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どうしてそこに 【笑話】


 何があったのだろう。どうしてそうなったのだろう。


 どうして。


 すこしばかり理解に苦しむ出来事に遭遇しました。


 先日、とある商業施設へ行きました。


 その際、おトイレをお借りしました。


 こちらの施設にはお掃除専門のスタッフの方が常駐していて、おトイレもいつもきれいです。


 いつもありがたく使わせていただいているのですが、その日は違いました。


 便座に大きな忘れ物があったのです。


 忘れ物はウォシュレットのノズルが出てくるあたりの便座の上にありました。


 どうしてそこに? 疑問符が頭に浮かびます。


 頭脳明晰とはいえない理解力しか持ち合わせていない私は、何かを曲解していたり、誤解したりすることがあります。それを自分で見つけるのはなかなか難しいのですが、曲解や誤解、偏屈、固執、そういうところに陥っている恐れもあることを自覚して、気を付けようとは思っています。難しいことではありますが。


 しかし、どうしても理解できる閾値を超える出来事に遭遇すると、動揺が全身を走り抜けるようです。


 どうしてそこに?


 動揺しました。


 どうして?


 両手で顔を覆いました。


 なんで?


 全身の筋肉がこわばっているのを感じました。自分を落ち着かせるために目を閉じました。


 そして、顔を覆っている手の指の間から再び便座を見ました。


 ある。


 やっぱりある。


 便座の上に大きな忘れ物。


 なんで、そこに?!


 これはつまり、こういうこと?

鳥山明『Dr.スランプ』、第2巻p.59

 いや、違う。

 それとも、こういうこと? 

井上雅彦『リアル』、第1巻p.19
同上p.20

 いや、違う。

 え、もももしかして、こうしちゃったの?


 はて、どういうことだ?


 狼狽えました。震えました。後頭部が熱くなるほど動揺しました。


 なぜそれほどまでに動揺してしまったかというと、その忘れ物があることに気付いたのは私が用を足した後だったからです。



 もしかして座っちゃったのか私はうんちの上に。



 この忘れ物の持ち主、お腹に虫がいたりしない?
 なんかうつったりしない?
 洗えば大丈夫?


 いー、あー、うー、、、


 言葉を失いました。


 いやいや、こういう忘れ物に遭遇することはごくたまにではあってもあることで、ないことではないことのようなことです(動揺)。


 不幸中の幸いというのでしょうか、その出来事から数日たって、今のところ、なんともなく過ごしています。


 なんともなくて、よかったです。

鳥山明『Dr.スランプ』、第2巻p.38
同上p.39

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