ついたての向こう側の頭

「んん…??」

10メートルくらい先にある、ついたての上の方に何かが見えた。
光沢があり、つるつるしている。
そして動いている。

あぁ、人か。

あれはたぶんハゲてる人の頭だ。
おそらく隣に人がいて、その人と話でもしてるのだろう。

もぞもぞと動くその頭から目が離せなかった。


(ハゲが動いてるのはわかる。でも…変なハゲだなあ…)


自分の、大変失礼な言い草にフフッとなる。

ところで……あの頭はどこを向いてるんだろう?
あのもぞもぞしている頭を見て、ふと疑問が湧いた。
ハゲているとどこを向いているのかわからないのだ。

いや、視力がもっとよければきっとすぐにわかるんだろう。
自分の視力ではハッキリと見えなかっただけだ。
でもそれじゃつまらない。

仮にあのとき視力がAだったなら、

(ハゲがいるなぁ…)

で終わってしまう。
そこに疑問など生まれないし、ストーリーもないだろう。(ストーリーってなんだよ)

少し目が悪かっただけに、この発見があったのだと思えば、視力が悪いというのも悪い気はしない。

話が逸れてしまったが、何が言いたいかというと

「ツルツルの頭が上半分だけしか見えないと顔の向きがわからなくなる」ということだ。

以下、発見時の脳内

(あぁ、人か。)
(ていうかなんだあれ。頭だよな。耳見えなくね?)
(え、どこ向いてるの?)
(あっ、そっち向いてたんか!笑)
(あぁ、耳って大事だなあ)

的な。

それを見て一人で笑ってるんだから、今日も平和ですよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?