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MAツールを自社導入した際に気づいたBtoBマーケ担当者視点のTips

このnoteは、株式会社IVRy 紅組 Advent Calendar 2023にエントリーしています。

現在、株式会社IVRyでは紅白に分かれてAdvent CalendarのPV数を競い合っています。
株式会社IVRy 白組 Advent Calendar 2023もぜひご覧ください。

こんにちは!
株式会社IVRy(アイブリー)でマーケティングマネージャーをしている、今坂(@ryohei05)です。

最近のマイニュースとしては、
「東京に戸建てを買う」
という一大決心をしてしまい、毎週末、物件の打ち合わせで時間がつぶれてしまう日々を過ごしています。
(セミオーダーなので結婚式並みに決めること多いです。。。)

さて、今回はIVRyのアドベントカレンダー21日目ということで、
事業会社目線で考える、MA導入の注意ポイント
について、お話したいと思います。

IVRyでは直近、HubspotというMA(マーケティングオートメーション)ツールを導入完了しました。

私自身がBtoCマーケ出身ということもあり、
・MAってなにそれ?美味しいの?
くらいの知識レベルからスタートしてしまったため、
起案〜設計〜導入完了に至るまで、かなーり苦労しました。

そして、「MA 導入」とググっても、
MA会社やコンサル会社が書いたSEO対策記事ばかりが出てきて、
・事業会社の視点から、MA導入時に気をつけるべきこと
があまり情報として整理されておらず、結構苦労したため、
自身の振り返りを兼ねて、「MA導入時には特にここは注意してね」というポイントを書いていこうと思います。

「これからMA導入を考えている」
という事業者の方には特に読んでいただきたいです。


MA導入時に気をつけるべきこと〜導入準備編〜

①MA導入の目的の明確化・ROIの確認

BtoBマーケに従事する皆様は、そもそも何のためにMAツールを導入したいと考えたでしょうか??

  • LP / 記事 / フォームを自由に作りたい・最適化したい
    (リードジェネレーション)

  • メルマガ/ステップメール配信をしたい
    (リードナーチャリング)

  • 温度感の高い顧客をスコアリング・抽出してslack通知したい
    (リードクオリフィケーション)

  • マーケ活動に必要なデータ取得をしたい
    (リードマネジメント)

などなど・・・
MAツールにはできることがたくさーーーーんあります。

MAにはどんな機能が?代表的な15つの機能を紹介

ただ、しかしです。

例えばハウスリストが「数百リード」しかないうちに
「MAを使ってWebシグナルを取ってスコアリングをしたいんじゃ!」
となっても、CVR考えるとほぼ成果が出ないことは自明です。

MAは月に数十万円もかかる非常に高価なツールです。
それを無駄にしないためにも、事業会社の担当者は導入前に、
・MAを使って何をやりたいのか?
・MAを導入することでROIが合うのか?

を明確化する必要があります。

IVRyでは導入前に、上記を明確化し、ROI合うよね?を社長合意した上で案件を進められたので、
・MA導入することで、IVRyのマーケがスケールできる
と社内の共通認識を持てながらMA導入を進められました。

MAを導入することでやりたい施策・リターン見立て整理

また、補足として「なぜHubspotにしたか?」というと、
・単純なコストの安さ(スタートアップでも導入しやすい)
・機能の充実性
・困ったときにネット上に情報が豊富
等の軸で選びましたが、
これは会社によってケースバイケースだと思うので、詳細は控えます。
(MA比較表などはネットでも転がっていたのでそれを参考にもしました)

②事業拡大を見据えた上で、かかってくるコストの明確化

上記のROIの話にも繋がるのですが、MAは非常に高価・かつプライシングがかなり複雑なので、
・将来、事業規模が大きくなったときに、どれくらいのMAツールコストが定常的にかかってくるのか?
は明確に算出し、社内に合意を取っておいたほうが良いです。

MAの課金モデルとしては、パッケージ課金、プラン課金、従量課金等があり、
特に従量課金については、事業拡大の際の重しになることが多々あるので、それも見据えた上で、どのMAを導入するかは意思決定したほうが良いです。
(Hubspotだと、ハウスリストが10万件を超えると、40万円/月とかしてきます・・・)

