阿久根のいまだけの甘味
毎日刻々と変化するメディアに心ゆらぎつつも、ひとたび見上げれば、つばめが元気に空を飛び回る。
正直、記事をアップするのも少しとまどう。そこも自重するべきなのだろうかと。でも自然はコロナも関係なく、温かくなれば芽吹き、そして実をつける。わたしが自然のエネルギーに元気をもらうように、わたしの発信がだれかの「がんばろう」に繋がる気がして今日も勇気を出して書いてみる。
3月18日にムラサキウニ漁が解禁になり、ムラサキウニの口開けを体験してきた(房江さんのつけあげが絶品。福美丸水産さんにて)。阿久根でのムラサキウニ漁は5月の15日までというたった2ヶ月間。
おへそのように見えるウニの口に、ウニ割器を押し当て、ひとにぎり。あまり力はいらない。
ウニのオレンジの可食部はウニの精巣と卵巣。手首のスナップを利かせて身を落とさないように、ウニの内臓部分だけをふり落とす。
そして耳かきほどのスプーンで身をすくいとる。根気のいるこまやかな作業。
かごいっぱいのウニをひたすら割ったけれど、この量か。。。この丁寧な作業が、ウニが高級な理由なのかとしみじみ。
板ウニとして製品にするためには、ここからさらにミョウバンにひたして形を維持する必要があるらしい。
採れたてのこのままを味わえるのはその現場だけ。
あったかいご飯の上にウニをたっぷり乗せて、わさびを溶かしたあまくち醤油をたらりと垂らし。ほんの少しの醤油が、よりウニの甘味を引き立ててくれる。
里海からのこの時期だけの、いただきもの。
阿久根の、旬の、いまだけのこの甘味を。
今日の健やかさに感謝して。
「ごちそうさまでした」
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