be

ホームレス役者

be

ホームレス役者

最近の記事

僕の好きな子は、いつも上座に座る

僕の好きな子は、いつも上座に座る。 《春》 僕はもうすぐ満開になるだろう桜を遠巻きに見ながら、青いベンチに座っていた。 隣には、好きな子がクラブサンドを両手で持ち、むしゃむしゃ、食べている。 「おいしい?」 「おいひい」 なんだろう。 「おいひい」って熱いものを食べた時にしか聞けないものだと思っていた。 僕の感覚に奥行きと幅を与えてくれる素敵な子。 《夏》 蝉の声が脳に響く。 ラジオ体操に来てみた。 僕の好きな子は、ダイナミックな動きで体操をしている。 「豪快だ

    • 25年目の朝

      今日はカーテンを開けても気持ちよくなかった。 休みの日は何をしますか? という質問に対して、 休みますと答えると、 いやいやみたいな顔をされる。 わからなかったのか? 休みの日と言っていたのは、 そもそも君で、 僕は重複していると気づきながらも、 休みますと優しさで答えたら、 いやいや。 いやいやじゃなくない? 今ボケるのいいっすわみたいに。 ボケてるのは僕じゃなくない? そんなことを考えながら皿を洗っている。 休みの日はそんな朝から始まる。 カービィの作品で1番神ゲーだ

      • やきそば

        高校生の頃、 弁当にやきそばが入っていると、 全部取られていた。 僕がやきそばのこと苦手だから、 あげてたわけじゃなく、 ものすごい人気だったから、 それはそれは人気で人気で。 やきそばが。 購買にやきそばパンが売っている。 「おばちゃんやきそ…」 「おばちゃんやきそばパン!」 「はいよー」 「……」 僕はとことん、 やきそばを食べられない運命なんだと、 やきそばを諦めることって 欲しかった服のサイズが無かった時と同じ。 虚しい。 僕に合うやきそばが無かった。 ただそれだ

        • 銭湯の畳の部屋にて

          銭湯の畳の部屋で風呂から上がって寝転がっちゃうと、 想像以上に時間を奪われる。 あの場所は本当に危険だ。 だからかもしれないけど、 あの畳の部屋にはテレビが付いていて、 変な音楽が流れている。 だからなのだが、 正気の沙汰なら、最悪の場所だ。 テレビも字幕をオンしてない。 つまり、音楽に集中しないようにテレビを見なくては、 テレビを見ることができないようになっている。 だからといって、 寝ようとしようもんなら、音楽が攻撃してくる。 テレビの音だって小攻撃をぶっぱなしてる。 あ

        僕の好きな子は、いつも上座に座る

          ブルースの鳴子

          「僕の奏でる声はどうしても説明に困る。」 なんだろ、 昔はなんか、 こう、 コンプレックスのような でも、 コンプレックスじゃないような。 昔の動画を見返すと、どうしても聞いてられない。 嫌な声。 というより嫌な喋り方なんだろう。 自分が1番面白いと思いながら喋ってるみたいな。 自分でツッコミが上手いと思ってるみんなの中にいる、 あいつみたいな感じ。 でも、大人になってからは、 自分の声を聞けるようになった。 別に何かが変わったのかと聞かれれば、 状況

          ブルースの鳴子

          アサ

          母と2人でカレーを食べに行った。 インドカレーアサ(あんまり覚えてないけど) 店の前にはみんな一回は 見たことありそうなコック長がサングラスをかけて 出迎えてくれていた。 僕はコックに頭を下げて店内へ入ると、 カレー臭が充満している。 なんかカレー臭って言うと加齢臭みたいに って思うかもだけど、 加齢臭は加齢臭でカレー臭の中に含まれているというか カレー臭が強すぎて加齢臭を誤魔化せているのだからと 言わんばかりにカレー臭が強烈なんだな。 どこかの大将みたいに言うやつは置いとい

          アサ

          破裂、青

          桜も散りゆき春の終わりが近づくこの季節 僕の中でなにかが破裂しそうで、 破裂したことに気づかないフリをした。 いろんなことがあったこの3年間を振り返る。 僕の軌跡に残された、回収されない布石の数々。 僕のなりたかった大きな夢に立ち向かってくる、 諦めなければならない敵に、 なんだか押しつぶされそうで、 共感されない孤独感の中で僕は、 新しい線路を引ける道を探す。 理想と現実のギャップにどうしても気づきたくない。 こうなりたい自分と、 こうあるべき自分。 どちらも本当の自分なの

          破裂、青

          契り

          儚くも淡いから 至福 鋭くも鈍いから 至福 行動を言葉が越える 言葉に命を吹き込み動き出す。 何処へ行くのか 心躍らせついて行く。 「何処へ行くのですか?」 なんて野暮だから 黙って跡を追う。 丁度150m進んだところで止まった。 というか泊まった。 朝になったらどうでも良くなって 「何処へ行くのですか?」 と聞いたら 「バリ高知」 と答えられた。 答えられたって言う感覚。 答えて頂いたというよりかは答えられちゃった。 そんな感じ。 もしもご家族の希望のような存在だとしたら

