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おれは怪物くんだ/白石冬美(作詞藤子不二雄・作曲編曲筒美京平)Ore Ha Kaibutsu Kun Da / ShiraishiFyumi

ここまで書いてこういう日本語の曲のローマ字タイトル必要かな?と疑問を抱いた。
まあいいや。

初めて人前で歌を歌ったのを覚えている。
たぶん幼稚園かその少し前ぐらいだったと思う。

当時テレビアニメで放送されていた「怪物くん」のオープニング・テーマ曲だ。
お盆かお正月に母方のおばさんの家に行った時、レコードだったかソノシート(!)を買ってくれて、うれしくて何度も聴き返してはみんなの前で得意になって歌ったのを覚えている。
おばさんは「俺君は歌が上手だねえ」と褒めてくれて、子供心にとてもうれしかった。

俺は褒められて伸びるタイプだからな。

曲中のセリフの部分もちゃんと歌った。
ドラキュラーっ! ハイざます。
狼男ーっ! ウオーでがんす。
フランケンっ! フンガーフンガー。

あ、フランケンがドラム、狼男がベース、ドラキュラがギターでバンドできるじゃん!

もったいない。

このおばさんは俺が高校に進学する時にお祝いにエレキギターを買ってくれた。
ある意味俺の人格形成に一役買ってくれた恩人だ。

お盆にこのおばさんの家に行くといつもトウモロコシを茹でてくれた。
これが絶妙な塩加減で美味しくて、今に至るまでトウモロコシ好きを公言する俺の食の原体験にもなっている。

高校野球甲子園大会がいつもテレビに映っていて、部屋には大きな美空ひばりのポスターが貼ってあった。
大きな盃と槍を持っていたので黒田節かなんかのポスターだろう。

かなり遠く離れていたところに住んでいたので、年に1度会えるか会えないかという人だった。

このおばさんは結婚はしていないけど子供がいるという、今でいうシンママの走りのような人で、水商売をしていた。
まだ俺が小学校にも上がっていないぐらいのある日、おばさんの部屋にいたのだが、ベッドにはおばさんともうひとり知らない男の人が寝ていて、後ろから手を伸ばして体を触ったりなんかしていた。
おばさんは「子供がいるでしょ!」と少しキツい言い方でたしなめていたのを覚えている。
なんとなく見てはいけないものを見てしまったような気がして、ずっと記憶の奥底に残っている。
今でもその時の部屋の中の情景を思い出すことができる。
性の目覚めとまではいかないが何となくモヤモヤしたものが。
かなり大きくなってからその記憶がフラッシュバックして、
あの人が相手の人だったのかな?と思ったりもした。

その後、このおばさんの子供は俺の両親が引き取ることになり、ウチに来ることになった。

ある日突然「姉」ができた。

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