お母さんを責めるのを、やめましょう。

私は以前、特別支援教育の仕事をしていました。


いろんな保護者の方、主にお母さんと出会ってきて
たくさんのお話を聞いてきた中で、
一番に思ったことは、やっぱり
「子どもを支えたいと思うなら、お母さんを支えるのが一番大事」ということです。

特別支援に関わるお子さんは、様々です。
私の末っ子のように、病気や知的障害のあるお子さんや
学年が上がるにつれて問題行動が多くなってきて、
発達障害だと判明したお子さん。
読み書きだけが、極端にできないお子さん。
あっというまにいなくなってしまうお子さん。


その中で、一番お母さんが苦しいなあと思うのは、
ほかの子に危害を加えてしまうお子さんです。

本人の中では、どうしようもない理由があるのですが、
問題行動ばかりが目につくので、多くの人に真っ先に責められます。
多くは、本人の話を聞いてもらうこともできません。
説明もうまくできなかったりします。

そして、本人が叱られたあとに、
お母さんに苦情、苦言、上から目線のアドバイスなど
たくさんのよろしくないものが波になって押し寄せてくるのです。


そのつど、頭を下げて苦しまれるお母さん。


そうやって、追い詰められたらお母さんがどうなるか、想像がつきませんか?

追い詰めらていくと、家庭の中で優しくなれなくなっていきます。
重苦しい空気がたちこめる家庭になってしまうと、
お子さんの問題に見える行動がますます増えていってしまう…。
そんな悪循環が起こるのです。


もちろん、他人や自分に危害を加えるのはすぐにやめさせなければなりません。
それと同時に、危害を加えざるをえないような状況を、
周囲のひとたちで作らなくてはいけないのです。
即刻。
周囲のお子さんも巻き込んで。


そして、お母さんを責めるのをすぐにやめなくてはいけません。


とかく、お子さんの問題行動にはお母さんの子育てに責任を負わせたくなってしまいますが、
最終的な目的を、忘れないでほしいのです。


最終的な目的は、
「お子さんがみんな安心して、しあわせに生活すること」
そのためには、何をすればよいのか考えていく必要があるのです。

安心できるよう、危害をくわえられない環境を作る。
問題行動のある子のお話をよく聞き、行動をよく見る。
大変な思いをして子育てをしているお母さんをいたわり、共感する。


お母さんのせいにして、お母さんだけを責めても
お母さんは幸せになりません。
お母さんが幸せでないと、お子さんも幸せでありません。
幸せでないと、表に見える問題行動がますます増えてしまいます。


「お子さんがみんな安心して、しあわせに生活すること」
これを忘れないでいれば、人を攻撃している場合ではないと気づくはずです。

文句を言うのは簡単なのですが、
いい対応方法を見つけるのはなかなか大変です。

でも、いい対応方法が見つかったら
パズルのピースがぴたっとはまったように、とってもたのしいですよ!

そして何より、笑顔を見られるのが何より幸せです。


お母さんを支え、環境をととのえ、
みんなが笑顔になれる道を探していきましょう(*^^*)

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