私の隣人プロファイル

私が職場を転々とする中で出会った様々な人たちをプロファイリングしていきます。

私の隣人プロファイル

私が職場を転々とする中で出会った様々な人たちをプロファイリングしていきます。

最近の記事

  • 固定された記事

「私の隣人プロファイル」とは

二十代後半に差し掛かった頃。 職場の人間関係やバイト先の閉店など様々な理由で、気が付けば職を転々としていた。 周りを見れば結婚したり、子供を産んだり、バリバリと社会で働く人たち。 自分には地位も名誉もお金も恋人も何もなかった。本当に。何もない。でも涙は出なかった。なぜなら全てが自分に責任があるから。私は日本人の模範的なルートを一切無視して、売れないシンガーソングライターのようなことをしている。今感じる虚無感は全て今までの身勝手の結果だ。 でも本当に自分には何もないのだろう

    • 番外編(お客さん)

      例のポイント関係の仕事では、毎日多くのお客さんと接することとなった。 今回は、そんな数多くのお客さんの中から、特に印象に残っている何名かをピックアップしてご紹介します。 ①姪っ子が有能なお婆さん 「こんにちは〜」 私がそう声をかけると、そのお婆さんは笑顔で「暑いわね〜」と言って私の目の前、カウンターの小さな丸椅子に座った。 ポイントカードが使えなくなるんでしょ?それでケータイで何かするんでしょ?そういうのアタシ全く分からないから困ってるのよ、と笑顔で話していた。 まぁここ

      • #9 韮崎さん(タレコミ編)

        #9 韮崎さん(導入編)はもうお読み頂いただろうか。 ここからはスタッフからの韮崎さんに関するタレコミを紹介する。 No.1 大和くんからのタレコミ #1小田さんのお気に入りボーイの一人、大和くんが韮崎さんと初対面の時。 その日シフトが一緒になる人達との待ち合わせ場所に着き、韮崎さんに初めましての挨拶をした。まだあと一人到着していないということなので、大和くんはトイレに向かった。 しばらくして大和くんがトイレから戻ると、韮崎さんはマジマジと大和くんを見つめこう言った。 「

        • #9 韮崎さん(導入編)

          ついにこの人を紹介する時がきてしまった。 韮崎さん。 この人は特別。スペシャルである。 例に漏れずあの派遣バイトで出会った男性なのだが、韮崎さんは私たちが所属する派遣会社に所属していない。別の派遣会社に所属している。なぜ彼だけ他の会社から派遣されてくるようになったのか、事の経緯は分からない。こういうケースは大体仕事がすごく出来るために会社の人に気に入られて個人的に呼ばれるようになるというものが考えられるが、韮崎さんは別に仕事がすごく出来るわけではないし、どちらかと言えばトラブ

        • 固定された記事

        「私の隣人プロファイル」とは

          #8 中村くん

          例の派遣バイトで出会った2歳くらい年下の青年。 色白ですらっとしたスタイルで、目の色とかを見ても、なんとなく色素が薄い系の男の子だ。そして#1小田さんのオキニである。 自分より年下の男の子とあまり話した事がなかった私は、初対面で二人だけの仕事の時、人見知りそうな彼の雰囲気に、今日一日を乗り切れるかと少し不安に思っていた。しかし、中村くんは話してみると、とても精神が落ち着いていながらユーモアもあり、物腰の柔らかなトーンで会話を楽しめる人だった。とても丁度いい温度感である。彼の方

          #7 高梨さん

          例の派遣バイトで出会ったアラフィフくらいの女性。 数回しか一緒になったことがないのでそこまで豊富な話題はないが、印象的なエピソードがいくつかある。 初めて会った時、高梨さんは腕や指にパワーストーンと思われるアクセサリーをたくさん身に付けていたので、「それってパワーストーンてやつですか?」と訊くと、「そうそう。」と応えてくれた。高梨さんはお世話になっているパワーストーンの売人?がいるらしく(なんて言ったらいいんですか)、昔からよくその人のところへ行って色々と相談をして、そのお

          #6 大島さん(後編)

          大島さんは猫を飼っていて、全く懐いてないらしいが可愛がっている。 猫の性格がちょっと変らしく、そこがおもろ可愛いんだとか。ある日どこかから猫のフニャ〜という鳴き声がして、お風呂場を見るとお湯の張られたバスタブの淵かどこか細いところに猫がいて、行き止まりで方向転換も出来ず、動けずに情けない声でフニャ〜と鳴いていた。「あんたそんなとこいたら危ないよ」と抱っこしてあげようと近づくと、来るなと言わんばかりにシャー‼︎と鳴くので、「じゃああんた自分で戻れんの?」と声をかけてもビビりでお

          #6 大島さん(前編)