IVRyでも、
・月ごとにどれくらいのコストがかかってくるのか?
・ハウスリスト拡大とともに、どれくらいのコストまで膨らんでいくのか?
・ROI合うのか?
をシミュレーションした上で社内決裁を取りました。

特に超初期のスタートアップだと、高価なツール導入の意思決定は後々のキャッシュバーンにも影響を及ぼしかねないので、
・導入のスピード感は大事にしつつ、
・抑えるべきポイントはきちんと抑えて社内合意を取る
ことが大事だと思います。

Hubspotのコストシミュレーション

③MA導入を組織のKRに据える&専任の導入担当のアサイン

「MA 導入方法」と調べると、下のような軽やかな図が出てきたりするのですが、実施のところ、MA導入には想像以上の時間と労力を要します

ググったら出てきたMA導入手順

特に上記図④の「各種設定」のところだけでも、下記のような作業がかかってくるので、
MA初心者が片手間で導入推進をやろうとすると、だいたい頓挫します。

  1. MAの構造理解(他社の有識者ヒアリング※社内に有識者がいない場合)

  2. SFAのデータ構造理解・セールスのSFA運用理解

  3. MA導入後のシナリオ設計

  4. MA導入後の業務フローの設計

  5. MAのデータカラムの設計・設定

  6. MAのワークフローの設計・設定

  7. セールス・マーケへの共有会

  8. バグ解消 etc.

私も例に漏れず、普段のマーケ業務95%、MA導入推進5%程度の配分で進めてしまい、
契約したはいいものの、MA導入が全く進まない
という失敗をしてしまいました。(お金が勿体ない!)

よって、IVRyでは、MA導入を進めるために、

  • マーケティングプロジェクトのKR(Key Result)として「Hubspot導入完了」を設定する

  • MA導入の有識者を業務委託として採用し、専任担当にする

を実施しました。
※ちなみに、IVRyは組織体制としてプロジェクト制を採用しています
(詳細は以下をご覧ください)
https://be-marke.jp/articles/interview-ivry-kudo

これにより、
・組織としてMA導入のプライオリティが上がり、社員の工数が割きやすくなる
・有識者が業務委託として入ることで、設計・設定をスムーズに行う&人的工数の制約を緩和する

を実現でき、一気にMA導入を推進することができました。

特にスタートアップだと、常に人的リソースが足りない状態だと思うので、
・知見を持った専任人材の採用(業務委託等)
・MA導入コンサルを入れる
等は必須だと思います。

ちなみに、社員工数は削減できないっけ?は論点としてあると思うものの、
・SFAの構造理解・セールスの業務フロー理解
・上記を理解した上での新業務フローの設計
・IS要望の吸い上げ
・セールス/マーケ共有会
等を業務委託の方に持ってもらうのはかなり厳しいので、
社員リソースもマストで貼った上で、プロジェクト内の役割分担をするのが良いと思います。

社員が行う業務」と「プロ人材(業務委託等)にお願いする業務」の役割分担が大事

MA導入時に気をつけるべきこと〜設計・組み込み編〜

④将来の事業拡大に耐えうるデータ構造設計

MAツールを導入する際、最も重要な要素の一つが、
未来の事業拡大を見据えたデータ構造の設計だと思ってます。

IVRyの場合、将来的なハウスリストの増加(数百万)マルチプロダクト展開を見越しており、
大量の顧客に対して、複数の製品を管理し、それぞれの顧客層に合わせたマーケティング戦略を展開するためには、柔軟性とスケーラビリティを備えたデータ設計が不可欠でした。

そこでIVRy内でMA導入の際にこだわった設計のポイントは以下の2つです。

  1. MAは他システムとは疎結合&データの蓄積先はBQに

  2. マルチプロダクト展開前提のプロパティ・カラム定義を実施

<1. MAは他システムとは疎結合&データの蓄積先はBQに>

ここはそもそもの弊社の考え方なのですが、
「MAやSFAはまだ完成されておらず、将来的にもっと良いツールが出てくるはずなので、いつでも乗り換えられるようにしておきたい」
という考えがあり、社内システムや他のシステムとの密な組み込みはやらない、と決めております。

