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星屑224 しあげばなし

2021年5月18日
2024年2月25日 加筆修正

 異例の速さの梅雨入りだそうで、ここ数年「異例」「例年より速い」「雨の強さが類を見ない」の文字がオンパレードしていて、若干麻痺しています。そのうち初夏という概念がなくなって雨季になるんじゃないのか。いい加減、雨との付き合い方を考えないといけません。
 遅らせに遅らせていた冊子版星屑の入稿がおわり、今は納品を待つだけになりました。届いてから製本を始めるので発売はもう少しあとだけれど、形が見えてきて嬉しい。私にとっては順調に進めていたつもりだったのに、第一弾を制作した二〇一七年から四年も経ってしまいました。今回も購入者にはおまけをつけるつもりで、制作のこぼれ話なんかはおまけに書こうかしらと考えています。
 もうひとつ、突発的に作った本(ZINEにちかい)もあります。これは私が主にインスタグラムにあげている風景写真をカテゴリー別に整理したもので、たとえば「四角にみえるもの」「壁」「階段」など。第一弾として「四角」バージョンを制作しました。これも入稿して、仕上がりを待つのみなので楽しみにしています。こちらも星屑と同じタイミングで販売する予定です。去年すとんと抜け落ちていた制作への意欲が少しずつ復活していて、ちょっと嬉しい。
 二〇二〇年はいつもより時間がたくさん作れたはずなのに、そえがきの仕事は激減し、個人制作もあまりせず、ただベッドの上でぼーっとして過ごしていたような記憶が多いです。未曾有のウイルスで満足に遠出もできず、遊びにも行けず、いつも一緒にいてくれる人たちは仕事が忙しかったり、生活がすれ違って、ご時世的に飲みにも行けないのでなかなか誘えませんでした。手帳を持ち始めてから初めての勢いでスケジュールがなくなり、バツ印と空白が目立つ月がほとんど。いつも飲み会で集合していた時間にお店が閉まり、たまに誰かと遊んだりしても前後の時間はなんとなく暗い感情につきまとわれています。息抜きと称してひとりで少し遠い場所に行っても、罪悪感で思うように楽しめず、人目を気にして最低限の予定で終わらせたり。なにか制作しようかなと思っても、何をすればいいかわからなくなって結局何もしないまま。あの一年はなんだったのでしょう。俗に言う「コロナうつ」にちかい状態だったのでしょうか。今も休みのたびに少しづつ落ち込んでいる気がしてあぶない気もします。
 とにもかくにも、じわじわ外に意識を向けられるようになってきて、内心ほっとしている。星屑も更新が遅いのでそろそろ更新頻度を増やして、少しずつリハビリしていこうかと思っています。
 私たちの平凡はどこにいってしまったのだろう。

自費出版・完全手製本で冊子版星屑を制作しています。第三弾の制作費のサポートよろしければお願いします!