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社長の頭のなか (PART1 理念の作り方)〜RIDEの創業理念に詰め込んだ、無形だけど、とにかく熱い希望 ~

今回は、新しくなった「理念」についてのお話です。

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編集を生業としてきたのに、前回は「what」と「why」の重要性という、いま考えれば「あまりにも普通すぎるテーマで書いてしまったな〜」と我ながらアプローチの弱さに凹みながら、キーボードを叩きはじめました。でも、めげずに頭の中を言語化していきます!

こんにちは! RIDE MEDIA&DESIGN代表の酒井です。

新しい期が始まる10月。(16期がスタート!)
「理念」と「ミッション」を変更しました。そして、新たに「クリエイティブマインド」と「ビジョン」を新しく設けました。

新しい理念
『個が輝けるクリエイティブカンパニー』

新しいミッション
『個のクリエイティブで、人や社会にウェルネスを』


今日は、これらのコーポレートアイデンティティについて書きたいと思います。現在、RIDEのサイトにも理念やミッション、僕らのクリエイティブに感する考えはまとまっているのですが、より僕のパーソナルを通して、尚且つ社会的な文脈も踏まえてお伝えできれば、よりRIDEを理解してもらえるかな〜と思い書かせてもらいます。


ではまず、本題へいく前に少し僕のバックボーン的なところを書かせてください。


「無形だけど、とにかく熱い希望」
そして「価値観が同じ人と共に人生を歩む感動

僕は、2018年の10月から代表になりました。RIDEは2006年の8月に設立され、そこから12年間、僕は副社長という役割で仕事をしてきました。

創業メンバーではありますが、出版社時代の先輩である国府田の誘いを受けて会社をやることになったのです。誘ってもらった時は、もちろんRIDE MEDIA&DESIGNという屋号もありません。いま思い出したのですが、むしろ違った屋号で仕事を始めようとしていました(笑)。そして、取引先であった斉藤や清水も直後にジョインしてくれました。と同時に、今の副社長の越後が社員第1号で入社してくれました。

実はここには、いろいろと経緯があってRIDEを立ち上げる前に国府田と2人で会社をやっていたこともありました。厳密にいうと雇われ経営者みたいな感じでした。ただ国府田は当時も代表で、その頃から僕の道を切り開いてくれる存在でありました(この話もエキサイティングなので機会あれば!)。

そのとき最も印象的だったのは、後輩である僕を国府田は「ビジネスパートナー」として、ちゃんと敬意を持って接してくれていたことです。お互い違う案件や仕事をしていて、それぞれにクライアントや人脈もあったという事実はありますが、そういった商流や体裁的な発想ではなく、自由と責任を持った経営者仲間として向き合ってくれていました。

当時の僕は、編集部という編集長が絶対的な立場で、出版社というセクショナリズムの激しい閉鎖的な組織でしか働いたことがありませんでした。ゆえに階級が明確なグループが存在し、上下関係が厳しく「個人を尊重して仕事を進める」という経験が全くありませんでした。

業務の無茶振りは当たり前、仕事なんて体系的に学べない、締め切り前は体力的に超ハード、夜中に飲み会への呼び出しは日常茶飯事…。そんな環境だったので余計に、国府田と会社を起ち上げ、僕のやり方や考えを大事にしてくれつつも、ビジネスとしてはしっかりとリーダーシップをとってくれる環境が僕には感動的だったのです。

少し補足をしておくと…出版社時代の仕事は、最高に楽しかったです!組織体系や環境での違和感はありましたけど、僕は編集者になりたくて上京をしてきて、しかもファッション誌で「一番、イケてる!」と思っていた編集部に入れたわけですし、ここでの経験や人脈が僕のいまの原点です。いまでも「編集力」というスキルを重要視しているのもここからきています。

話がそれました。
なぜ国府田との話をここまで書いたかというと、僕はこの時に感じた「無形だけど、とにかく熱い希望」、そして「価値観が同じ人と共に人生を歩む感動」をRIDEの創業理念に詰め込んでいるからです。

「先輩で実力も僕よりある人が僕をビジネスパートナーとして対峙してくれた」という体験です。間違いなくこの時、僕は「個が輝ける」状態を体感していたのです。そこには、前回も記事に書きましたが「自信」と「同調」という大きなキーワードがありました。言い換えると「個が輝く」ためには、「自信」と「同調」が必要だということです。

ひとり一人が納得して誇りを持てる
クリエイティブ集団を作りたい

会社を設立して1年後くらいに理念ができました。神楽坂の小さな会議室を借りて議論しました。国府田がその時にポイントとしていたのは「自分が主役の人生を生きているか?自分のスタイルを貫きながら働いたり、暮らしたりしているか?自分の人生に100%納得できているか?またそのような働きかけを好きな仲間と同調させ、輪を広げて大きなものにして社会に価値を提供しているか?」ということでした。(これはRIDEの公式サイトの理念のところで説明しています

と同時に、僕には

”「ひとり一人が納得して誇りを持てるクリエイティブ集団を作りたい」という気持ちがありました。ノリではなくちゃんとビジネスに紐づいたチーム、仲良しクラブではない持続可能なコミュニティの創造です。会社という枠に囚われずRIDEという生態系を作りたかった。”

