたし、2人ともなんとなくずっと地窓から廊下を見ていたから、おかしいなってことになった。
私も友だちも、隣の教室へ向かった女子生徒のことが気になりだした。
「ちょっと覗きにいく?」
教室の後ろのドアを出て、隣の教室の開いている前のドアからそぉーっと覗いてみた。
「いないよっ!!」
誰もいなかった。
ずっと廊下は見ていたはずなのに…
私たちは、そのことに触れなかった。
怖かったからだ。
「帰ろう」
……………………………
これは本当に経験した話です。
寒くなる季節にふっと思い出します。
あの足は誰だったのか…
こわっ
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