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「願立剣術物語」を読んでみました。

原文

敵と味方の間大河にたとえり。
この河を越す事舟なくてはかなわず。
舟はこの兵法の道なり。
舟の自由は櫂の左右へ動くゆえぞ。
教えの道一つ二三四五つと行くは櫂の動くごとし。
向こうへ行かんためなり。
少しも滞ることなく浪の動きに連れて舟の随うに似たり。
水をはなれては自由ならず。
水は心なり。
舟は體なり。
櫂は手足なり。

解釈

敵と我の間を大河にたとえよう。
この河を渡るには船が必要だ。
舟は、武術の技だ。
舟が自在に動くのは櫂が左右に動くからだ。
習った技が次から次へと出るのは櫂が左右に動くようだ。
敵との間合いをつめて打ち取るためである。
少しも滞ることなく浪の動きに乗って舟を操るのに似ている。
水を放れては自由に動けない。
水は心である。
舟は体である。
櫂は手足である。

コメント  

心は自然現象であり、体も手足も技もこれに乗らなければ、技にならない。

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