三條 凛花 (りんか)

エッセイスト。整理収納アドバイザー。『時間が貯まる 魔法の家事ノート』(扶桑社/7刷)など家事術・ノート術の本を書いています。家事以外のお話(気持ちを整える方法や続ける方法、時間術概要、エッセイ、小説など)を書きたくてnoteをはじめました。

家事がすぐに終わる魔法① ースピードの魔法

まったく同じように家事をしていても「時間がかかったなあ」と思う日と、「今日はすごくはやく終わった!」と驚くような日がある。後者はたいてい、予定のある日だ。

このような差が出てくるのには、実はとてもシンプルな理由がある。予定がある日は、単に「すばやく動いている」から。

タイムリミットがあると、どうしてもそこに間に合わせなければいけない。だから、無意識に動くスピードがはやくなる。たとえば、普段なら

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影のさざ波

ーー影って、こんなだったかしら。

児童遊園の砂場で、息子と近所の女の子が遊んでいるのを眺めながらふと思った。

砂場を囲むように立つ大きな3本の木。その影になっているこのベンチはとても涼しく、上着を羽織らないで来た私は、時折、自分の体を抱くような格好になっていた。

この公園は家から一番近いのだけれど、同じくらいの年ごろの子どもがいることはほとんどなく、うちと、あの子だけだ。
とはいえ彼女たちを

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こころの輪郭

朝起きて、カーテンを引く瞬間が好きだ。窓をいっぱいに開けて、空気を入れ替える。ベッドメイキングは、ふっくら、ふんわりとする。

身じたくがすんだら、仕上げにエプロンをする。まずは夫と子どもたちのお弁当作り。彩りに栄養バランス、食べやすさも考えてメニューを組み立てる時間が幸せだ。

月曜日はバイト。
火曜日は内職。
水曜日もバイト。
木曜日もバイト。
金曜日はパン教室。

合間に、1円でも安いスーパ

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4月の雪

人の波に惹かれて進むと、いつもと違う路地を曲がったところに、開けた公園があるのを見つけた。土手のふもとにあるその公園は、桜が満開だった。
近所のほかの公園と比べると、遊具の数は同じくらいだけれど、とても広い。
敷地内のあちこちで、ママ友同士らしい人たちがシートやお弁当を広げて、花見を楽しんでいた。

少し、気後れした。
この街に越してきて1年。支援センターにも日々通っているのに「その場限りではない

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風になれば

こころに風の通り道をつくらないように、生きてきた。

 

 金色のねむりの中に残っていたそういう思いをかき消すように、苦い、起き抜けのブラックコーヒーで、まぶたをようやく持ち上げた。

ラジオから流れる雰囲気のいい音楽が、ひんやりした部屋を揺らしている。大きく伸びをしながら、ゆっくりと立ち上がってカーテンを引くと、大文字山の辺りが鈍く燃えている。その際からわずかに顔を出した、ほおずきのよ

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マニキュアは火曜日に塗ると、忘れない。

火曜日に新しい色のマニキュアを塗る。ーーそれが私の”美ルール”のひとつ。

自分の見た目に関することは、どちらかというと無頓着で、自信もなくて、できればあまり考えたくないところ。ファッションもメイクも、スキンケアも、気になるけれどなんとなく苦手意識がある。

でも、苦手だった家事も克服できたのだから、同じように美意識に関することもそうやって一つひとつ向き合っていきたい。今はそう思っている。

手は

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