いったいどうして
毎年違う
雑草が繁茂するのだろう

今年のトレンドは
カラスノエンドウ
今年の土は
窒素が足りないのか

いったいどうして
タイムの間から
コニシキソウが
生えてくるのだろう

そっくりな葉っぱ
コニシキソウは
どうしてここに
タイムがあるのを知ったのか

土って実は
全部種なんじゃないかとさえ
思えてくる

何かのきっかけで
ロック解除されるのではないか

卵を産みにくるアゲハチョウ

いったいどうやって
キンカンの鉢が増えたことを
しるのか

ここにサンショが芽生えているのを知るのか
そんなの私も知らなかった

そんなに賢いのに
どうしてこんなに
ちっちゃなレモンの鉢に
こんなにたくさん卵を産むのか

葉っぱが足らない
全部蝶々になれないではないか

蝶になるのを楽しみにしていた
サナギ
ある日突然なくなっている

鳥はどうやって
ここにサナギがあるのを知るのか

新しく買った花を
熱心に世話をすると
念が強すぎるのか枯れたりする

枯れない程度に
水をやり
すっかり忘れて放っておくと
ある日気がつく
とんでもない大きさに育ってる

こんなもんかな子育ても

雑草をひきながら
庭を一周する
だんだん
目が慣れてくる

芽生えたばかりの
小さなものまで
抜けるようになってきた

3種類くらい
とても目につく
草がある

よし
一周したぞ

立ち上がると
植え込みの中に
大きく育った
全然別の草
例えば
セイタカアワダチソウ
みたいなものを
見つけて
ギョッとする

小さなことにとらわれて
全体に目がいってない
ことを指摘されたみたいだ

慌てて抜く

鉢を大きなものに変える
幼虫がたくさん出てくる
まるまったまんまで無抵抗
どうしよう
鳥が助けてくれないか

そのままにしていると
1匹がのそのそ動いて
近くの地面に潜り込んでいった

半日たったら
みんないなくなってた
鳥かな？
みんなもぐったのかな？

土に触れて
そのひんやりとした
感触に
心が落ち着く

背中に太陽を感じる
暖かい励ましのようだ

どこからか
鼻歌が聞こえてくる

ああ
近所で
同じように
庭仕事を愉しむ人がいる

幸せ

庭は不思議に満ちている