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【イタリア発!】子ども達を通して経験したイタリアの学校教育から「働き方」への向き合い方が見えてきた?!

我が家にはクレモナで生まれ育っている3人の子どもたちがいます。新年度が始まった2023年9月からは3人それぞれが各ステージに在籍中です。

長女(19歳)…大学1年生
次女(17歳)…高校3年生
長男(13歳)…中学3年生
(2023年現在)

これから話すことは、子どもたちの成長と共にママであるわたしが行き当たりばったりで経験した記録です、リアル体験談。

もうね、いつも分からないこと100%からのスタートです。23年イタリアに住んでいますが、言葉が全て理解できるわけではありません。そして、システムが分からないと何をやるにもインプットは白紙からなんですよね。分からないことだらけです。だからこそ、分からない時は聞きまくる。その場で分かったフリをすると後で自分も困るし、周りに迷惑をかけてしまうから。

保護者友だちや先生方に本当に助けられています。ありがたいです。

ということで、この体験談が「へー、知らなかった!」「日本と違うね!」って楽しんでいただけたり、教育機関や広く教育サービスに携わるお仕事をされている方の思考のヒントになればうれしいです。

どちらがいいとか悪いという話ではありません。国が変われば教育制度も違います。

それでは、歴史も文化も日本とは違うイタリアの教育制度、我が家の子供たちが通う公立学校の例を一緒に見ていきましょう。


小学校の就学年齢は6歳!

小学校…5年制、6〜10歳
中学校…3年制、11〜13歳
高校…5年制、14〜18歳

イタリアでは9月に新学期が始まり、翌年の6月で学年が終了します。生まれ年で一学年が作られるので、例えば長女の場合、2004年1月1日〜12月31日生まれの子が同学年になります。日本で言う"早生まれ"翌年2005年の1〜4月生まれの子は申請すると1年早く小学校に入学することができるので、5歳の子がクラスに1、2人はいる感じです。

「5、6歳で小学校入学、6年生は存在しない?!10歳で卒業なの?!」はかなり驚きでした。

中学校で卒業試験があるの?!

3年間通うところは日本と同じです。ところが、決定的な違いが2つあって。

1、成績と出席日数により落第する
2、卒業試験がある

クラスに数人は落第した子がいて、2回落第している子もいたりするので、1クラスに2~3歳違いの子どもたちが混在しています。

例えば、長女の元同級生と次女が一緒のクラスになったこともありました。

そして、最後の難関は卒業試験です。
不合格になると中3をもう一度やることになるので、最後まで気は抜けません。

卒業試験の詳しいお話はまたの機会にしますが試験は2種類。13歳で経験する中学の卒業試験、なかなか本格的です。

1、主要科目の筆記試験
2、パワーポイントで論文をまとめて、校長先生と全教科の先生の前でプレゼン

高校は入学試験なし?!13歳で進路は決める

日本との決定的な違いは、「受験」がないことです。

「いいなぁ!じゃあ、行きたい高校に申し込めば行けちゃうの?」

そうなんです。行けちゃうんです。

とは言え、各学校にレベルがあって。入学は簡単ですが、進級と卒業はめっちゃ大変。

自分の学力レベルに合わない学校に入ると、授業についていけず、落第するか学校を変えるという選択肢になってきます。

受験がないので、「入学してみたけれど合わない」という場合は、手続きを踏めば転校は比較的簡単にできます。

両親の意向でトップクラスの高校に進学したけれど、学校生活も楽しくないし、授業にもついていけないし…という悩みを抱えてしまう子も多いようです。

高校生活は5年間です、長いですよね。高校は学業も遊びも大いに謳歌できる場所であってほしいとママは思っています。

私自身、自分で決めた行きたい都立高校に進学しました。3年間本当によく学びよく遊び、めちゃくちゃいい思い出しかないんですよね。今でも仲が良かったグループの子たちとはつながっていたりします。

我が家には中3の息子がいて、この時期は高校進学に向けた学校説明会やOpenday、授業体験などが盛んに行われています。

ちょうど週末開催された、"Salone Studenti" に行ってきました。クレモナの高校がブースを出していて、先生と在学生がカリキュラムや特徴を説明してくれるという企画です。

会場は息子が通う中学校の廊下
後ろ姿の息子、真剣に聞いています

大きく分類すると高校は2種類、「職業訓練高校」と「進学校」という選択肢から選ぶ

「高校卒業後はすぐ働きたい?それとも大学に進学したい?どうしたい、あなたはどっち?」

中3になって考え始めなければならない問いです。

13歳で決めるのは難しいですよね。もちろん、転校が比較的簡単にできるので、入学してから進路を変更したくなり、学校を変えるという選択肢もあります。

Istituto…日本語で説明すると職業訓練高校
学校ごとに美容師、調理師、楽器製作家、プログラマー、ホテルマン、測量士などに特化されていて卒業後、すぐ仕事に就けるスキルを身につけることを目的としています。

