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御嶽山小屋バイト(石室山荘)残りわずか、これから日記を

御嶽山石室山荘でバイトを始めて早、4ヶ月が経とうとしている。折角なので出来事を記していこうと思う。

今日は、朝5時25分ごろ、日の出前に山荘から下を見ていたら、こそっと小さな動きを発見。ライチョウだった。距離として10m。よく見ると隣にもう一羽いた。朝日がのぼった5時35分すぎ下まで降りてライチョウを見に行く。真っ赤になったナナカマドの実をついばんでいた。オスとメスつがい。ライチョウは3mくらいなら平気で近づける。2mくらいになるとトコトコとこちらを見ながら逃げていく。メスはクゥクゥ。オスはゲェゲェ鳴いていた。羽が夏毛の茶から、冬毛の白黒に生え変わっている時期。朝食準備の時間に差し掛かり、一度戻る。また後で見に行ってゆっくり観察した。日が当たるとオスがイキイキして綺麗だ。

7時ごろお客さんのお見送り。その時、先日から泊まりの5歳の女の子がこたつでのんびりと朝食をとっていた。ご飯を手で摘んでみたり、ぼーっとしたり、手を眺めたり、、、そののんびりしている姿が窓からの光で照らされていて、なんとも絵になる光景だった。お母さんが「食べられる?」と聞いて、ぶるんぶるんと首を振る姿がまたかわいい。

朝清掃を済ませると、朝早くに麓を出発した元気な方々が何人も通過。この時間の人は足が速い人が多かった。軽やかに山を登る。ある方は春にもいらした方で、どこどこで撮った星の綺麗な写真も見せてくれた。よく喋る気さくな方だった。

昼過ぎ、天気は曇りに変わる。お客さんはそれなりに多かった。おじいさん、おばあさんがゼーゼー登ってきた。石室山荘の下は急勾配で厳しい。「休んでってください」と声をかけると、嬉しそうに「助かるわ」と言ってくれるのか嬉しい。

子供も8人くらいは来ただろうか?ある家族がトランシーバーを使っていて面白かった。「ママ、山荘着いた」「了解」「入るよ」「了解」。こんな感じだ。富士山にも登ったりもしてるそうで、楽しそうな家族だった。お母さんは天気が悪いから9合目石室山荘でお留守番。賢い選択だ。待っている間お母さんと少し話す。なかなかお父さんと子供たちが降りてこなかった、そこでまたトランシーバー「〇〇」「ママなに?」「今どこ?」「もう小屋が見える」「了解」。何度聞いても面白い。無事再会し、「頑張ってね。」と、バイトの僕に一言残して降りて行った。そこから4時半のロープウェイに間に合うようにスタスタ降りて行かれた。上から下山者を見送るのは何度目でもちょっと寂しくて、美しい。さよなら。

夕食準備まで少しのんびりし、空を見る。また少し晴れて固まりの雲が浮かんでいる。

夕食準備で酢の物、天ぷらとかをお皿に盛る。

夜は空を少し見る。星が光る。雲が少しあり、星が薄い。



日記にしてみると、1日の中で沢山の出会いがあって驚く。全てあっという間で流れていくから、なかなか実感がないのだけど。もっともっと描き切れないくらい人にも自然にも出会う。そんなこと、そんな日々いいなぁと思う。



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