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2040年を見据えた令和2年度・厚労省予算要求(下)|迷想日誌

令和2年度の厚生労働省予算概算要求で、様ざまな労働・雇用事業が挙がっています。
柱は、(1)誰もが働きやすい社会の実現へ向けた働き方改革の継続(2)全ての人が意欲・能力を生かして活躍できる環境の整備――の2つです。

誰もが働きやすい社会の実現へ向けた働き方改革の継続」で最も予算規模が大きいのが、「最低賃金・賃金引上げに向けた生産性向上と同一労働同一賃金対策」の1400億円となっています。前年度より200億円ほど上乗せしています。

具体的には、最賃引上げのために生産性を向上させた中小企業に支給する助成金の拡充や設備投資などを行って雇用管理改善を図る中小企業への助成支援、非正規労働者の正社員化・処遇改善を進める企業への助成支援などが並んでいます。助成金事業が集中しているので、全体の予算規模が大きくなります。

長時間労働の是正対策などもこの大項目に入っています(予算規模360億円)。
働き方改革推進支援センターの運営や時間外削減・年休取得促進などに取り組む中小企業と事業主団体への助成金拡充、高齢労働者の安全衛生対策などが主なところです。

柱の2つ目「全ての人が意欲・能力を生かして活躍できる環境の整備」では、就職氷河期世代活躍支援プランなどの実施に650億円を計上していて、かなりの力の入れようです。
具体的には、ハローワークにおける専門担当チームの設置、民間事業者を活用した就職支援、正社員就職させた企業への助成金の拡充、引きこもり支援の強化などとなっています。

外国人受入れ対策には、125億円を掛けます。前年度より約20億円増額です。適正な雇用管理を広げるための企業への助言・援助の実施や多言語相談支援の強化のほか、外国人技能実習の実地検査・相談支援などがメニューとなっています。

予算概算要求は、財務省などとの調整を経て年末までに確定していきますが、これからの大きな変動はないでしょう。
ここでは、これ以上詳しく紹介できませんので、企業が利用すべき事業、または念頭に置いておくべき注目事業については、「労働新聞」の担当記者が個別に取材して、今後紙面に載せる予定となっています。

労働新聞編集長 箱田 尊文

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