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天国への階段/レッド・ツェッペリン Stairway To Heaven / Led Zeppelin

隣のクラスには誰が持ってきたのか常に教室の後ろにガットギターが置いてあって誰でも自由に弾くことができた。

バンドメンバーが3人に決まってから数日後、俺は入り浸っていた隣のクラスでギターを抱えながらT川君とI川君と音楽談義に花を咲かせていた。

俺はギターで覚えたての曲のイントロを弾きはじめた。
「3年B組金八先生」の番組内で野村ヨッちゃんが弾いてた曲だ。
まだ原曲は聴いたことがなかった。

ツェッペリンはファーストアルバムしか持ってなかったから。

このころからTAB譜というものが雑誌に掲載されるようになっていて、「いたいけな」ギター少年たちは大いに助かったのだ。

そのイントロを弾いていると、後ろの方から歩いてきた黒縁メガネのインテリっぽいやつが話しかけてきた。

「それツェッペリンの『天国への階段』でしょ?」
「そうそう!知ってるの?この曲(俺は聴いたことないけど)」
「うん、知ってるよ。ツエッペリン好きだもん」

田舎の中学ではみんな矢沢永吉武道館ライブだったけど、この高校は話が早いやつが多い。

「じゃ、一緒にバンドやらない?ボーカルがいないんだよ」
「えー、俺ボーカルなんてできないよ」
「大丈夫だって。曲知ってるやつがいないんだよ。ね、頼むからやってよ」
「うーん、じゃあいいよ。やってみても」

ボーカルにS野君が加わった。

こうして桃太郎のように家来(笑)が増えて行って、バンドメンバーは4人になった。

さらに彼はツェッペリンのサードアルバム、4枚目のアルバム(天国への階段が入ったやつ)ほかツェッペリンのアルバムを何枚か持っていた。
当時はレンタルレコードなど無いので、友達内でダブらないように相談してレコードを買ってみんなで貸し合っていた。
当然ように彼のツェッペリンのレコードも俺たちの間をグルグルと回り続けた。

ロックンロール!


 


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