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教師の名言・格言 その17    「集金をする時は、教師の目の前で子どもに現金を出させる」

教職についていると出会ったり、浮かんだりする言葉があります。それらを自分なりに名言・格言としてみました。

No.023 「集金をする時は、教師の目の前で子どもに現金を出させる」

ひと昔前に比べ、現金集金はほとんどなくなった。
なくなったといってもいいかもしれない。
今は、引き落としが主流であるから。
1980年代では、まだまだ現金集金ばかりであった。
毎月、給食費や学年で使う諸費を集めるのである。
また、各教材会社への支払いも現金集金であった。
その時に教えてもらった方法や技がいくつかある。
まず、集める時。
朝一番に教室に行く。
教室に入ってきた子どもから集金袋を持ってこさせる。
子どもを教師用の事務机まで来させ、集金袋から現金を出させる。
2900円の集金なら、ピッタリと合えば箱なり袋なりに入れて子どもを開放。
次の子どもに集金袋の中身を出させる。
時間が少々かかり、子どもを並ばせることになるが仕方がない。
現金の確認が第一である。
宿題を出させるよりも優先する。
では、集金の金額が足りない場合はどうするか。
足りない現金はそのまま預かっておき、すぐに連絡袋やランドセルの中を探させる。
大体どちらかに入っているか落ちているものである。
それでもない場合がある。保護者の入れ間違いである。
この時、子どもと一緒に現金を確認したことが重要になる。
担任と子どもが確認しているのである。
担任の連絡の他に、子どもの証言も取れるのである。
また、周りの子どもも証人(?)となってくれる。
どうしてこのようなことをするのか。
お金を扱う場合は、非常にデリケートに扱わなければならない。
多い場合は確実に返却しなければならない。
足りない場合は、下手をすると大きなトラブルの原因となる。
保護者は、確実に入れた。
だがこちらは足りない。
では、「足りないお金はどこに行ったのか?」となる。
①保護者の勘違い。
②子どもが落とす。
③子どもが取る。
④クラスの他の子どもが取る。
どれも最悪の展開しかない。
これらのトラブルを防ぐためにも教師と子ども、そして周りの子どもが確認している。
現金の見ていることが大切なのである。
今までにも、保護者の勘違いで足りないことがあったし、子どもが袋の中に落としていた場合もあった。
幸い子どもが取ったり、クラスの他の子どもが取った場合はなかったが、他のクラスでは④の事件があったと聞いたことがあった。
生徒指導として子どもへ指導しなければならない。
保護者も学校へ呼んで話もしなければならない。
大事件である。
世の中で言うところの窃盗になる。
それらを防ぐためにも現金の取り扱いは慎重なうえにも慎重にしなければならない。
現金が足りない場合、朝の貴重な時間であるが多くの時間をとっても、「ない、ない。」と言って、探し回らなければならない。
クラス全員を総動員して探すのである。
という大事になり、時間をとるより、わずかな時間をかけるだけで時間の節約になる。
また、集金袋を全員分集めてから教師が現金を数えていて、不足分を見つけてもきつくは言えないものである。
子どもに、
「カバンの中や袋の中をもう一度探しなさい。」
が、関の山である。
探してもない場合、
「申し訳ありませんが、100円足りませんでした。鞄の中などを探してもらったんですけどね。」
と、連絡をするのもしにくいものである。
保護者から不信感を抱かせる恐れがある。
そういったトラブルを防ぐためにもたくさんの目で確認しておくことが大切である。
 最近は、現金集金をすることがほとんどなくなり、このような場面はないといえるが、貴重品などを扱う場合はこの方法を応用するとよいだろう。

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