          契り

          唐揚げ定食のあざとさに関する考察

          女子アナ風の女性が満面の笑みで男性と話してる。 男ウケ抜群の服装。 さりげないボディタッチ。 そんな様子を見てると、「あざとい」という感情が湧き起こる。 あざとさを別に否定するわけでは無いが、 その「あざとさ」にまんまと引っ掛かる者の、 「あざとさ返し」を僕は見たい。 あざとさvsあざとさ返し、 その攻防を僕は見たいのだ。 唐揚げ定食の唐揚げが4個。 大体の定食がこの数で提供する。 5個のところもあるだろう。 そこはまた後で話すとして、 この4個の唐揚げのあざとさを伝えたい

          唐揚げ定食のあざとさに関する考察

          オオグイ

          大食いから最も遠い位置に自分が居たから 大食いやったなぁ今日は、という特別な1日を 僕は過ごすことができたんだと思ったんだ。 そんな話。 僕は最高お茶碗6杯の白米を食べれたことがある。 正直大記録だ。 僕はお腹いっぱい食べるのが苦手だ。 お腹いっぱいになると、苦しい、辛い、しんどい、 こんな感情が湧き起こる。 だからお腹いっぱいは食べない。 でも、今後大食いの企画が僕を襲う可能性がある。 どーしたら良いのか考えた。 思いついた。 毎日お腹空いた段階で、ご飯を食べて、 お腹空

          オオグイ

          エラバレ

          僕の持ってる雰囲気。 あなたの持ってる雰囲気。 そんな各々の持ってる雰囲気がある。 ある人とある人。 その雰囲気同士が似合ってる。 なんかそれに運命を感じる。 ここでは、それを運命とする。 だんだん着こなせるようにはなっていくとは思うが、 出会った瞬間から似合っていたら、 僕は運命だと思う。 古着みたいな感じ。 僕はその運命に従いたい。 でも、みんなはそうじゃないのかもとかも思う。 運命よりも憧れを優先する場合もある。 ここでの憧れは、 似合いたいと思うこと。 そんな感じとす

          エラバレ

          エモ様

          自分の中の感覚を伝えたい、 そんな言葉が1番しっくりくる。 ひとつずつ紐解くこの作業が好きで、 何かを分類したり、何かを繋げてまとめたりする。 例えば、 静かでお淑やかな空間にいると、 おしっこをしたくなる。 これには趣があり、共感がある。 そんな感じがする。 正解や不正解は、 実は不確かなもので、確かなものではない。 誰かが勝手に偉くなって、 勝手にまとめて、 勝手に作った。 だから、僕は正解や不正解を作ることができる。 ただ、それだけだと自己中だから、 ある程度の受け入

          エモ様

          ビニール王国

          僕に語彙が少ないが故に 伝わらないことも多い世の中だった。 かつての自分に合ってるかわからないが、 慰めの言葉として、 ニュアンスが伝わることへの喜びを感じる日が来ると 送りたい。 今日はビニール王国について教えてみたい。 僕らの住む街は、ビニール王国。 ビニールを栽培し、外交をして、 国を運営している。 小学生の頃から、主にビニール栽培についての 学習を義務化しているこの国には、 夢がなかった。 大きくなったら、パイロットになりたい。 大人になったら、大金持ちになりた

          ビニール王国

          記憶力の無い家

          僕が見た夢を共有してみようと思う。 多少フィクションなところはあるけど、 僕の見た夢を基に書きました。 早速どうぞ。 時代は進み、2084年の地球 記録的な大型の台風による 地球史上最大の大洪水が起こり、 日本にある川のほとんどが形状を維持できず、 川の流れが変わった。 全てが崩れたのはそこからだった。 家族4人暮らし、 3階建ての家に住んでいた僕らは、 僕らから僕だけになった。 残ったのは1階が浸水したての家と、 絶望の2文字であった。 それでも社会は回り続けた。 なぜ

          記憶力の無い家

          ミズカサ

          最近考えてるんですけど、 大きな石、 自分が両手を広げに広げてようやく持てる大きさの大きな石を、川の中へ、 どばーんっと入れたとき 川の水のかさがグッと増す。 小さな石、 自分が両手を広げに広げてようやく持てる量の小さな石を、川の中へ、 どどどどどどっと入れたとき 川の水のかさがグッと増す これどっちのほうが水のかさが増えるんかな? 《俺わかるよ》 「あ、あなたわかる?」 《これは、大きな石》 「あ、大きな石なんや」 《よりも》 「よりも!?」 《七色の馬を逆さにして

          ミズカサ

          めるまる

          「めるまる」 この4文字のひらがなの配列に、 なんか、すごい丸みを感じる。 「めるまる」 うん、なんか丸い。 丸いというか、ふわふわと言うか、ぷわぷわみたいな。 ぷかぷかに近いのかも、どーなんだろ。 ぴわぴわみたいな。なんかふわふわとぴかぴかの間みたいな感じの、ぴわぴわみたいな感じ。 「めるまる」 メルマガとは遠い気がする。 でも、音にして発した時には近いかもと思うけど、 でも、待てよ、遠いかも。と思うと、なんか近い感じがするから、 「めるまる」はややこしい感じ。 ややこ

          めるまる