飲食店の2店舗目を出したときの失敗の経験をシェアします
シェアするなら普通は成功の秘訣だろ?と思われるかもしれません。でも、失敗ほど学べるものはないんですよ。というのも、
成功したことって、幾つもの原因が重なっていたり、いろんな要素がある場合が多いです。だから何がよくて、その結果になったのか?って憶測でしかないんですよね。あと、その人の性格や、得意なことも違うと全然話が変わってきたりしますから。
だから、例えば僕の成功体験が、今読んでくれているあなたにとってそのまま同じ結果になるか?といったら一概には言えないと思うんですよ。
でも失敗はデータとして、このケースでこの状況でやったら失敗しましたという。確実な情報なんですよ。だから参考になると思って書いています。僕はこの2号店を出して失敗したということから、多くのことを学びました。今思うと失敗してよかったなと思います。でもそう思えるまでには、時間がかかりました。実際、現実的な問題としては、大きな衝撃でした。
具体的にどういうことがあったか?というと僕は子供が2人いるんですが、今は一緒に住んでいないんです。つまり離婚です。休みの日は子どもと過ごすのを生きがいにしていたくらい子どもが大好きなので、最初は受け入れることができず苦しみました。今日のnotoでは離婚の経緯は割愛しますが、まあ、この2号店失敗は正直、影響ありましたね。あとは、シンプルにお金のダメージは受けますよね。
でも、いろんな意味ですごく成長できました。だからもう終わった今となっては本当よかったと思っています。でもこういう自分の失敗って話すのは、躊躇しそうになるんですが、何かの役に立つんじゃないか?と思い、みてくれている読者さんがお店を出したり、今の仕事の参考になると思いましたので今日はこの話をしていきます。
※このnoteは、「飲食店をアップデート!」ということを使命にして執筆してます。商品、運営、発信の3つの視点から本や心理学の論文、料理の専門雑誌などから信頼性の高い情報を元に飲食店経営に新たな気づきを得られる情報を書いています。飲食の仕事をしている人。もうお店をやっている人。食に関わる全ての人。読んでみて役に立ったらスキお願いします。
今日はジャンルでいうと、「運営」の話です。
というのも、2号店をやってみてまず1番思ったのは、店が1店舗の時と2店舗になった時。何が一番変わるのか?というと「マネジメンの能力」が求められるウエイトがグイッと上がるということ。運営力が問われる比率が跳ね上がる感じがしました。
それに自分の得意不得意のリアルも見えました。僕の経営においての一番の持論は、飲食店の力は、商品、発信、運営この3つの力の掛け算。その総合点。これをずっといい続けているのですが、これって人によって、自分は何が得意で何が苦手とかそれぞれあると思うんですよ。力のパロメータみたいな。よく、ゲームとかキャラの、攻撃力、守備力、スタミナ・・・みたいにグラフにした時、三角の形が変わってくるようなイメージです。それで僕は、この3つの中では、運営力(マネジメント力)が一番苦手だということがわかりました。
はい。それではお待たせしました。僕が、2店舗目を失敗した理由。3つあります。
2号店失敗の理由
1、野望が先行してた
2、順番が逆
3、自分の土俵じゃないとこでやった
順にいきますね。
①「野望が先行してた」
これはシンプルな話です。野心が先行したという話です、というのも僕は弟と店をやっています。それで、2店舗目に挑戦したのは今から約3年前の話なんですが、店始めたのは11年前です。その間の7年とか8年の間、やっぱり次のステップとして、漠然と2号店っていう目標がありました。
だから現状の力、お客さんにどんな満足度を提供したいか?、その地域でどんな役割を果たすのか?という、事業としてのビジョンよりも、
「2号店出す」「俺らは前に進む」「俺たちの人生ガンガン行くぞ」
みたいな気持ちが先行していたんだと思います。どんなお客さんを満足させる?その地域でどんな役割のお店のなのか?よりも、自分たちが2号店をやりたいという気持ちが先行していたんです。つまりそこに食べに来てくれる人の顔が見えてなかった。見てるつもりでも。実際は見えてなかった。これが一番の敗因です。それで自分たちの方ばかり見たいた。そりゃだめだという話なんです、笑、
でもこれ思うんですが、日々仕事していくには、原動力が必要です。だから、自分たちは前に進んでいるんだという実感が欲しかった。気がつくとそこに頼って仕事してた。その中毒になっていた感じですかね。これは気をつけないといけない、と学びましたね。本質はその店は、その地域でどんな役割なのか?どういう人たちに愛されるお店なのか?どんな喜びを提供したいのか?ですからね。
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②「順番が逆だった」**
これは人の話。その店で活躍する人。と、店をだすこと。これは、どっちが先であるべきか?という話です。
僕たちの場合は、まず店を出す。を先にしてしまった。それから、人をどうする?という順番で考えてしまった。結果何が起こったのか?店長をしていた人材が、急にいなくなってしまいました。それでこの状態のまま無理に続けたら、1号店の方の運営もガタガタになるという判断で閉店しました。これつまりは何が言いたいか?といいうと
まず人ありきで、それでその人の活躍する場が足りない。じゃあどうするか?それでは出店をしましょうか。これが正しい順番だということとを学びました。
