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奥深い値付け問題にチャレンジ~対話型アート鑑賞会#2~


みなさん、こんにちは。りんです。
自分で主催しているリベラルアーツサロンで「対話型アート鑑賞会#2」を実施しました。
前回ご参加の皆さんにとても好評だったこの企画。

今回もたくさんの気づきがあった面白い会になりましたのでよかったらぜひ最後までご覧くださいね。

0. 対話型アート鑑賞とは?

1980年代にニューヨーク近代美術館(MoMA)で生まれた。
鑑賞力だけではなく、観察力・批判的思考力・言語能力・コミュニケーション能力といった総合的な「生きる力」の育成につながる手法

※出典
教えない授業――美術館発、「正解のない問い」に挑む力の育て方
鈴木有紀
https://www.amazon.co.jp/dp/4862762654/

美術鑑賞といえば事前の予備知識や解説を見てその知識をインプットして作品を鑑賞しがちですが、まず自分で鑑賞、自分の意見を表現し、そして答えのない世界で自分なりの答えをだす、という新しい鑑賞方法かつ学ぶ力を培うプログラムです。

第1回目の様子はこちらから。
https://note.com/rinn_0208/n/n78995f38245d

1.某鑑定団のように見てみる

スライド1

今回も先生役をアートディーラーのまめさんが担当。
まめさんは某〇〇鑑定団のようにアート作品(アンティーク)の値付けが普段の仕事の一部でプロでもあります。
ということでアイスブレイク的にみんなでアンティークの値付けにチャレンジしてみました。(写真は諸事情で掲載できなくてすみません。代わりにタイトル画像を現物に近いものにしました)

1分間とあるアンティークのシャンデリアの写真を見て値段当てにチャレンジ!

参加者のみなさんの予想はこんな感じでした!
予想する値段とその根拠について話してもらいました。

40万円
5万くらいかと思ったけどキャンドルが下り曲がっていた
有名な方が使ったので付加価値が付いているので
アクリルの軽さでガラスでないと思った
10万円
折れていたところがあったので安いのかな?アンティーク要素もあるかなと思ったため
自分だったらこれ以上出したくない
10万円
4,5万かと思ったけどアンティークだからそのくらいの値段がついたのかなと
デザインが細やかなのでもう少し高いと思った
鑑賞用なら20万円、買うなら2万なら買う
自分は素材へのフェティズムが強いんだなと思った
写真でわかる範囲で見ての判断
20万円
素材で判断できないので装飾の手のかかり具合で数百万でなく数十万だと思った


正解は・・・
20万円でした。(ただしそのくらいになるというまめさんの見立てです)

シャンデリアだとアンティークは新品より安くなることが多いそうです。
実際みんなで値付けにチャレンジしたシャンデリアが実は有名な某ブランド〇カラだと判明し騒然となりました(笑)が、このブランドのシャンデリアで新品ならとてもこの値段では・・・


2.何が起きているか想像してみる

鑑定体験の次は今ちょっと変わったものに挑戦。
美術作品というか、とある写真をみて背景に何が起きているかを想像してみます。

スライド13

まったくノーヒントで1分間写真を見た後、ぞれぞれコメントしていきました。

復興の一連の何かの記念日だと思った
震災があったけど乗り越えてきた喜び・団結の表現
場所は東京台場?
何かしら主張している
ヘルメットにマスクを着けているのでアスベストを想像した
その環境で働かされていた人(労働者)からの主張
上から光が照らされていて手を挙げているように思える
オープニングのセレモニー
携帯でかざして撮ろうとしている
緑のライトはキャラクターの緑と関連があるのかなとか?
みなさんの意見を聞いてちょっと変わってきた
炭鉱で働く人たちを開放した人?
最初は豚はおいしく食べられるという祭りだと思った
ゲームイベントだと思った
マスクがおもちゃっぽくて生首っぽい
中心だけライトの色が違うので
イベントの主催者がいるのではないかと思った
商業施設のPRイベントだと思ってしまった


ということでここで一体何の写真だったのかをまめさんから説明。

実は今も続く2019年-2020年香港民主化デモの写真でした。
ここから香港の歴史や文化を考えてみようという意図だったのですが、それぞれユニークな発想が出て面白かったですね。


3.有名な作品を改めて見てみる

今回のラストはこちら。
これを2分見た後、参加者ごとにコメントしました。

スライド15

皆が正しいと思っていることは実は正しくないと
いうメッセージを伝えている
像は悪いことをしている
周りの人間や動物を困らせようとしている
通行人の絵もイメージ
仏陀とか仏教の絵だと思った
不思議な世界観
真ん中の糸がクモの糸みたい
像がリアルで他が平たん
竜とかドラゴンが宗教画みたいな雰囲気も感じる
宗教画と絵本を突き破って像が出てきた感じ
像とその他のように見える
像が一番伝えたいメッセージ
像が大きく描かれているので神のようにあがめられているのかなと思った
白は縁起が良い意味がある
竜も縁起物
緑は森
ブルーは水か空を象徴し、自然を操っている神様なのかなと思った
お寺にある地獄絵図だと思った


ということでここで一体何の絵だったのかをまめさんから説明。

今回のこの絵は仏教画で各説話が全部一度に盛り込まれており、民衆への説明用の紙芝居を集めてまとめたような構図になっています。
上半分が現世で理不尽の象徴として怒り狂ってる像が描かれているそうです。


こういう要素がたくさんつまってみるべきポイントが多い絵だと解釈する方は大変なのですが(笑)
本当にいろんな意見が出てきて思ってもみなかった考えやストーリーに出会えてより対話型アート鑑賞の醍醐味が出るように思います。


4.リフレクション

最後に参加者のみなさんにリフレクション(振り返り)をしていただきました。

好きなところだけ見たいところだけ見ていたが
隅々まで見るとたくさん見るところがあるんだなと気づいた
制限時間があったから逆に想像力が働いたかも
香港のデモの写真で自分の人種を超えて相手の立場で物事をみるという体験を出来た


5.個人的まとめ

実はこの回は主催の私もイチ参加者として参加しているのですが、前回に引き続き2回目でちょっとは慣れたかと思ったら甘かったです(笑)
見たものを自分なりに意味づけし解釈し言語化し相手に伝えるという一連の作業を制限時間内で完成させるのは本当に難しいなと。
だからこそ継続する必要があると思うし、また、ほかの方々の意見やアイデアも吸収していきたいなと思います。

それにしてもアンティークの値段予想は面白かったですね。
おなじものであったとしても新品の値付けとはまた違うロジックで価格が決まるところが本当に興味深い。
ちょっと対話型鑑賞とはずれるけどアイスブレイクとしては本当に良いと思うのでまたやれたら良いなと思います。

そして今回印象に残ったのは自己紹介の時に参加者の方がおっしゃっていたこの言葉
「数式、化学式、アート、サイエンス、表現方法は違えど元の表現したいことは同じ」
典型的な文系人間(時々理系に見られますが違いますw)の私はちょっと衝撃でしたね。
数学や化学、物理等は別世界な気がずっとしていたので。
でも、なんかそう聞くと一気に身近に思えるから不思議です。
この辺やさしく解説してくれる方いたらぜひ講座をお願いしたいな。

それでは今回もご参加いただいたみなさんと担当してもらったまめさんに感謝の気持ちを込めながら・・・また次回お会いしましょう。

ご興味ある方いらっしゃいましたら下記のFacebookグループまで申請をお願いします^^

https://www.facebook.com/groups/251416526053730/

できたらnote見ましたーとかメッセンジャーでメッセージいただけるととても助かります。

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