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「私が明日死ぬなら」

2024年の年明けは石川県を中心とした北陸地方の大地震で始まった 寒い中、まだ停電している地域もあると聞いたり、瓦礫を避ける重機がたどり着けていないと聞いたりすると、胸が痛みます 寒いと心細さは何倍にも膨れ上がる 1秒でも早く、せめて必要な支援が全ての人に行き渡りますように そんな正月も三が日が過ぎ仕事始めの今朝、何となく(習慣で)開いたTwitterですごいものを見てしまった やばくないか? クリエイターとしての技量、俯瞰的に世界を捉える視点から生まれる、世相の芯を超食

    • 世界の終わり

      私の亡き母は、ビートルズを愛していた、とりわけジョン・レノンを。 幼い頃住んでいた田舎の家の壁は一面レコードで埋めつくされていた。父がオールディーズとフォーク、母がロックとジャズを好んで集めたもので、今なら相当値打ちがあるものもあっただろうと思う。 ビートルズはもちろん全て揃っていたし、 幻の武道館公演のパンフレットも大切にしまってあった。 北海道からビートルズ武道館公演に参加できたのは母を含めてもほんの数人だったらしいというのが母の自慢だった。 ジョンが射殺された時、母

      • 故郷

        海、とひとくちに言っても、色々だと思う。 特に夏の海ソングなんて、j-popだけでも1億曲はある気がするし、夏の海の歌ばっかり歌うアーティストもいるし、海の家でかかってそう~!みたいなジャンルまで拡げたらさらに1億曲あるんじゃないだろうかと言いたくなるほどだけど、そこにある海は大抵、爽やかに白波が立ち、水着のギャルがいるし、恋の駆け引きや男女のすったもんだが欠かせない。 でも、米津玄師の歌詞世界に広がる海はそれとは違う。絶対に水着ギャルはいない。きっとこれは徳島の海なんだ。

        • 変身雑感

          そのうち自分の記憶なのか聞いた事で補完した誰かの記憶なのか分からなくなってしまうから、記憶が薄れきる前に、備忘録としてブログを更新しておこうという気になったので記しておくことにする。 2年半まえ、未知のウイルスに全ての公演が中止に追い込まれチケットが紙屑に…いや、デジタルチケットの場合なんて言うのが正しいのか?…とにかくそれ以来のツアーだ。 HYPEツアー中止の告知以降、世界の感染状況は加速度的にシリアスになり、ライブどころか、日常生活すらままならなくなった。あれからもう2

        「私が明日死ぬなら」

          あの日

          先日娘たちが卒業した。あの日の私に、伝えられたらいいのに。卒業式の長女は、1年生の初夏から1歩も入れなかった教室で担任の話を聞いて、皆と笑いながら校庭で写真撮ってるよ、背はもう私とほぼ一緒、春から高校生だよ、って。 ほぼ同時期に不登校になり自殺未遂を試みるまでに至った娘のクラスメイトがいる。Kという子で、娘とKはずっとお互い自分にも余裕がないのに相手の生存と現在位置を確認しあってきた。ものすごくシリアスな状況を乗り越えて彼女の今があると知っている人はとても少ない。そのKも、様

          あの日

          カナリヤ

          カナリヤのMVが公開になったので、これを機に、何故私はカナリヤという曲が怖かったのか、これまでつらつら考えたものをまとめて記しておこうかと思う。 カナリヤは、まず、言うまでもなく自由の象徴だと思う。空を自在に飛ぶ鳥は人が憧れる自由のイメージの典型例だ。 緊急事態宣言下で行動を制限され、小さな籠の中で行き来を繰り返す毎日に皆が疲れていた。それぞれの必要最小限の活動しか許されず、とにかくあまり何も深く考えず、日々を繋いでいくうちに思考停止してしまいそうな危険な毎日。けど、その

          カナリヤ

          毎年、ある日を境目に、煩かった蝉が鳴かなくなる。ああ、今年も夏が終わるんだなと感じたその静かな朝、父の訃報が届いた。 家庭に恵まれず、寂しく育った父は、駆けつける息子すら間に合わず、最期もひとりでひっそり旅立ってしまった。遅れて駆けつけた私の目に父の最期の表情が安らかに映ったのは、我が事で精一杯でいよいよ死期が迫っている父に会いにいく事すらできなかった私の罪の意識が見せた幻かもしれなかったがどうだろう。 父の異変に、数年前に気づいたのは離れた土地で暮らす私だった。当初の妄想

