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なぜ、レシピの塩を「適量」と書くのか

そこ、一番知りたいところなのにー!
カーナビの目的地に近づくと勝手に案内止めるのと一緒ー!

…と嘆いていらっしゃる方もきっといらっしゃるはず。

僕も専門学校に通うまではそう思っていました。
でも、今では自分なりの答えがあります。


レシピの塩を「適量」と書く理由

その1「使う食材の質が、毎回変わるから」

です。

例えば、カレー1人前のレシピで、豚こま切れ肉…50g にんじん…1/3本 じゃがいも…1個 玉ねぎ…1/2個
…とあったとして。

玉ねぎの大きさは一つずつ異なるので、今回の玉ねぎ1/2と次回とでは重量は違うはずです。

グラム表記のレシピもありますが、水分量たっぷりのみずみずしい玉ねぎもあれば、身がぎっしり詰まっている玉ねぎもあります。

他の食材も、一つとして同じ食材はありません。

それらを炒めた時に蒸発する水分の量によって、カレー全体の水分量は変わります。

水分量多めのカレーと少なめのカレー、そこに同じ分量の塩を入れると…ご想像の通り、感じる濃さは全然変わってきます。

だから、素材の状態に合わせた「適量」がある…というわけです。

その2「調理方法が、人によって異なるから」

です。

例えば「飴色になるまで炒める」と書いてあっても、レシピ通りの色に仕上げるのは難しいと感じる方も多いはず。

「焦げると怖いから…」とちょっと早めに火からあげる人もいれば、「もっといける!」とねばる人もいるでしょう。

(そもそも、最近べっこう飴を見かけることがないから「飴色」が伝わるのかという別の問題もありそうですね笑)

細かいところで言えば、家のコンロの火力の違いや使っている調理器具の違いもあります。

そういった微細な違いによってレシピ製作者とそれを見ながら作る人の仕上がりに必ず差が生まれるので、塩はそれに合わせて「適量」を入れる必要がある…というわけです。

では、どうすれば適量を見極めることができるのか。


2つあります。

その1

「塩は少なめに入れて、足していくようにすること」

塩味は引き算ができません。薄く感じさせるようにするために水分量を増やすと他のバランスも崩れてしまいます。

多めに入れてしまうと修正が難しいので、初めは少なめに入れていき、少しずつ足すようにしましょう。

作る料理にもよりますが、塩味を足すときには火を消して行うと安心してできると思います。

その2

「必ず味見をすること」

慣れないうちは、最後の仕上げの時だけでなく、一つの工程が終わるたびに味見を
するのをおすすめします。

今、食材たちがどういう状態なのか、味なのかを知り、それに合わせて塩を加えてみてください。例えばうま味がしっかりと引き出されている時には、塩は少なめでも十分だったりします(うま味は塩味を強くする効果があります)

また、実際に食べる時に口に入れる程度の量を味見することも大切です。

例えば野菜炒めを作る時、野菜の切れ端一つではなく、入っている複数の食材を口に入れた時にどう感じるかに合わせて、塩を加えてみてください。

僕は、最近では生野菜は切砕作業の後にすぐに口に入れてみて、素材の味を確認するようにしています。

それに合わせて、塩やその他の調味料をどれくらい入れるのかを決めています。

まとめ

…と、先人達が考えてつくられてきたレシピの書き方には、ちゃんと理由があると僕は考えます。

丁寧に食材達と向き合いながら、自分の舌と相談しながら、「適量」を見出していきましょう。

すもーるすてっぷCookingでは、塩味の付け方や、人それぞれによる塩味の感じ方の違いについても一緒に学べたらと思っています。

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