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教師の名言・格言 その33     No.039 「見えない心も服装や顔、目でわかる」

No.039 「見えない心も服装や顔、目でわかる」
No.038で「心の乱れは、服装で」を書いたが、普段の生活からでもその時々の心の状態が分かる。
いくつかの例を挙げよう。
まず、靴箱やロッカーの中のランドセル。
下靴や上靴がきちんと入っているかどうか。
ランドセルがしっかりと入っているかどうか。
普段からきちんと揃って入っていない子どもは、生活面で「ザツ」な子どもが多い。
普段、しっかり入れている子どもが斜めに入っていたり、浅く入っていたりする時は、何かあるとみてよい。
次に給食。
ご飯やおかずが残らずに食べきれるクラスは、学級の雰囲気が良い。
職場の異動後、1年目で6年生を担任した時のこと。
子どもたちの雰囲気は非常に悪かった。
何を話しても無反応。すぐに突っかかって来ることも多い。
やる気もない。宿題もよく忘れる。勉強もなかなか集中できない。
今考えても大変だった。
当然、給食の残る量は非常に多かった。
4月、5月、6月とお互いのことがわかり、理解し、信頼関係が徐々に築けていった。
それに伴い、給食が残るのも少なくなっていった。
その時の変化の様子を見てみると次のようであった。
男の子。
好き嫌いが多い。そんなに食べたくない。周りの友だち(特にボスと見られる子ども)の言葉を気にする。
「このスープおいしないなあ。(おいしくないなあ)」
そう思っていなくても、
「ほんまやなあ。」
ということで、おかわりをしない。
量を減らす。
残す。
それをしなければ仲間から外されると言う意識を持つ。
女の子。
おかわりをすると恥ずかしい。
男の子から「あいつ、よう食べるなあ。」
とあからさまに言われる。
おかわりをすると、陰で何を言われるかわからない。
このような状況であった。
2学期になってから子どもたちと1学期のことをあれこれ話していたときに聞いた内容である。
このころになると、子どもとの意思疎通もうまくいき、給食もあまり残らなくなっていた。
次は、名札。
服に付けるが、名札のあいているところにシールなどを貼る。
裏に貼り、なかなかわからないこともあった。
特に女の子に多い。
おしゃれ感覚。ちょっと人と違うのを名札でやってみるという秘密。仲の良い友だちと一緒にすることも多い。
また、悪いことをしてそれに対して指導する時。
話をしている時に目を見ない。
顔がよそを向いている。
目や顔が下を向いて見ている。
すぐに目が泳ぐ。
じーーーーっとこちらを向くが、話を聞いていない。
納得していない。
聞く気持ちがない。
また、手がじっとしていない。
手遊びをしたり、ごそごそしたりしている。
こんな時は、じっくりと時間をとらなければならない。
焦ってはいけない。
「急いては事をし損じる。」というが、全くその通り。
「この時間は、すべてこの子どもに使おう。」
という気持ちをもって指導をしなければならない。
「本腰を入れる。」ということである。
それでなければ、本当にその子どもの心に話がしみこまない。
入らない。
それだけの覚悟をもって臨むと言う気概で対応する。
そうすると、5分。10分。と続けることで、
「自分に対して真剣に対応してくれているんだ。」
という気持ちに子どもはなってくる。
ここまでくると、表情も変わってくる。
目もしっかりと見つめてくれるようになる。
それまでは、何度も何度も
「また、よそ見をしとる。」
「話が聞けてない。」
「こっちを見て聞いてないから、納得してないな。」
「もう一回、初めから言うで。」
と繰り返し、繰り返し続ける。
だから、やたらと時間がかかる。
一人の子どもに対してそれだけの時間をとる。
これが非常に大切。
子どもの表情の変化がわかる。
徐々に変わっていく様子が見える。
この変化を見逃さずに指導していくこと。

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