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豪華な6人によるアンソロジー『時ひらく』

もうね、本屋さんで表紙を見た途端、なぜ?とクエスチョンマーク。
だって三越の包装紙を彷彿とさせるんですもの。
そしたら、やはり三越創業350周年を記念した本なのでした。

思わず即買いしてしまいました。
デパートアンソロジー。
6人の作家さんが、三越を舞台に短編を書いたものです。

辻村美月さん
伊坂幸太郎さん
阿川佐和子さん
恩田陸さん
柚木麻子さん
東野圭吾さん
なんと豪華な顔ぶれでしょう!

心揺さぶられるんですね、これがまた。
大好きな柚木麻子さんのは、なぜか涙がでてしまうし。
伊坂幸太郎さんのは、仙台三越が舞台。
東野圭吾さんは、久々の湯川教授登場、三越が出てくるのはおお!ここで?
そして事件解決のカギを握ります。

三越といえば、ライオンの銅像。
これがまた、使われていて。都市伝説も織り込まれていたり、日本橋三越の天女が登場したり。

日本橋三越の天女像

デパートは、家族の変遷を見守る場所でもあるので、家族の話も。
それぞれが、三越を舞台とした上質な短編でした。
読んでよかったです。

日本橋三越が舞台というものが多かったので、私自身は三越というと銀座なのですけれども。

三越もインバウンド向けのフロアが主になったときに、足が遠のいてしまったのも事実。もう三越カードも使わなくなってしまったし。
ですが、三越食堂でお子様洋食を子どもが食べたときの、あのキラキラした目や会社員だったときに毎日のように立ち寄ったあの時間、やはり私にとっても忘れ難い場所の一つです。

三越になじみ深い人も、そうでない人も楽しめる本だと思います。

日本橋三越の天井



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