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高千穂はどこだったのだろうか

二つの高千穂

天孫降臨の地とされている高千穂は、宮崎県高千穂町と鹿児島県霧島市の高千穂峰の二つの候補地がある。
高千穂町には高千穂神社、天岩戸神社および天安河原があり、高千穂神社の御祭神は
高千穂皇神(たかちほすめがみ)、すなわち瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)・木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)、彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)・豊玉姫命(とよたまひめのみこと)、鵜鵝草葦不合尊(うがやふきあえずのみこと)・玉依姫命(たまよりひめのみこと)と日向三代オールスターキャストだ。

以前に高千穂町から宮崎市、日南市一帯に点在する神武天皇までの神話の地を書いた。今回は霧島高千穂を書きたい。

霧島神宮

高千穂峰の山頂には天の逆鉾が突き立っている。その高千穂峰のふもとにあるのが霧島神宮寺である。

霧島神宮

霧島神宮は瓊瓊杵尊を祭る神社だ。天孫降臨の地を表現したかったのであろう。もともとはもっと山のほうにあった10世紀から続く神社であるが、現在の社殿は18世紀に島津により建てられたものだそうだ。国宝でもある。

霧島神宮から高屋山上陵へ

霧島神宮から鹿児島空港へは30kmほどで、途中に霧島温泉丸尾と丸尾滝がある。それを過ぎると駅舎で有名な嘉例川駅だ。

嘉例川駅

大正9年に皇太子であった昭和天皇が東郷平八郎とともにこの駅から高屋山上陵へ参拝された歴史のある肥薩線の無人駅である。

嘉例川駅

開業が明治38年なので100年を越える歴史を持つ。ここから高屋山上陵は歩いて50分ほどだ。

高屋山上陵

山幸彦としても知られる火遠理命の御陵である。明治に治定された。

高屋山上陵

明治5年には明治天皇、昭和37年に現在の上皇陛下、昭和47年には昭和天皇が参拝された。宮内庁が管理している。

高千穂の場所を検討する

ここで二つの高千穂と神話にまつわる神社を距離で比較してみたい。
霧島神宮から高屋山上陵までは約30km、青島神社までは約80km、鵜戸神社までは100kmいかないくらいだ。一方、高千穂神社から青島神社までは150kmいかないくらいで、鵜戸神社は170kmいかない程度である。すなわち、霧島神宮のほうが神話にでてくる場所に近いのである。これは高千穂峰のほうが関連性が高いと見てよいのではないだろうか。交通手段が徒歩や馬程度しかなかった時代、距離が短いところにあった確率が高いと見るのが自然だと筆者は考える。鹿児島に軍配をあげよう。

さて鹿児島といったら桜島である。

桜島

古代の日本人も桜島をみていたのだと思うと2000年以上の歴史を持つわが国は世界に類をみない国であることを改めて感じる。
(Feb/2024)



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