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教師の名言・格言 その31     No.037 「形から入ることこそ、その道への第一歩」

No.037 「形から入ることこそ、その道への第一歩」

中学生の時、音楽の授業でギターを学んだ。
面白くてギターを弾きたいと思った。
親にギターが欲しいとねだった。
ギターはピン切り。高いものはものすごく高い。
安いものは、おもちゃのようなものがある。
親は、自分の息子のことをよく知っていたのだろう。
「これにのめりこむと勉強をしなくなる。」と。
そこで、父親が自分の友だちからいらないからと一本の白いギターをもらってきた。
この白いギターが曲者であった。
当然、最初は喜んで弾いた。練習した。
しかし、いかんせんこのギターおもちゃであった。
「フレット」といって、音程を決めるためにフィンガーボードに打ちつけてある金属の板がすぐにとれた。
ネックが曲がった時に調整するボルトがない。
開ける金属板も張りつけてあるだけ。本当は、ねじでとめてあり、その金属板を外してネックの中のボルトの方向を変えて、ネックの曲がりを直すのである。
それがない。
などなど。
すぐに正確なよい音がならなくなってしまった。
当然、ギターの練習もしなくなった。
大人になり、義父が使っていたというギターをいただいた。
結構いいものであった。
納屋の片づけをしていた時に出てきたそうである。
それを譲り受けた。
自分でピックや譜面台、調音用の機械、教則本、予備の弦などなどいろいろ買いそろえた。
左指にタコができるまで練習し、一つ目の山場「F」コードまで弾けるようになった。
簡単な曲も弾けるようになった。
その時に思った。
道具って大事なんだなあと。
よいモノとまではいかなくても始めるのに最低限のモノは必要である。
それも自分でそろえる。用意する。
それが自分自身への決意表明となる。
心構えも生まれる。
続けるモチベーションも上がる。
教師の仕事も同じ。
最初は、すばらしい実践を数多く知り、実践してみる。
上手くいく場合もあれば失敗する場合もある。
そこで考える。
なぜ、ダメだったのかと。
基礎、基本となる考え方や根底にあるものを考え、知る。
そこに至らなければならない。
指示の出し方、発問の言い方をまねる。
効率のよい事務仕事のやり方をまねる。
授業の流し方も指導書や先輩教師の方法をまねる。
それらを実行することが教師修業の第一歩と考えてよい。
そこから一歩一歩登っていくのである。
努力した分だけ成果はついてくる。
足踏みする時もあるが、着実に力はつく。
絶えず努力を怠らないこと。
そのための一歩が「形から入ること」と考えてよい。

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