と当時の気持ちを2019年にRIDEメンバーヘ向けた新年の挨拶文にも書いていました。

いま、経営陣と共有している「個が輝いている状態とは?」は、「自信と謙虚が同居していて、互いに認め合い、リスペクトしている状態」だとしています。

言い換えれば、
「他者や社会、地球にも想いを馳せることができ、個人と人々、社会が尊重し合える状態」でもあると僕らは解釈をしています。

さらにRIDEという組織を通じて、自分だけで発揮できる「個」の可能性や価値観を、他者とのコラボレーションによって無限に広げていく楽しみを持てるということも含まれていると考えています。これもやはり他者や社会を尊重しなければ実現できないことだと思っています。

RIDEを立ち上げて、僕は「個が輝く」経験をさせてもらい、自分に「自信」が持てたし、自分が輝くには、先輩後輩という関係や仕事のスキルだけでなく、まずは、相手や周りの人に敬意をはらい「同調」することが大事だと学べました。

では、新しい理念の後半部分である「クリエイティブカンパニー」とは、どういうことでしょう?


向上心よりも好奇心を大事にして欲しい理由

1、 個が輝くクリエイティブって「何」だろう?
2、個が輝いたクリエイティブの先には「何」が起こるんだろう?

まずは、RIDEの考えるクリエイテイブについてから…

RIDEにはセールスマンがいません。管理部はありますが、ほぼ全員がクリエイター的な存在です。設立当初から比べるとマーケターやプランナー、マーチャンダイザーなど職域は増えても、基本は変わりません。

そんな中、いまも僕の思いにはRIDEが「制作プロダクション」や「制作会社」というスタンスをとることに違和感を持っています。プロジェクトによっては、RIDEをそうやって名乗ったり紹介してもらったりする方が周りに理解してもらえることも多いのは事実ですなのですが、ただ、僕には「理想のクリエイティブ集団」を目指すという設立当社からの想いがあるので、やっぱりしっくりこない。

違和感の理由は、ただ「モノ」を作って終わりという考えが設立当初からなかったからです。例えば、雑誌を作っていても、その先にEコマースと掛け合わせる新しいビジネスモデルを出版社やアパレルショップやメーカーには提案をしてきましたし、発注をいただく案件でも制作だけで終わせないという発想が常にありました。そしていまもその志向でいろんなプロジェクトを進めています。

この考えに至ったのは、RIDEを立ち上げる前に経験していたWebビジネス(有料サービス、Eコマース)の知見も大きく関係はしています。

RIDEのクリエイティブにおいて大事なのは、「作って終わり」ではななく、さらに言うと「ただ美しい、洒落ている、機能的である」というだけではないということです(これはRIDEサイトの理念のところでも説明しています)。

ビジネス面では常に、持続可能な事業かどうかを考えながらクリエイティブを生み出します。見た目はいいけど心身や環境への負担が多いものは、良いクリエイティブだとみなしません。もちろん、必要以上に購買意欲を煽ったマーケティング活動を伴ったクリエイティブにも魅力を感じません。普遍的に、物事の真理を捉えられるクリエイティブを目指しています。

そんな「クリエイティブ 」への姿勢と「個が輝く」がどう関係するのか?

前段の2つの質問についてです。

1、個が輝くクリエイティブって「何」だろう?
一言で言うと、“いま”の自分の集大成をもってアウトプットされるものが「個が輝くクリエィティブ 」です。マーケティングやデータだけに頼らず、ツールや表現方法に左右されず、個の内発的動機や体験に基づくアウトプットを強く意識します。そのようなクリエイティブは、人々の琴線に触れると信じていますし、何かモノづくりをする時にとても大事なことだと思っています。言い換えると「向上心よりも好奇心が大事」だということです。作り手の熱量といった感情の乏しさ、またそれを表現する技術や努力の欠如があってはならないという逆説的な解釈もできます。

2、個が輝いたクリエイティブの先には「何」が起こるんだろう?
一言で言うと、人々にポジティブな行動や習慣を生み出すことができると思っています。すなわち、クリエイティブの力で世界をより良い方向へ導けると信じています。それにより個が活き活きと輝いている状態=ウェルネスな人を増やし、より創造的で色彩豊かな社会を実現できるとも考えています。それは、ライドの個(輝く)と世の中の人々がクリエイティブを通して高め合うことにより、両者が活き活きと輝いているウエルネスを実現できる!ことです。きっと、そのような人々が活躍する社会は瑞々しく、生命の躍動感であふれ、寛容である世界が成り立つだろうという見立てです。「社会を変革しよう!」とかの大それたことは考えていませんが、少しでも穏やかな社会の実現に役に立つならば、そんなに喜ばしいことないと!いう思いがあります。

理念である『個が輝けるクリエイティブカンパニー』には、僕のビジネスパーソンとしての原体験も含まれていますが、一番重要なのは、この世界で、この社会で、僕たちRIDEが存在する意義がちゃんとここには含まれているということです。そして、それは決して無理強いした存在意義でなく、メンバーひとり一人が「自信」を持って「同調」する大切さを失わなければ継続し続ける理念なのです。

次回は、「ミッション」についてです!

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