これは、ちょうど2号店を閉店してまもない頃、カンブリア宮殿で、仙台名物の「厚切りの牛タン、とろろご飯」の「ねぎし」さんを特集してた。東京にも何店舗ももある有名なお店。それで「ねぎし」さんが出店するときのいちばんのルールはまず人。人材が育っていたら初めて出店をするというルールを徹底していると言っていた。それで失敗しない店舗展開をできていると。
その動画の内容と自分の体験とつながって、めっちゃわかりました。深く理解しましたね。
さっきはお客さんのことでしたが、ここは人材の話ですね。自分たちが出したいよりも、今の人材がどういう状況か?それで能力もあって魅力のある人がたくさんいるのに、その人達の活躍の場が足りていない。それから初めて店を出す。この順番でやるべきと学びました。
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③「自分の土俵じゃないところで勝負した」**
これは商品の話です。初めてやることって頭の想像通りいかないことが必ず起こります。やってみて、気づくこと。やってみて、こんなことにぶつかるんだ・・・っていっぱいあるんです。
ただでさえ、2号店を出すというだけで、初めてのことなわけだから、その業態や内容も初めてことをやろうとすると、予測できることの的中率が下がります。
わかっていなすぎると、わかってないこともわからない。つまり、見えてなさすぎると「なんかいける気がしてしまう」んです。ここが怖いところです。心理学用語でこういうのはバイアスと言います。
僕たちでいうと、お恥ずかしい話なんですが、場所も本店は、日進市という郊外の住宅街でやっています。だから郊外なら、どんな感じなのか?はわかるのに。そうなんです。自分の土俵でやればよかったのに、何を血迷ったか、2号店は名古屋の都心部のビジネス街でやりました。
それでしかも業態も、本店は高級パスタ専門店。それで成功しているのに、何を血迷ったか?2号店は新たな業態の、食券制のミートソース専門店をやりました。
つまり、立地も、業態も初の試み。これが最大のリスクだったなぁと、今は思います。でもその時は全くわかってなかった。今思うとなんでミートソース専門店!?って思います。なんで1店舗目の成功事例があるのに新しい業態でやったのか?ここはなんども自問自答しましたね。
それでわかったのが、その理由としては「まぜそばブーム」があったことでした。
「麺屋はなび」さんって聞いたことないですか?「台湾まぜそば」という商品が大ヒットして東京にも進出しています。新名古屋名物とまで言われる。当時の勢いはものすごかった。どの店もパンパンだった。何よりも自分もめちゃ美味しいと思っていた。(はなびさんは、今も絶好調で海外にも進出しています)
とにかくそれを目の当たりにしていて、こんな一つの商品がヒットしてこんな現象を引き起こせるものなんだ興奮していました。
それで、うちはミートソースが核の商品なんですが、自分たちでも、1番独自のノウハウも持っていて、自信もあったので、ビジネスマンの男の人向けで大ヒットを狙う!・・・ってなってしまいました。また野心ですね。野心でやるとろくなことがない、笑
やってみて思うのは、自分がうまいと思ってるのと、商売として、多くの人に支持されるのは全く別の話です。それで、そんな初めてだらけでやってみて気付くことことが山ほどありました。そうすると全てが、後手後手になります。気づいてから対処しようとするので、それから形になるまで時間がかかります。
それでようやくその問題が解決した思ったら、また新たな問題・・・!みたいな。初めてだらけだと、その問題点がでる量が多いんですよ。例えば、いわば、食券制のラーメン業態に近い感じという自体で、気付くこともあります。
食券の配置のことだったり、ランキングを載せた方がわかりやすいとか、その業界では当たり前のことでも、いちいち自分でミスして学ばなきゃいけない。
立地のビジネス街という場所で気づくこともありました。マーケティングはどの方法が有効か?例えばオープンの時の告知です。郊外だと新聞折り込みは、年配層とファミリー層が多いのでまあまあの反応はとれるけど、都心部だと新聞を取っている人自体が圧倒的に少ない。など、まあ色々あります。
やり始めてから、そんなことをしていてはお客さんの満足度はそりゃあ低いですよ。だからあのやり方では長期戦になる。それで、そのスタミナが足りなかった。一言でいうとこれですね。
今思うと、郊外の住宅街で、同じ業態でやった方が2号店はよかった。新しいことをやるならもっとあとでしたね。2号店は自分たちがやっている状況と、なるべく同じ場面で勝負した方が自分たちの知識が生かせるし想定していることや、予測できることの的中率が高いですよね。そうすると先手を打てます。おそらくこういうことになるから、今のうちに準備しておこう、みたいな。
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まとめ**
今回この話をするのは僕的に勇気がいる話でした。でも、最初にも言いましたが失敗から学べることって多いんです。なので今見てくれている人の何か役に立つんじゃないか?と思ったのでお話しました。最後までお付き合いいただきありがとうございます。
今日の話って本質的には心理学でいうバイアスです。バイアスって、思い込みや、偏った考えのことなんですが、
なんでそんな新しいことだらけでもいけると思ってしまったのか?これは人間の本能的な部分。バイアスが働いてしまった。もしあの時、僕にバイアスについての知識があったら、もっと違っていたと思います。
知識って財産ですね。うん。
終わり。
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