Liceo…高等学校、進学校
理系、文系、語学系、美術系、音楽系などに分かれています。
基本的には大学に進学しようと考えている人たちが選ぶ傾向にあります。

とは言え、職業訓練高校卒業後に大学に進学する人もいますし、高等学校卒業後に働き始める人もいます。

おもしろいなーと思うのは、文系の高校を卒業して大学は医学部に進学する人が多いことです。

逆もあって、高校で文系に行ったからといって、大学も文系に進むとは限りません。

我が家の例で言うと、長女は語学系高等学校のフランス語、スペイン語コースに進学しました。卒業試験を通過するとフランスの高校卒業資格も受理されるというコースです。英語、イタリア語、日本語を加えて5ヶ国語を使いこなします。この時点で、もはや自分の子とは思えない、どこか違う世界の人みたいって思ってしまうママです、笑。

語学めっちゃ大好き女子の長女は高3の時にふと思ったんだそうです。「働くことを考えたら、学ぶべきものは数学だ」って。

大学は入試がありますので、語学系の必修科目が多い中、独学で数学と物理の勉強をして見事希望の大学の数学学科に入学しました。

9月から大学のある町で寮生活をしています、クレモナの倍の規模の町。
寮には約800人の学生が住んでいるそうです。

大学の話も詳しくはまたの機会に。

どのタイミングで「将来の働き方」と向き合うの?

イタリアの学校教育を受けて育っている我が家の3人の子どもたちと、日本で育った私には決定的な違いがあることに気づきました。

イタリアでは、「将来は何になりたい?」って子どもに聞いたり、作文で書かせるということがないんです。

日本で育った私は小学生の頃、作文や学級通信、学級新聞などで、「将来の夢」や「将来なりたい職業」を書いた記憶があります。

ちなみに私がなりたかったのは、「ファッションデザイナー」「ピアニスト」「幼稚園の先生」です。

今までの人生において専門的に学んだり、仕事になったこともあるし、ずっと好きなことではあります。

さて、我が家の子どもたちにも時々、「将来は何になりたいとかある?」って聞いてみたりしましたが、「これ!」という職業の名前を言われたことないんですよね。

あ、ひとつ思い出しました。長女が7歳の時に「エミレーツ航空のCAさんになりたい!」って言っていました。ドバイ経由でパパと日本に行って帰って来た時のことです。

なりたい職業から逆算して学校を選ぶという考え方より、むしろ未来に向かって進んでいく、生きていく中でその時に興味や感心の強いこと、ワクワクすることを選択して仕事になっていくのかもしれません。

今を大事に生きる、イタリアっぽいな。

そう考えると、「小さい頃から"体験の引き出し"をいかに増やしてあげられるか」が親とし子どもにしてあげられる大事なことのひとつ
だな、と感じています。

(つづく)

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おまけ! 2023年の振り返りをちょっとだけご紹介します。

私は”会いたい人に会いに行く”活動家です。
うれしいご縁に恵まれて、活動の場が広がり続けています。

活動の記録はInstagramで発信中。気になる方はのぞいてみてください。フォローも大歓迎です!

#会いたい人に会いに行く
#行きたい場所に行く

内発的動機付け(=ワクワク)により「会いたい人」に会うことができている2023年の活動を引き続き少しずつ振り返って、マガジンにもまとめていきたいと思います。

最近思うことは、「この2つのことに向かっていれば、間違いない」ってこと。

自分の内側から沸き起こる「〇〇したい!」がいい未来につながっていく感覚です。

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準レギュラーを務めるビジネス系Podcast 「働き方ラジオ」がライフワークです!と大きな声で公言しています

ビジネス系Podcast 

様々なPodcast番組を聞くのが大好きで、特にビジネス系Podcast 「働き方ラジオ」は3年聞き続けている間に何度かゲスト出演させていただきまして。気づいたら準レギュラーになっていました。番組のプロデュースにも参画中。

ゲストをお迎えする回では、対談前の「働き方ラジオの控え室」にてミニトークで出演しています。

ではここで、今週の新着をご紹介します!マレーシア在住、ふぁん・じゃぱん代表の五木田貴浩さんゲスト回です。

『#138-1 マレーシアはハラル市場へのゲートウェイ。国を越えたファン作りは相互理解から』

こちらからどうぞ!▼

世界の方々に日本のファンになっていただくことを目指し、約10年マレーシアを拠点に世界でビジネスをしてきたTAKA さんが、「ファン作り」を今どう捉えているのか伺いました。

「働き方ラジオ」解説より

最近の活動の様子をパーソナリティと2人でざっくばらんに話している回はこちら▼

関係性作りの天才リサさんに、人と繋がり、仲間になっていくための秘訣を聞きました。バイブルである書籍「サードドア」の話も出てきます。

「働き方ラジオ」解説より

リサさんが温度の伝わる文章を書ける秘訣は、小さい頃から続けていた「文通」でした。営業に必要な提案力についても話しました。

「働き方ラジオ」解説より

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