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マジックアワーのひととき

職業柄、日の出と日の入りの時間を気にすることが多い。


というのも、映像や写真にとって日の出や日の入りの瞬間は一番映画的で感情的な演出をするのにうってつけだからだ。

カメラを携えたことがある人間なら誰しも
一度は瞬く間に移りゆく空の景色を収めたいと思うことだろう。

特に日の入りと日没前の数十分間、空の青さと太陽の赤みが番い、幻想的で非日常的な、ともすれば少し「地球最後の日」にも似た恐怖すら感じる空の時間をマジックアワー、またはマジックタイムと呼ぶ。

マジックアワー (magic hour) 、マジックタイムは、日没前、日の出後に数十分程体験できる薄明の時間帯を指す撮影用語で、光源となる太陽からの光線が日中より赤く、淡い状態となり、色相がソフトで暖かく、金色に輝いて見える状態である

仕事でこのマジックアワーを狙う時は
それはもうバタバタしていて、その時間を味わい尽くす暇などない。
 
ここ数ヶ月忙殺される日々が続き空を見上げる暇などなかったが
ふと空を見上げたら16時20分。偶然にもマジックアワーだった。

こんなにも撮影とは関係なく見るこの瞬間が
自分の感情にするりと入り込み、あらゆる負のエネルギーの浄化作用に与するとは、と圧倒された。

と同時に考えたのである。
1日に数十分とないこの瞬間を、共有する人がいることがどんなに尊いことかと。

平日であれば、マジックアワーの時間帯は仕事をしていることが多いだろうし、
なかなかこの瞬間を共に過ごすことは、意識的でないと難しく見落としがちだ。

是非、休日に大事な人や友人と改めて朝日や夕焼けを見てみてください。
チルい音楽でもききながら珈琲を喫みましょう。
まさにそれは、二人の距離を縮めるマジックタイム。

きっとこの忙しい現代の中で、一瞬の時間を共有すること、そしてそれを過ごす事が貴重であるかを実感できるはずだから。

日常の中にある小さな幸せを見つけることが
大事だと気付いた1日でした。

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