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ラトビア紀行② 〜アジア人の女の子〜

最初の3日が過ぎた。

それは、留学生活の10分の3が終わったこということでもある。

そう思うと、2週間ってあっという間だ。

授業は、月曜日から金曜日まで、全て100分×2コマだ。

これは、モスクワの時と大きく違う。

ロシア語の授業は、週に3回で、90分×3コマだった。

残り2日は、簡単なロシア語の講義で、90分×2コマ。

一見、ロシア語の授業とロシア語による講義が折り混ざっている方が、飽きが来なくて良いように思える。

しかし、今や、インターネットの時代。

ロシア語でのレクチャーは、オンラインでどこでも聴けて、受けられる。

それに、ロシア語のレベルがある程度に達した今では、学習者向けのロシア語よりも日常的なpodcastや番組の方が、生きた言葉で生きた情報を得ることができる。

つまり、ネットさえあれば、それで十分とも言えてしまう。

そういう意味では、リガの時間割の方が好きだ。

週当たりの「ロシア語」の授業の時間数は、モスクワは90分×3コマ×3日=810分、リガは、100分×2コマ×5日=10000分なのだから。

授業の内容自体は、今の方が余裕がある。1番上のクラスとはいえ、授業内容は、モスクワにいたときのものとさほど変わらない。違うのは、先生の話す速度で、1.5倍くらいになったような感じ。

初めの2日間は、ブランクを見事に感じて結構疲れたが、3日目は、良い意味でリラックスして授業に臨むことができた。

一方、モスクワの方が良かったこともある。

アジア人がひとりであることは、精神的にはマイナスに働くことが多いようだ。

クラスにはいろんな国の人がいて、国の数でいえば、モスクワのクラスに比べて多い。モスクワは、日本、韓国、イタリア、チリ、の4カ国だった。

今回は、イギリス(ラトビア人)、チリ、ポーランド、スウェーデン、オーストリア(2人のうち1人はセルビア人)、ルクセンブルクと、なかなかに複雑で多様だ。

突然ひとりでやってきたアジア人が、1番上のクラスで、ロシア語を普通に話す。

その子は、2週間すれば、いなくなる。

学校には既に、クラスの垣根を超えて、語族や民族を基盤にしたコミュニティーができている。

私以外のアジア人は1人もいない。

さて、そういう状況で、誰が私に話しかけようか。

「有色人種のアジア人は、マイノリティー」という、ほとんどの日本人が、留学先で1度は感じるであろうことを、突きつけられているだけなので、大したことではない。

アジア人の女の子というminority of minoriryがヨーロッパに1人で飛び込むことはどういうことか。

受けるべき洗礼を今になってようやく受けている。

ヨーロッパのかおり

モスクワは例外だった。

幸にして、アジア人を理由とした劣等感や疎外感は、1度たりとも感じなかった。

私が思う理由は少なくとも3つある。

まず、圧倒的多民族国家であること。モンゴロイド系の民族からロシア系の民族まで、およそ190種類もの民族が存在している。

次に、移民大国であること。

モンゴルや中国だけではなく旧ソ連圏の中央アジアからの出稼ぎ労働者をたくさん抱えている。

そして、モスクワが決してヨーロッパから近くないこと。

第二の都市、サンクトペテルブルクは、フィンランドまでバスで行けるほど、ヨーロッパに近い。

西日本新聞より

ヨーロッパのロシア語学習者は、ペテルブルクに流れるという。

3日が終わり、友達は0。

雲行きがかなり怪しい。

これには、私が明るいキャラではなく、社交性も欠けていることも、関係しているだろう。

残り10日ほどでリガをしっかり満喫する。

ロシア語にどっぷり浸かる。

そして、あわよくば、誰かしらとお出かけに行く。

そんなことが出来たら、花丸をあげたい。

採点は、ちょっぴり甘くしてみよう。

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