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ラトビア紀行⑥ 〜留学生活の記録〜

何を隠そう、ラトビアに旅行で来たわけではない。紀行とはいえ、留学生活についても書き留めておこう。

1) 授業内容

【概要】
9:00―10:40、11:00―12:40の100分/コマが2コマある。

まず、前日や週末に何をしたか、あるいは、授業後や週末に何をする予定なのかを話す。次に、ニュースをもとに意見交換をする。先生は「議論」って言うけれど、あの授業の回し方的には、議論なんてとんでもない。時間が余れば、教科書を進める。

基本、クラスメイトはよく話したので、教科書をやる時間はなかった。留学生のレベルの都合上、1番上のクラスがB1レベルで、決して高くはない。だから、個人的には、教科書をやる時間が少なく、話す時間が多かったのは、プラスに働いた。

教室にて

一方、先生の授業の進め方には疑問が残った。特に3点、不思議に思ったことがある。

まず1点目は、私個人への対応。終始、ヨーロッパとは何もかもが違う日本から来た人、という扱いを受けた。例えば、何か意見を生徒に聞くときは必ず最後に回される。質問は決まって同じ。「ヨーロッパの人はこう言っているけど、日本は?」という質問に片づけられる。

2点目は、生徒によって話す時間が極端に違った。先生はそれをコントロールしなかった。自分語りに酔いしれている人が話しすぎるせいで、他の人の話す時間が短くなる。先生は、その人の話を止めることなく、他の人の話を無理やり終わらせようとする。

授業を進めるのなら、まだ分かる。が、そうはいかない。先生も自分の体験や知識をひけらかしたいのだろう。生徒の話す時間を抑えてまで、自分の話を長く丁寧に話し、自分の偏見にみちた知識に基づいて意見を展開する。

このような有様だから、この授業を「議論」とは呼びたくない。

ラスト3点目は、話すときに間違いを指摘してくれないこと。このおかげで、間違いを恐れることなく話せるというメリットがある一方、自分の間違いに気付けないという致命的なデメリットがある。

とはいえ、語学力は、アウトプットが多ければ多いほど、身につく。そういう意味で、話す時間がなんだかんだ多かったことは、やっぱり良かったなとは思う。

2) 授業外の勉強

毎日、何らかの記事を要約する必要がある。これは、例の「議論」のためだ。テーマはなんでもok。 私は、日本のジェンダーの問題から好きなアーティストまで、ソフトな話題もハードな話題も選んだ。

唯一意識していたのは、日本のことを知ってもらうこと。それは、日本が抱えている問題だけではなく、アニメ以外の日本のカルチャーや「真面目・礼儀正しい」以外の国民性とも出会ってくれたらという思いがあった。

それ以外には、言うまでもないが、日々の復習と宿題をしていた。ここでいう復習とは、授業内容に限らない。日常の会話でうまく言えなかったことや新たに出会った語彙を、辞書とノートを使って、整理していた。

3) 友達との交流

語学学校の友達とは2回遊んだ。

1回目は、郊外のショッピングセンターに行ってバルト3国で人気のアジアン料理のお店でランチをし、センター内をお散歩。その後、中心地に戻り、ティーハウスに行った。

2回目は、ベジタリアンメニューのあるカフェでランチをしてからスケートリンクに行き、その後、前回行ったティーハウスに行った。

ティーハウスは、日本を意識した作りになっている。茶葉の匂いを実際嗅いでから、お茶を選べるから、とても楽しい。

our tea house ♡

スケートリンクは1時間でスケート靴の使用量も含め、8ユーロで楽しめる。個人的には、お得だと思う。

特に何かをしたわけではない。それでも、彼女と仲良くなれたことはとても貴重だった。初めて、ポーランド人の友達ができた。

そんな彼女とは、色んな問題について、感情まじりで意見を重ね、何度も共感し合った。政治について、食の多様性について、環境問題について、家庭の教育について、そして私たちの将来の夢について。恋話だってもちろん!

自分の考えを堂々と話し、相手の考えに耳を傾け、不満と夢を語り合う。

こういうのって、あんまり日本では日常的に話しにくい。それを、初めて遊びに行った時から、ずっと話していた。幸にして、私たちは、話し合ったあらゆる問題におけるスタンスが全くと言って良いほど同じだった。

驚いた。バックグラウンドの様々な違いを超えて、分かり合えるものがこれほどあるとは。はかない二日間だったけど、あまりにも楽しかった。

4) ひとりの時間

お昼は、近くのLIDOというセルフスタイル式のリーズナブルなお店に入ることが多かった。ロシアで言うстоловая (スタローバヤ)で、ラトビア料理を楽しめる。あるいは、ホームステイ先にご飯が残っている時は、食べに帰ったりもした。

Lido

そのあとは、博物館や美術館に行ったり、家で昼寝したり、カフェに行ったり。1度、国立劇場でバレエを見に行った。

復習と宿題はいつも、朝していた。本当は、そっちが先であるべきだと思う。でもいいの。だって、たった2週間だもの。しっかりとリガを見尽くしたかったし、ラトビアについても知りたかった。

そしてそれは大正解だったと思う。語学をしっかり学ぶことが最大の目的であれば、しっかりと勉強すべき。だけど、留学ってそれだけじゃない。その国の歴史や文化に触れるなど、現地でしか出来ないことをしっかり吸収しないと!

歩くのが大好きなので、郊外のショッピングセンターに行った時を除き、1度も公共交通機関を使わなかった。だから、家に着く頃には、歩き疲れて足が棒になっている。夜ご飯をいただいてシャワーを浴びて、そのままベッドに一直線という日々を過ごしていた。

5) 最初で最後の週末

エストニアの第二の都市タルトゥに留学している大学の後輩が、リガに遊びに来てくれた。

エストニアのタリンやタルトゥからリガまでは、バスで3〜4時間で来れる。とても便利だ。語学学校の生徒の多くは、週末に、エストニアやリトアニアにバスで行っていた。バルトの国での留学の楽しみの1つなのかもしれない。

Tartu 行きのバス

2日間は、完全に旅行者としてガッツリ観光した。街中にあるオシャレなカフェや旧市街、ヨーロッパ最大規模の中央市場や博物館を巡った。ラトビアの伝統料理も忘れやしない。リガは人口60万人の小さな都市なので、2日あれば主要な観光名所を見ることはできた。十分だ。

6) まとめ

6)    まとめ
私の2週間はざっとこんな感じだ。今回は、何かメッセージ性を持って伝えるという記事ではなく、あくまで紹介をする記事ということなので、オチがないが、これにて終わりにしよう。

最後に、行った博物館やオススメのお店を下にまとめておく。

7) リスト

博物館・美術館・劇場

  • ラトビア占領博物館

  • ラトビア軍事博物館

  • KGB博物館

  • ラトビア・ユダヤ博物館

  • リガのゲットーとラトビアのホロコースト博物館

  • ライマチョコレート博物館

  • ラトビア国立美術館

  • ラトビア国立歌劇場

ラトビア料理が食べられるお店

  • LIDO

  • Ala Pagrabs

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