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まいにち麻を越えている

こんばんは  ろろです。
タイトルは誤字ではないです。
麻。植物の麻。

今日感じた事が
「忍者の麻跳び修行」みたいだな
と思ったで、その事についてのお話です。


むかしむかしの話。
現代において
”和風ダークヒーロー”として名高い『忍者』は。
麻(衣料用)の苗を植えて、
まいにちソレを跳び越えることで、
ジャンプ力を鍛えたそうだ。
麻は1日3cmほど伸びて、
3ヶ月と少しを過ぎた頃にはなんと3m。
なんだか徐々に辛くなる修行を終える頃には、
忍者は3mの壁をひょーいひょいと跳び越えてしまうのだ。


まあ、こんな人が本当にいたとは到底思えない。


それはさておいて話を戻し、時は数年前。
私が一人暮らしをはじめて2回目の引越しの時。

新居に合わせた家具を揃えるために、
自転車をこいで、大型車の行き交う道路を何度も越えて1時間くらいかけて大型量販店に行った事がある。
量販店で目当ての組立家具を即決で購入し、脇に抱えてエッサホイサと坂道をのぼり、片手自転車漕ぎで帰宅した。
結構重かった記憶がある。
今思い返すと危なすぎるので心底やめて欲しい。


そして時は過ぎて今日。
その家具店よりも少し先のホームセンターへと
これまた自転車を漕いで漕いで向かったのだけれど、なんだかやたら時間が短く感じた。

「(あれ、この道は確か、1時間はかかった気がするんだけど?)」

といった感覚であっという間…という程でもなかったけれど、割と楽にホームセンターについてしまい、長距離を覚悟していた私は呆気に取られた。

多分昔の私はきっと、
引越したばかりの不安を抱えたまま知らぬ道をひた走り、だからこそ所要時間を長く感じてしまったのだろう。

そして今の私は、
その不安も乗り越えてスルッとその向こうへ辿り着いてしまったのだろう。
ちなみにホームセンターからは結局何も買わずに帰った。
欲しい物の予算を把握したかっただけなので。


知らぬ間に、かつての私が大きく感じていた壁は
知らぬ間に遠くに過ぎていたりする。
そんな感覚の話としてタイトルに戻る。



それとは別の話になるけど
本日たまたま機会があって、20年ほど前の学生時代の作品集を開いた。
随分と拙い、今となってはとても仕事に使えないようなポートフォリオ。

その中の一つに、赤ちゃんのおもちゃのデッサンがあった。

赤ちゃんが抱きつけるくらいの、ガラガラと音の鳴るおもちゃ。現役赤ちゃんだった頃の私がお世話になったこのおもちゃは今、末妹の娘へと受け継がれている。
デッサンに関しては、学生当時2〜3時間くらい書けて描いた気がするんだけど、今なら多分もう少し早い…はず。

知らぬ間に数十年。
むかしの情けない自分を顧みる度に、
情けなくなったり悲しくなったり、後悔したりを繰り返してしまうけれど。

それでも、今日の私はその頃よりは少なからず上へ跳べるようになっているらしい。

だから、
今日の失敗も、昨日の後悔も、その前の悲しさも。いつの間にか跳び越えているんだろう。
たぶん、きっと。

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