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仕事と育児。新規事業に向き合う中、考え方を変えて少し楽になった話

2023年ももう終わり!今年は色々あったので振り返りっておきたいなーと思い、1年ぶりに記事を書いてみました。

メンタルが自分史上最悪な状態と子供の病気を通して、仕事と育児に健全に向き合うために、考え方を少し変えることができたよ、というような話です。

  • 仕事も育児も「全部ちゃんと」なんてできないこと

  • 自分は、何ができていないと不幸せなのか

  • 自分に優しくなることの大事さ

こんなことに気づいて、産後3年、やっと少しラクになった気がします。自分に厳しい人や、生きづらいと感じてる人、仕事と育児の両立に辛さや苛立ちを感じている人などに、何かの参考になれたら嬉しいな、とも思います。



(※最初は仕事の話が続きます)

2023年はどんな一年だった?

入社してから1年半、新規事業に丸っと関わり続けた1年間。仕事がどうというより、「自分の考え方に苦しめられていた」1年だったなぁ、と思う。

新規事業だからよりそうだった、という側面はあるかもしれない。が、今回は新規事業のアレコレではなく、自分の考え方の変化にフォーカスして書いていきたいなと思う。

2023上期|充実

事業のピボット1回目

2023年の幕開けは新規事業のα版社内リリースに向けた開発。その頃はPjM(兼デザイナー)として、割と純粋に開発に向き合っていた。
その後、事業戦略からターゲットの転換と、社内リリース後のフィードバックを通し方針を大きく転換。価値定義から再スタートした。

これまで作っていたものは、自分が途中から入ったものだったこともあり一定決まっていた部分も多かった。再スタートするものは「純粋にゼロから自分が関われる」というところで少し舞い上がっていたところもあったと思う。

「自分がここを再スタートさせるんだ!」と目を輝かせ、率先して言語化の叩きを作り、価値についてチームで議論しまくっていた。

うまくやれていたかは別として、今思えばその頃から事業に対する責任感が増し、事業が自分のアイデンティティの一部になっていったのだと思う。この頃は楽しさが上回っていたような期間だった。

2023下期|変化

ピボット2回目

仮説に対するインタビューを通し、価値提供の難しさになかなか実現性が見えてこない状況が続いた。
そして8月、さらに事業がピボット。次のピボットには経営戦略から降りてきた方針が強く入っていた。

「降りてきた」とはいえ、これまでのインタビュー結果やチーム議論を踏まえて見直しの必要性はあったし、「それならいけそうだ!!」と思えるようなナイスな方針だった。

ただ、「頭」ではそう理解しても「気持ち」がついていっていなかったように思う。そこから徐々に自分で自分を追い込んでいった。背景にはこんな認知の歪みがあったように思う。

  • 「自分が」そこに気づく「べき」だった

  • 気づけなかったので「きっと」こいつは「使えないと思われている」

  • 自分のやってきたことが「否定された」

  • だから自分は事業リードとして「失格」だ

そこからはもう雪だるま式に増幅し、自分がやること全てが「間違っているのではないか」と怖くなり、自分の経験や知識の無さを責める毎日が続いた。

残業しても巻き返せない

元々「とりあえずやってみよう」精神の人間なので、とりあえず動いたものの…残業して何かを作っても、やってみても、一向にうまくいかない。

2023年前半の頃もそんなもんだったし、今考えると新規事業としては普通のことだったのかもしれない。
フラットに考えられればよかったんだろうけど、元の価値が変に自分のアイデンティティの一部になってしまった分、より強く自責や辛い感情が湧いていった。

さらに、私の場合は育児があるので残業するのはほぼ深夜。寝る時間を削り、それも悪循環を引き起こす要因のひとつになった。

家庭・育児への影響

焦りが常にあり、子供との時間を純粋に楽しめないことが出始めていた。

チームには新規事業をいくつも経験してきたエンジニアや、新規事業はもちろん様々な領域で深い経験があり、事業領域のドメインに強い事業長がいる。そんな、本来は心強く頼れる仲間のはずが、自分を追い込む要素になってしまった。

チーム内では、事業リードである私一人だけ子供がいたため、(理解はもちろんあるものの)肩身を狭く感じてしまう側面もあった。加えて、そんな頼れる仲間と比較して新規事業にもドメインにも経験・知識が乏しいこと(前職ではデザインマネジャーだった)などから、力不足を強く感じ、悲しさや辛さといった感情が募った。

「子供がいなかったら…」とか、ずっと望んでいた子供がいる生活に対し、そんなことを思ってしまう自分や状況がめちゃくちゃ嫌だった。

でも追いつくためにビジネスを学ぶにはそれなりの時間・気合いが必要だ。学ぶべきことを考えれば考えるほど追い詰められる。「役割を全うするために子供やプライベートの時間も犠牲にして頑張るべきでは」⇆「でも私は仕事も育児も楽しみたい」の間で、モヤモヤとした感情で仕事も育児も覆い尽くされていった。

それでも日常は続くので、育児と残業のダブルパンチでじりじりと追い詰められ、時間が解決するだろうという期待も虚しく、心身ともに限界を迎えつつあった。休職しないとこれは持たんかもな…と自覚し始めた矢先…。

そんなとき子供がアデノウイルスに!

