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ひかりよ やみをきりさけ 

【文字数:約1,000文字】
お題 : #防災いまできること

 先週16日の深夜に福島県沖でM7.4の地震があり、それからヘッダー画像のライトをカバンに入れている。

 もともとキャンプ用に複数のヘッドライトを持っており、そのうちの1つは翌日のみカバンに入れていた。

 同じかそれ以上の地震が起きたとしたら、きっとヘルメットが役に立つのだろうなと思いつつ、ライトを見る度に意識だけは災害に備えている。

 どちらかというと不測の事態に弱いタイプだと自覚しているから、そうでもしないと咄嗟に行動できない気がしている。

 そして先日、関東では地震によって発電所が停止したため、供給不足による停電を防ぐためにと節電が叫ばれた。

 できる範囲で私も協力したけれど、停電が不可避なら仕方がないと諦めてもいた。

 基本的にキャンプ場は暗いというか照明がないため、闇の中に身を置くことには慣れており、むしろランタンやロウソクの光が美しく映えるとすら思っている。

 もちろん常に医療機器が必要な人にとって、停電は死活問題に直結すると承知しているから、回避できるに越したことはない。

 ◇

 無事に停電は回避されたけれど、ここ数日で興味深い話を聞いた。

 地震の直後、停電のためにテレビではなくラジオを聞こうとしたら、なんと電池が切れていたと。

 普段から使っていないのが原因で、私もライトに電池を入れたまま残量ゼロで液漏れが発生し、まるごとダメにしてしまったことがある。

 それ以降、持ち歩かないものについては数ヵ月おきに充電するか、そもそも電池を抜いておくようにした。

 災害への取り組みとしては初歩的かもしれないが、たまに意識する機会を作ることで、どこに他の用品類があるのかも確認できる。

 そして現在は始めに書いたとおり、ヘッダー画像のライトを持ち歩いている。

 ライトを見る度に災害を意識する他に、実はもう1つ目的がある。

 にぶく輝くマットな銀色、握るのにちょうどいい大きさ、ひやりと冷たいアルミの質感。

 つまり、持っているだけで気分が上がると。

 こいつは何を言っているんだと思うなかれ。

 おそらくは使わない可能性が高いのだから、眺めて良し持って良しのものが適しているし、これなら無意味に点けたくなってしまう。

「光よ! 闇を切り裂け!」

 そんなセリフを心の中で叫んでもいいし、突発的な怪談話に備えたり、通り魔に遭遇したときの目くらましに使えるかも、などと想像して楽しむことが可能だ。

 一時的な負担も続けば嫌になってしまうから、そうした不真面目な向き合い方をすれば長続きするのではないだろうか。


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