オゴポゴ

アニメーターという職業についています。何かを発信したいわけでもなく、表現したいわけでも…

オゴポゴ

アニメーターという職業についています。何かを発信したいわけでもなく、表現したいわけでもなく・・・ただ何となく、書きたいことがふと思い浮かんだとき、そんなときのために保険で作ったようなアカウントです。 https://twitter.com/rntr_0912

最近の記事

クライマーズ・ハイ

 図書館で借りた本の中には、しばしば「後でこの本買っておこう」という思いにさせるような、そんな一冊がある。横山秀夫さんの『クライマーズ・ハイ』もそんな一冊で、先日図書館に寄った日、ふと文庫本のコーナーを閲覧していた際、「そういえば小説版を読んだことがなかったな」との思いから、ふと手に取って借りたこの小説を、通勤中や仕事のふとした合間で読み進めながら、気づけば僕は、自分の人生、そして今の僕が思う自分の弱さを、どこかこの小説の登場人物に重ねながら読んでいた。  小説の舞台となる

    • 12歳の僕へ

      「ちなみにお前目標ってあるの?」  その言葉は、ある日、吉祥寺の飲み屋で一緒に飲んでいた大学時代の先輩から、何の気なしに放たれた。  目標  30歳を過ぎた僕のような人間には、なんだかそれを語るには、あまりにも遅すぎるような気がしていた。 「目標は?」 その問いかけは、誰の人生にとっても、きっと幾度となく問いかけられる質問であり、僕自身、今までの人生で、何度その問いかけを耳にしたかわからない。特に10代や20代のうちなど、学校の先生や両親、友達や会社の上司など、まあ理に

      • 忙しいということ

         今僕には仕事がある。生憎その仕事は本日(本日というのは8月の19日のことだ。)までの締め切りで、しかも金曜ロードショーの『となりのトトロ』も終盤に差し掛かるこんな時間になっても未だ終わっていないと来ている。そんな時にこうして3ヶ月ぶりに他愛もない記事を書こうなんて何を考えているんだと言われればそれまでで、実際僕の上がりを今も待っている制作さん(という、作業のスケジュール管理や各部署の成果物の提出を管理するポジションの方が、僕らの仕事にはいる。本当に彼ら、彼女たちには僕は頭が

        • 長い仲直り

           嫌いだったものが、ふと食べられるようになる。多少なりとも年齢を重ねて、少しずつ大人になってくると、誰もが自然と、このような体験をすることがあるだろうと思う。生憎僕の舌はいい歳していまだにお子様舌で、好きな食べ物はと聞かれたら、カレーだのハンバーグだのエビフライだのラーメンだの、おそらく20年前に、学校のクラス替えのたびに書かされていた自己紹介シートに記入した好物と何一つ変わらないそんな答えを、今も僕は返すだろうと思う。とはいえ、それでも昔は全く受け付けなかったワサビ入りのお

        クライマーズ・ハイ

          灯りに群がる蛾のように、夜の蕎麦屋に僕らは集う

           ふと、仕事帰りに駅前の蕎麦屋に立ち寄った。時刻は夜の10時過ぎで、都心の方ならいざ知らず、僕が降りた駅のような東京郊外の西武線沿線の駅ともなると、駅前ロータリーを見回してみても、煌々と灯りをつけて営業しているのはその蕎麦屋と、そのロータリーをわずかに外れた場所に位置している松屋のみであり、そんな2店舗にはどこか、「今日も疲れたろ、10分くらい休んでいきなよ」なんて言うような、母性と呼ぶにはあまりに乱暴で男性的、友情と呼ぶにもあまりに軽薄で他人行儀、しかし、ふと一声聞くだけで

          灯りに群がる蛾のように、夜の蕎麦屋に僕らは集う

          5軍なりの青春

           一般に青春時代と呼ばれる時代を振り返った時、困ったことに、僕にはこれと言ったいい思い出がない。いや、決して楽しい思い出がなかったというわけではない。僕にだって、人並みに友達と連れ立って帰った寄り道や、大嫌いな体育祭の日にどうやって校舎に引きこもってサボろうとしたかだとか、やたらとカリスマ的な雰囲気を出していた同級生とたまたま友達だっただとか・・・そんな、思い返せば楽しかったな、なんて思える思い出・・・というよりは、こんな経験してるのは我ながら少数派に属する方だろう、と思える

          5軍なりの青春

          書き出そうとはしてみたものの

           僕の日常には事件が起きない。ハライチの岩井勇気さんのエッセイのタイトルのようなこの一言が、言ってしまえば僕の日常であり、おそらくは大半の人にとっての日常も、多かれ少なかれ似たようなものだろう。仕事で疲れて夜に近くの公園のベンチに座っていたら、たまたま隣に見知らぬ女性が座ってきて、ふとその女性のイヤホンから漏れて聞こえてきた音楽が、たまたま自分が1年前まで推していたインディーズバンドが解散する際に発表した曲だった・・・そんな偶然は、現実世界ではきっと、バスケットボールくらいの

          書き出そうとはしてみたものの

          東京の櫻たち

           たった今、この記事の一つ前に投稿した記事の日付を確認してみた。すると、なんとそれは、遡ること1年と2か月も前の節分の日であり、しかも、その一年前の記事が、僕の最初の記事なのだった。つまるところ、何となく一つ目の記事の投稿をしてから一年以上もの間、何一つここに文章を書くことなく、その後一切の投稿をサボり続け、殆ど死にアカ同然のアカウントになっていたのだ。何というズボラな性分。これは昔からでもあるのだけれど、本当に飽きの早い性分なのだ。  さて、そんな僕がどうしてまた、こ

          東京の櫻たち

          自己紹介と趣味の話が苦手という話

          初めまして、ogopogo、と申します。  ・・・・・などと書いてはみたのですが、僕には、生まれてこの方、自己紹介というもので何かをうまく伝えられた経験など、まったくと言っていいほどありません。  ひとまず言っておくと、年齢は20代後半の男性で、東京都の真ん中あたり、都会というほど都会でもなければ、かといって田舎と呼ぶにはあまりにも景色に山が見当たらない、ビルもなければ緑もない、というわけで、郊外と呼ぶ他ない、そんな場所に住んでいます。  そして、趣味は・・・と思って今

          自己紹介と趣味の話が苦手という話