その翌日というすごいタイミングで子供が発熱し、夫が仕事を休めない状況だったので突如1週間以上私が休むことになった。

アデノウイルスの特徴を知らなかったので、初診では診断がつかず、にも関わらず5日間毎日40度出続ける子供を見て不安で不安で仕方なかった。

会社に迷惑かけつつも目の前しんどそうな子供を見て、そこで「もう全部取るのは諦めよう」と思えたことが、とても自分をラクにしてくれた。

病気と闘う子供と過ごし、自分を見つめ直した1週間

これまでは育児も仕事も、「全部、ちゃんと、やらないと」(でも何もうまくいかない、辛い、逃げたい)みたいな考え方だった。でもこのときに「今、自分の人生で最も大事なのは子供(家族)だ」ということをしっかりと認識できたのが良かったと思う。

仕事に対して責任を持つ・楽しむ・誠意を持つといったことは大前提としても、無茶して応えようとしたり、必要以上に自分を責めること、気にしすぎることはやめようと思えた、という感じだ。

育児とキャリア

子供ができる前、自分は仕事に対してやりたいことを貪欲にチャレンジして楽しんでいたと思う。だけどライフステージの変わった今は、それだけじゃなく優先順位の上位に「子供」が入ってきた。

自分を追い込み過ぎれば育児に影響が出る。そうすると自分のバランスが狂って悪循環に陥る。そうなるくらいなら、社内で相談・調整して役割を緩める方向に向かうことも、自分のキャリアの選択肢として別に間違ってもいない気がする。

これまでは会社の期待に対してなんとか応えたいと思っていた。それが楽しいとも思っていたけど、プライベートや家族を犠牲にまでしたくない。

自分の不調を通じて、仕事だけを中心に考えるのではなく、「人生」という単位で自分は何を大事にしてキャリアを積みたいのか、自分がどう働きたいのかという視点で、持続可能なキャリアの設計ができていることが、きっと大事なんだろうなと思った。

※【余談】現代におけるキャリア観の変化

これは振り返りというより余談だけど、ここで自分が実感をもって変化したキャリアに対する考え方は、MIMIGURIが掲げている「軍事的世界観から冒険的世界観へ」というスローガンの中で語られる「キャリア観の変化」にも通じている気がする。
もし気になった方には是非以下の記事も読んでみてほしい。

個人のキャリア観は、自分を押し込めて会社に隷属する「会社中心のキャリア観」から、自分の衝動と才能を活かして自己実現を探究する「人生中心のキャリア観」にシフトしています。

https://note.com/yuki_anzai/n/nc8f8ac0084bd#8aa27393-cc5b-43e3-bbd2-b3bdf018e660

人生でほんの一瞬、貴重な乳幼児期

子供が最近3歳になって、だんだんコミュニケーションが取れるようになって言うこともそこそこ(以前と比較してだけど)聞くようになった。イヤイヤのパターンも充実してきているけども(笑)
それで「ああ、今ってめちゃくちゃ貴重な3年だったんだなぁ」と最近痛感している。

子供の成長は目覚ましい。
マジで小さい頃は1週間単位で変わる。今もすごい勢いで毎日新しい表現をしたり、喋ったりと、面白さしかない。ただ、それもきっとあともう少し…(今思えば2歳までにもっと色んなことをさせてみたかった)

なのでこれから、とりあえずオムツが完全に取れるくらいまでは、「自分が子供と心から楽しく過ごせている状態かどうか」を最優事項として、健全な状態で日々を送りたい。

そうやって思うことが、責任や他者からの期待・評価等を気にしすぎる自分にはすごく難しかった。
でも、そうすることが逆に仕事にも健全に向き合い持続的に成長できることとつながる気がしている。

仕事との向き合い方

新規事業はやることが無限にあって不確実性も可能性も多い。やればやるだけ見えてくるし、やらないと見えてこない。予算や経営戦略など期限もあり、スピーディーに物量をこなす必要もある。

やれることはやっていきたいが、不確実なことの多い新規事業では特に「気にしすぎない」という態度も重要なんだろうと思う。正直難しいことばかりだけど、自分の向き合い方を意識して、前向きになれている状態(持続性がある状態)を維持したいと思う。

最後に

子供がいても精力的に働いて仕事を楽しんでる人、意欲的な人は沢山いる。それはとても凄いことだと思う。でも「私はそうできないからダメなんだ」という見方じゃなくて、「人生において大事にしたいことが違う」と、そんな感じに軽く捉えたい。

目を離せばすぐ危険な状況になるような、小さな子供を育てるには楽しいことだけじゃなくとんでもないパワーもいるし疲弊する。そこに仕事を加えるなら、どんなにパワフルな人でも、自分がやること・やらないこと・諦めることを決めて周りも頼らないと続かないはずだ。

育児でも仕事でもなんでも、自分と価値観の違う人に対して自分が卑屈になる必要もないし、相手の価値観や考えを否定する必要もない。ただ「そういう考えなのね」でまずは良いんだと思う。
仕事でも、以前自分がピボットで感じていた「自分を否定された」なんていちいち思う必要もないし、人からどう見られているかは関係なく、自分が幸せな状態を自分で作りながら、事業にとって良いと思うこと・やれることを、無理なく一つ一つやっていけば良い。(まぁそれが難しいんだけども!)

まだまだ認知に癖が出たりしんどくなることもまぁまぁあるけど、以前より多少は緩く生きられるようになった気がする。2024年も「子育てを楽しめているかどうか」を自分の健康指標にして頑張っていきたい!


ということで、振り返り記事でした。
ここまで読んでいただいた方、ありがとうございました!

2023年は自分にとってもターニングポイントになる時期だった気がします。
今はメンタル回復して少しずつ認知行動療法もゆっくり始めていってるので、そういう話もかけるといいな。不機嫌なときもうまくいかないときも多々あるけど、生きてればそういうこともあるよねーくらいの気持ちでやってこう。

みなさま良いお年を〜!

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