また、将来的にデータが大規模になってきたときに、
MAやSFAで分析するのはデータ容量観点や柔軟性観点でかなり困難であると思っており、データウェアハウスはBigQueryにすると決めております

よって、
・MAへの他システムの密な組み込みは実施しない(iPaaS等であれば許容)
・HubspotにあるデータはすべてBQにも蓄積する

という設計でデータフローを書いてみて、
やりたいことが実現できるんだっけ?は社長も含めて初めに確認しました。

初期にホワイトボードに書いてたデータフロー図

<2. マルチプロダクト展開前提のプロパティ・カラム定義を実施>

MAやSFAのプロパティ・カラム定義は、
後から大きく構造を変更しようと思うと、データの取り直しや作業工数含めて大きな手戻りが発生する可能性があります。

よって、そのような大きな定義変更が起こる可能性がどこにあるか?を考え、弊社の場合は
・マルチプロダクト展開については事前にケアして設計しておこう
となりました。

以下の図は大雑把な概念図になりますが、
・こういう構造にすることでマルチプロダクトもケアできます!
を社内合意し、進めることで、
今後の事業拡大にも耐えうる設計に予めすることができたと思っております。

マルチプロダクト展開踏まえたHubspotプロパティ概念図

上記を元に、
以下のような詳細なテーブル定義書を書き起こし、設計を進めることができました。
(ワークフローについても定義書を作ってます)

Hubspotのテーブル定義書

⑤組み込み時は思いもかけないことが起こるので、根気強くやり切るマインドセットが大事

最後のやつは根性論的なやつなのですが(笑)、
組み込み時は思いがけない事が起こり、めちゃくちゃ時間が取られるので、
根気強くやり切るマインドセットが重要です!

例えば、

  • SFAに入っているデータに重複があったり、形式がばらばらだったりすることで、クリーニングやクレンジング作業が大量発生

  • 会員登録等の独自フォームからの情報がうまく連携されず、エンジニアやPdMと一緒にトライアンドエラーの連続

  • ワークフローに独自制約がありすぎて、ロジック上はうまくいくはずなのに想定どおりに動かない

  • 少し設定をいじったら、セールスにうまくリードが通知されず、急いで切り戻す

などなど、予期せぬ出来事は、挙げだすと切りがありません。

しかし、これらを根気強く乗り越えることで、
・ただツールを導入しただけでなく、より強固で効果的なマーケティングの土台を築くことができた
・他チームとの絆も強くすることができた

ため、非常に貴重な経験となりました。

まとめ

ここまで色々と書いてきましたが、結局、
「MA導入はプロジェクトマネジメントちゃんとしないと頓挫するよ」
っていう話かなと思いました(雑)

これからMA導入する方は、
上で書いた「気をつけるべきこと」には特に注意を払いつつ、
適切なプロジェクトマネジメントを実施することが、MA導入の鍵かと思います!

IVRyの「プロジェクトマネジメント勉強会」の資料抜粋

ちなみに、これは一部宣伝も入りますが、
IVRyではハウスリストが数万レベルになってからMA導入をしました。

それまでは、
・フォーム/SMS:IVRyのCRMオプション
・メール:Sendgrid
・SFA:pipedrive
・データウェアハウス:BQ
・BIツール:Looker Studio
でどうにか伸ばしてきましたので、
まだMA早いかな?という方は、是非CRMオプションをご検討ください!

IVRyでは仲間を募集中です!

IVRyのマーケティングチームでは、
日本全国の電話業務課題を抱えているクライアントに対して、IVRyのサービスを届け、認知・興味を持ってもらうミッションを担っています。

ただ、、、全然、、、人が足りません!!(笑)

「電話サービスのマーケって面白いんですか?」
くらいのカジュアルな感じでも大丈夫なので、
今坂宛か、採用フォームにお声がけいただけると嬉しいです!


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