          派遣バイトで出会った40代くらいのお喋り好きなママさん。 他にも派遣のバイトを掛け持ちしているらしく、出会って早々、別の派遣会社の方に勧誘してきたので、何かの回し者かと思い警戒してしまったけれど、話していくとただのオープンでフランクな人だった。 私がその勧誘をやんわり断った後も、大島さんの話は続く。忘れもしない、派遣バイトの勧誘の後、流れるように話題は転がり、大島さんは霊感のような感覚が強いという話をし始めた。はっきりとオバケが見える訳ではないが、ある場所に行くとなんか嫌な

          #5 森本さん(後編)

          そして森本さんは家でも頑張っている。 森本さんの脳内に常にある言葉は「節約」だ。 息子さんがライトオンかどこかで買ったトレーナーが3000円くらいしたと聞き、倹約家の森本さんに火がついた。ネットならばもっと安く買えるとネットサーフィンを繰り広げ、ZOZOならば同じトレーナーが1000円引きのクーポンを使ってお安く買えることが判明した。しかし時すでに遅し。森本さんは息子さんにちょっと怒って「も〜、ZOZOならマイナス1000円で買えたのに〜、ママに言いなさいよ〜」と言ったらしい

          #5 森本さん(中編)

          この派遣バイトでの仕事の半分くらいは森本さんに教わっており、私は勝手に自身を「森本チルドレン」と心の中で名付けている。 そんなお世話になっている森本さんを見ていて思うことは、森本さんは仕事をすごく頑張るということだ。しかしその頑張りが水に流されるというか、派遣会社の社員さんからよく思われていなかったり、余計なお世話な感じに取られて空回りしている場面が多々あった。例えば、ある現場でスタッフが不足していた際、違う派遣会社のスタッフが来てくれることになった時のこと。もちろん臨時のス

          #5 森本さん(前編)

          派遣バイトのこの会社で1番お世話になったママさん。上大岡、東戸塚の仕事によく入った私は、同じくそこによく入っていた森本さんに仕事のことはほぼ全て教わった。 おそらくアラフィフくらいの年齢で、とても華奢で上品なママさんだ。そして少し内股。たしか、昔バレエを習っていたが、辞めてからもガニ股なのが嫌で頑張ってわざと内股にして歩くようにしていたら、逆に内股がデフォルトになってしまったと言っていた。とても線が細くあまり体力はないようで、しかもこう見えて愛煙家なので、長机を1階から3階ま

          #4 斎田さん

          シャンプーはパンテーンが好きな小麦肌の主婦。 バイトはバイト感覚で参加するので責任を負わされそうなことは苦手。しかしバイトとしてやるべき仕事はちゃんと覚えているので周囲を不快にさせるようなことはない。 私がまだこの仕事を始めたばかりの時、次の仕事が2人一組で行うものだったので、ペアになる斎田さんがどんな人なのか、他の人に少し聞いてみたことがあった。その人によると、斎田さんは責任を負うようなことは嫌うので、恐らく斎田さんとペアの時は池谷さんがリーダーになるよと言われた。初めての

          #3 西内さん

          コロナ禍の派遣バイトで出会った1,2個くらい年下の女の子。私はマスクをしているところしか見たことないが、めちゃめちゃかわいい。なんてったって元CA。今すぐにでも乃木坂のセンターになれるような、男子が絶対好きなタイプの子だ。華奢で色白、キュルンとしたお目目に下品じゃない涙袋。おそらくオフィスでもいける控えめに瞳が大きく見えるカラコンを付けていて、まつ毛はいつも綺麗に上向きにカーブしている。#1小田さんのオキニの大学生・大和くんも西内さんが好きで、以前何かの話の流れで大和くんの彼

          #2 橋口さん

          私がコロナ禍で働いていた派遣バイト先で出会った30代くらいの女性。コロナ禍で前職をクビになり、やりたい職も見つからず、とりあえず稼がなければ、となんとなく登録した派遣バイトの初出勤日、たまたまシフトが被っていたことで私に施設の使い方やら仕事の仕方なんかを教えてくれた人だ。明るくてハキハキしているけれど棘はなく、いい意味でテキトーなノリで仕事をしたり接してくれるので、こちらも初めからノンストレスでいられるのが有り難かった。しかし、テキトーと言えども、橋口さんはとても能力があり、

          #1 小田さん

          私がコロナ禍に派遣バイトをしていた時の先輩。 当時30代半ばくらいのすらっと高身長のゴリゴリ関西人男性。 バイトリーダー的な感じで日々のプチ責任者を任されていることが多かった。 クリスマスイブの夜に彼女とみなとみらいの実寸大ガンダムを見に行ったが、驚くほどの長蛇の列だったかなんかで諦めて山下公園へ。 前から彼女とはクリスマスプレゼントはなしでいいと決めていたそうだ。しかし山下公園のベンチに座り周囲を見渡すと、たくさんのカップルがいちゃつきながらプレゼントを渡しあっていた。ガ