          逃げる

          【希死念慮】死にたいと願うこと。 [補説]自殺願望と同義ともされるが、疾病や人間関係などの解決しがたい問題から逃れるために死を選択しようとする状態を「自殺願望」、具体的な理由はないが漠然と死を願う状態を「希死念慮」と使い分けることがある。 希死念慮(キシネンリョ)とは - コトバンク デジタル大辞泉 - 希死念慮の用語解説 - 死にたいと願うこと。[補説]自殺願望と同義ともされるが、疾病や人間関係などの解決しがたい問題から逃れるために死を選択しようとする状態を「自殺願望」、

          逃げる

          優しい人

          出先からの帰りに数本乗り継いだ電車を降りたら、ズボンの裾にガムが張り付いていた。おそらく、どこかの駅のホームで踏んだものが私の靴に付いて、その靴から裾に付いたんだろうと想像しながら、何処の誰かも知らない人間の口から吐かれたガムを、重い気持ちで剥がし取った。 昔、都会のアスファルトの水玉模様は、吐いたガムのこびり付いた跡だと知って驚いたことをふと思いだす。ひとつひとつの悪意は決して大きなものではないのに、その最初の1人の行為が、その人間の与り知らない所で次の行為を助長し、増幅し

          優しい人

          69%21%77% 娘が本日持ち帰ってきた通知表による、一学期、二学期、三学期の娘の出席日数をカウントした数字。しかも二学期の21%は、教室に1回も行けなくて、保健室や別室だったはずだ。 門出を祝う春をまた迎えて、感慨深い。1年前のこの時期卒業を迎えた娘。母子ともによくこれまで頑張ったなと安心していたんだったっけな。梅雨前のある日学校に行けなくなり、夏頃は1日布団から出ない日もざらで、お薬飲まないと眠れなくて、カッターを部屋に持ち込んで…今思い出してもゾッとするほどの負のオー

          呪い

          私の母は約15年前に他界している。癌で、発見された時には既に手の施しようがなく、1年の闘病の後53歳で亡くなった。 私は母がとても好きだった。私は父に似ているけど、母は、美しく、賢く、強い人だった。小さい時から母みたいになりたいと憧れていたし、そんな羨望の眼差しを当然と受け取れる、いつも自信に満ち溢れた人だった。昔の友人には、綺麗だった時だけ覚えていて欲しいから、死んでから伝えてくれと遺言したところが母らしい。 母が癌だと聞いた時、私は取り乱して、母が死ぬなら私も死にたいと願

          BUMP OF CHICKEN『Aurora arc』と99匹と1匹

          娘のメンタルが落ちているのにつられ、私の精神も削られている。こんなに、こんなにも好きな米津玄師を聴けない時がある。よくわからないけど、心が楽しむことを拒否してる気もする。耳を通り過ぎていくだけの音楽しか聴けないここ数日です。 雑多に流し聞きしたいがために4ヶ月90円のキャンペーンが来ていたAmazonMusicに入会して、ふとプッシュされていた、BUMP OF CHICKENのニューアルバム、Aurora arcをダウンロードして、朝の日課のランニングの時、何気無く聴いた。

          BUMP OF CHICKEN『Aurora arc』と99匹と1匹

          大丈夫。

          春に中1になった娘がいる。が、今、学校に行けていない。 よくある卒業文集の人気者ランキングで、ぶっちぎり1位だったという娘。小学校の先生にも、「この先も人間関係で悩む事はないだろう」と太鼓判をおされた。出しゃばらず、でもリーダーシップもあって、勉強も出来、いつでも周りに何重にも友達がいると。 母からすると、うちの娘がそんなに皆に慕われていることが驚きではあったけど、私に見せている顔と学校でのあの子は違うんだなぁと素直に嬉しかった。 そんな娘が、中学生になったある日、突然幽

          大丈夫。