猫と部屋

だれかの方が幸せそうに見えたら、飛ばされない根っこを張ろう。

先日書いた「比べる。その気持ちを捨ててしまったら」では、「比べてしまう気持ち」を大まかに3つ、細かくいうと7タイプに分けて類型化したものを紹介している。

今回のテーマは、その中でも「自分のことがきらいになる【自分とだれかの比較】」をしてしまったときの”心の調律法”。

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おさらい:自分のことがきらいになる「自分と”だれか”の比較」(自分<だれか)

この「比べる」パターンは、自分と誰かを比較するものです。そして、誰かのほうを「上」だと思いこんでいるケースです。

例:
・Aちゃんのほうが私より幸せそう
・Bさんのほうが私よりも美人だ
・Cくんのほうが自分より仕事ができる

この比較パターンで陥るのは「自己嫌悪」。
それが「恥ずかしさ」「自信喪失」「停滞」「対象への(自信のなさからの)コミュニケーションの苦手意識」などにつながります。

自分を受け入れることからはじめる

では、どうしたら解決できるのだろう?
まずは「自分を受け入れること」が必要なのだと思う。

たとえば、
「Aちゃんのほうが私より幸せそう」
なとき。

私たちは、自分がこれまで掴んできた幸せや、得たスキル、できるようになったことなどよりも、他の人が持っているものに目が行きがちなのだと思う。だからまずは、自分の「今」と「過去」をしっかり見つめてみる。足場を固める。

狭いわが家が恥ずかしかった私

友だちに言われて、なんとなく、もやっとしたことがある。

「子どものことを考えたら、狭いところだなんてかわいそうでしょ。いっぱい走って、いっぱい騒げるように、絶対広い家がいいと思って」

彼女はマイホームを建てたばかりだった。

別に彼女は、私に嫌味を言ったわけじゃない。まったくの”自分ごと”として語られたことだ。それでも、13.5帖の狭い賃貸マンションに家族と暮らす私からすると、自分の暮らしをばっさり切られたような、なんだか悲しい気持ちになったのだった。

そしてそれは、「(広い家に住む)彼女のほうが私より幸せそう」という、無意識の刷り込みになった。だからなのだと思う。徐々に彼女の家の写真を見るたびに、狭い家で子どもを過ごさせていることが恥ずかしくなって、プライベートで使っていたSNSはすべてやめた。

私は「比べる気持ちの根っこ(SNS)」をぶった切った形になったけれど、これも一つの方法。おかげで、黒い気持ちが育たずに住んだ。

今、この家が大好き。

でも、あえて「今」と「過去」を考えてみる。
私はこの家をきらいなのだろうか? いや、そんなことはまったくない。引っ越した当初は、それまで住んでいたデザイナーズマンションと「比べて」いやがっていたけれど、インテリアは業者さんに、片づけは自分で、一生懸命作り込んできた、大事な「巣」の歴史がある。

わが家には猫が2匹いる。子どもが生まれるとき、手狭になるからと引っ越すことを考え、つわりで吐きながら何度も物件見学に行ったけれど、私たちに突きつけられたものは「家賃」という壁だった。

猫ブームが来たあとの今はどうかわからないけれど、当時、猫と暮らせる物件はあまりにも少なかった。
だから、幽霊が出そうなボロボロの3LDKでも「家賃14万円」などという高すぎる賃料だったのだと思う。
(※近隣でペット不可の場合、同築年数・同じ広さの相場だと10万円以下で住めるのだ)

引っ越しができず、お金もあまりかけられない中で、毎日、いろんなことを変えてきた。自分や家族が過ごしやすくなるように。子どもが安全に遊べるように。クローゼットを娘の秘密基地にしたり、ものの配置を変えて失敗したり、うまく生かせなかったりをくり返して、ようやく落ち着けるわが家がほぼ完成したところなのだ。

※画像は1年くらい前のもの。ここからもっと変えた。

娘は2歳になった。さらに手狭になってきたので、なんとかしなければいけないと思っているけれど、こんな「過去」があり、「今」の私は、この狭い家をとても愛おしく思う。

根っこをしっかり張るのが大事

人と比べてしまう。そんなときは、根っこをしっかり張るのがとても大事。私はそう思う。

ふつうの人はたぶん、自分の価値観に絶対的な自信はない。だれかの言葉に流されることだってきっとたくさんある。

それは風のようなもので、ふわっと吹いてきたときに気持ちが根っこごと抜かれて、違う意見に降り立つことってたくさんあるのだと思う。

でも、面倒くさくっても、こうして言葉にしてみたらどうだろう?

子どものために「いつかは」広い家に引っ越す。それは決まっている。
でも、だからといって狭いわが家を恥ずかしく思うことはこれから先、絶対にないと思う。たとえ、だれが何を言っても。

根っこを張るには、自分で自分の過去と今の気持ちをしっかりと掘り下げる。そして、それをしっかり言葉にする。
書かなくても、忘れてもいい。一度集中してその作業をすれば、無意識の底に「自信」が残る。

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