人間はAIに勝てるのか?
以前、こんな短編小説を書いたことがあります。
内容はAIが進化した近未来。人間は労働すべてをAIにゆだね、働くという行為を放棄していた。
働くことに存在意義を見出していた主人公は、他の人間達のように遊び呆けることができず、鬱々とした日々を過ごしていた。
すると、ひょんなことから『ロボット磨き』という仕事を始める。
要は金庫を磨くように、金属製のロボットを磨くみたいなことですね。
子供の頃読んでいた星新一のショートショートで、金庫を磨くことが趣味だという男が登場していたんですが、それをヒントに思いついたアイデアです。
物語の中盤で、主人公があるテレビ番組の企画に参加する。
それは人間とAIが対決するという企画。人間にもAIに勝る部分があるのかを検証するというのだ。
迷った末、主人公はその番組に出場するのだが……。
という感じの短編なんですが、これを書いたのが八年前ぐらいですかね。
するとつい先日、雑誌のSPA!の編集者から、こんな提案をされました。
「『人間VSAI』という企画があるんですが、浜口さんに、AIと小説対決をしていただきたいんですが?」
話題のAI・ChatGPTが書いた小説と、僕が書いた小説のどちらが面白いかを、書評家にジャッジしてもらうという内容だ。
マジか……。
まさか自分が書いた小説でのできごとを、自分が現実で持ちかけられるとは思っていなかったです。
これは負けるわけにはいかん、とその挑戦状を受け取りました。
オーダーは500字以内ということなので、かなりの短さです。テーマの『殺し屋』は、僕が決めさせてもらいました。
勝敗の結果は紙面でご確認していただきたいんですが、思った以上にAI小説のできがよかったです。
そういえばAI小説が小説の賞に入選したりもしていますし、AIがプロの作家以上の面白い小説を書く未来は間近に迫ってますね。
少しでも負けないように、いいものを作らないとダメですね。
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