この世界に、突如、「ダンジョン」というファンタジーな存在が現れてから、数十年がたつ。その「ダンジョン」は一般人や、並の兵器を使ってでも、攻略など到底できない。そのため、人類は、「ダンジョン」のモンスターに対抗するため、進化した。進化したものは、その「ダンジョン」を唯一攻略できるヒーローのような「覚醒者」になれる。その「覚醒者」になるには、モンスターを倒す、夢でモンスターを倒す、朝目覚めれば急になっているなどの、さまざまななり方がある。そして、「覚醒者」には「レベル」、「ステータス」、「スキル」が与えられた。「覚醒者」は、「ダンジョン」が現れた当時には、五人しかいなかった。だが、今は子供でも「覚醒者」になっている。今ではダンジョン配信という、「ダンジョン」を攻略配信しているものもいる。ちょうど今、無名のダンジョン配信者が、配信をしている。







「はぁ。今日も同接0人かー。」
「深層99層」で「一般人」の野鳥曙谷は、「原初迷宮：生きる焔　SSS」に来ていた。配信中の野高は少し割れたスマホの画面を見た。

・同接　17
・登録者　4
・コメント　18
・スパチャ　０円

コメント
・ww。深層なんて嘘っしょ。
・絶対嘘だろ。深層なんてAランク冒険者でも無理だぞ。
・しかもお前一般人だろ。瞬殺されるぞ。
・転移陣でも踏んだんなら有り得るけど。
・ZAMAA！！
・クァzwsぇdcrfvtgbyhぬjみこlp
・🖕
・しかもSSSランクの扉じゃん。Gランクの扉ならまだ希望あったけど
・あちゃー。こりゃ4んだな。
・垢BANされるぞ。
・お前は既に4んでいる。
・ん？こいつ剣出した？
・無駄無駄無駄無駄！
・貧弱ゥ！貧弱ゥ！
・深層出た瞬間♪終わったわ♪
・こいつ「あぎゃー」
深層モンスター「雑魚！足元にも及ばんわ！」
・垢BAN確定。
・大丈夫？

いろいろと自信をなくすようなコメントがある中で、嬉しいコメントがきた。優しい人もいるんだ。この人の応援を無駄にしないために自分の「スキル」を使った。

・は？こいつ一般人なのに「スキル」あんの？
・おい！こいつ「純人」だぞ！
・＜5，0000＞盛　り　あ　が　っ　て　き　ま　し　た　

そう。俺は「覚醒者」同士の子、「純人」なのだ。普通にいると思われるが、なかなかいないのだ。しかも、珍しいダブルスキル持ちなのだ。そのスキルは、雑用にしか使えないと言われる、生活魔法と、魔法系が有れば、最強格と言われる、魔剣士だ。この二つのスキルを組み合わせれば、果たしてどうなるのであろうか？




十分後。曙谷は深層モンスター、ブラッディゴーレムと対峙していた。手に持つ剣には、爛々と「生活魔法：加熱」の火炎が輝いていた。無意味な行動にさまざまなコメントが出てくる。

・馬鹿やん。ゴーレムに炎は効かないぞ。
・いや。アイツなりに考えがあるのかも。
・ツァーリ・ボンバでも持ってこない限り、倒せないぞ。

まあ、そう思うだろう。だけど、この魔法は、焼けるものなら、なんでも燃やせる。魔剣士と相性がとても良いのだ。ツァーリ・ボンバなんか屁も同然だ。しかもこの魔法のすごいところは、概念的に燃やせることだ。焼けないのであれば、概念ごと燃やせばいい。

・概念ごと燃やす？何言ってんの？
・「概念ごと燃やせばいい（眼鏡クイッ）」
・チートやん

概念とは、そこに存在しているだけ。簡単に表せば、「概念」ー「概念」＝「無」と言うことだ。逆に「無」＋「概念」＝「概念」になる。ただ概念を燃やすだけでは視聴者のみんなは満足できない。「加熱」を剣から解除し、第六感を研ぎ澄ませた。アイツのステータスは？
bbbbbbbbbb ーーーーーーーーーー dddddddddd
name bloody ogre
レベル　92
筋力　　SS
敏捷性　C
物理攻　SS
物理防　A
魔攻　　D
魔防　　A
生命力　A
スキル　金棒術　体力馬鹿
bbbbbbbbbbーーーーーーーーーーdddddddddd
さすが深層のモンスターだ。だけど、俺のステータスにはかなってないな。
bbbbbbbbbbーーーーーーーーーーdddddddddd
name  ouroboros
レベル　無限
筋力　　無限
敏捷性　無限
物理攻　無限
物理防　無限
魔攻　　無限
魔防　　無限
生命力　無限
スキル　ウロボロスの輪　生活魔法　魔剣士
bbbbbbbbbbーーーーーーーーーーdddddddddd



・は？最強やん。
・ウロボロスって、「無限」を司る神じゃん。
・だからあんなに強かったのか。
・なんでそんな奴が配信なんかしてんの？
・＜5，0000＞無限にスパチャしなきゃ。
・＜5，0000＞やるぞ！
・＜5，0000＞最高金額です！
・純人＋ウロボロス＝最強
・こりゃあブラッディオーガの方が瞬殺されるわ。
・純人に会った瞬間♪終わったわ♪
・おかしいな。強いはずのブラッディオーガが雑魚に見えてきたぞ。
・奇遇だな。俺もだよ。
・ブラッディオーガについて。
Aランク冒険者でさえ瞬殺されるほどの強さ。赤黒い見た目をしている。スピードがCランクと遅いので、スピードBランク以上の人ならいけるかも。
・ありがとう。俺スピードBランクです。
・《7，5000》仕方がない。赤スパしてやる。
・ウロボロス「タメ口聞いたやつ○す」
・スライムよりお口が悪い
・いやいや。そもそもスライムに口ある？
・ルビースライムにならある。
・ルビースライムはSランクです。
・スライムなのにお強い。
・今の会話がしりとりになってない？
・お前もな！
・せっかく良いとこまで来てたのに！しりとり妨害罪として逮捕する！
・んなのあってたまるか！
・《8，8888》無限を表す数字です。ウロスさんに合うと思います。
・勝手にあだ名つけられとる。
・ウ・ロ・ス！ウ・ロ・ス！
・U・R・S！U・R・S！
・URSはソビエト連邦のICCの国名コードです。

お。ブラッディオーガが動き出したぞ。ウロボロスの輪の力を見せるか。

ウロボロスの輪
merit  ステータス無限。スキルも無限に習得できる。
demerit  無し

「スキル習得：デバフ」
（スキル習得。「デバフ」を獲得しました。使用しますか？yes/no）
「イエェス」
（デバフ対象を確認。デバフ「石化」がかかりました。）
そう頭の中に声が響いた瞬間、ブラッディオーガが石になった。